21.ドレスと指輪
2006 5〜6
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■ドレスが家にやってきた

 式の冒頭におこなう新郎新婦紹介は、お互いの友人にお願いしようと決めていた。あでりーは兵庫に住んでいるMさんに依頼することとし、5月の連休のさなか、たまたまその方面に行く用事があったため、実際に会って話をしてくれた。
 いっぽう僕のほうは、大学時代の友人であるO君を選んだ。5月27日、彼の家に二人そろってでかけた。事前に簡単に話は伝えてあったのだが、話してほしいポイントをまとめた紙を渡し、おおよその内容を確認した。

 その2日後の29日、レイナ三城さんのサロンを訪れた。ドレスを受け取るためである。通常、レンタルのドレスなら式の直前でないと借り受けることはできないが、なにしろ去年から寸法直しをしてもらっているのだ。つまり、半年以上前からこのドレスは確保されている状態なのである。
 この日もドレスを試着し、レイナ先生から最後の指導を受けた。脱着の際の注意、持ち運びや収納時の注意など、いろんなことを教えてもらった。あでりーは特に、歩き方の指導を受けたのがとても参考になった、と話していた。

 2つのドレスは、この日から結婚式までの約一ヶ月、僕らの部屋に飾られた。レンタルドレスでこうしたことは普通できない。僕らはこのドレスがそこにあるのを見るたび、とても幸せな気分を味わったものだった。

 

【二着のドレス(サロンにて)】

 

 いっぽう僕は、袴の時にはく足袋を探して歩いた。いろんなお店で確認したところ、だいたい3000円ほどする。たぶんこの先使うことはないだろうし、たった一回きりのことでその値段を出すことにためらいがあった。それが、とあるお店で500円ほどで売っているのを見つけた。長く使うのには不向きだろうが、僕にはこれで十分だ。アルタモーダのSさんからお聞きしたとおり、4枚こはぜであることを確認し、購入した。さらに、下着用にUネックのシャツと、普段履いたことのないステテコも購入した。
 5月の末、レンタル機材を依頼するダスキンさんに機材明細を送付し、見積もりをいただいた。当日までにいくつか変更はあるだろうが、これでレンタル機材のめどはついた。


■指輪を買いに

 6月2日、注文していた指輪がついにできあがった。僕らは二人そろってお店に出向いた。
 ペンギンの目の部分だけが未完成だった。どのあたりに目の穴をあけたらいいのかを僕らに確認したあと、店主のおじさんは奥の工房に移動した。すぐに戻ってくると、ペンギンの目がしっかり入った完成品がその手にあった。
 指輪を見て、僕らは歓声をあげた。デザインしたイメージそのままのペンギンが指輪になっていた。世界でただ二つしかない、オリジナルの指輪。すべてのことにこだわりを、と考えていた僕らにとって、心から満足できる仕上がりだった。
 値段についても、思っていた以上に安くしてもらえた。店主はさらに、指輪の内側に、結婚式の日付と僕らのイニシャルを彫りつけてくれた。

【指輪】

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