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海と風の詩 番外編
〜濡れた浜辺で初エッチ 3〜


 一気に体温が上がった火照った体をゾロが強い力で抱きしめて来た瞬間、サンジの首筋に顔を埋めたゾロが小さく言った。

 「悪ィ・・・。」

 「えっ・・・?。」

 いったいゾロが何を謝っているのか、サンジが言葉の意味を図りかねている時。
 肩に回されたゾロの指が、グッと皮膚に食い込む感触。
 それと同時に、ゾロのペニスに絡めていた指に、どろりとした生暖かい濡れた液体が零れ落ちてきた。
 
 「あっ・・・。」

 今まで散々乱れたサンジの姿を見ていたゾロが、我慢の限界まできていたのだと、サンジがようやく気が付いた瞬間、指先を濡らしたゾロの精液は、すぐにサンジの薄い腹の上に飛び散っていた。
 ゾロが顔を埋めた首筋に、熱くて荒い呼吸が感じられる。

 (ガキのクセに、我慢なんかしやがって・・・。)

 幾つも年下のゾロが、戸惑うほどに自分の体を求めてきて、それでもどこかに見え隠れする年相応子供のような姿に、心底愛しい思いが込み上げてくる。
 暖かくて、柔らかな心地よさがサンジの全身を優しく包み込んでいく。
 サンジはゾロに絡めていた濡れた手とは反対の腕を、そっとゾロの呼吸を整えるように深く息を繰り返して上下する背中に回し、小さな声で言った。

 「一緒に、って言っただろ・・・?。」

 濡れた手の中には、それでもま硬さを失わずに脈打つ砲身を感じる。
 サンジにとっても、初めてのその行為が、怖くないわけではない。
 だが、それでもゾロの全てを受け止めてやりたいという思いの方が強かった。

 サンジの言葉に、ゾロがゆっくりと顔を上げた。
 ほんの数センチ先に見える緑色の瞳。少し苦しげにひそめられた眉。
 そして、まだゆっくりと深い呼吸を続ける薄い唇が降りてきた。
 掠めるような口付けのあと、何かを堪えるようなゾロの声。

 「ホントに良いのか?。俺途中で止めたり出来ねぇぜ。」

 「今更、だろ。」
 
 大体、我慢する気だってねぇクセに。

 サンジがそう笑って答えると、ゾロも少しだけ眉尻を跳ね上げて笑った。

 「っていうか、出来ねぇな。」

 お前の顔、見てるだけでもイけちまうくれぇだから。

 サンジの肩にかけられていたゾロの指が、プツリと起ちあがったままの乳首を掠めて、そろりと腹の上を撫でるように降りていく。
 そのわずかな刺激にも、サンジの体は敏感すぎるくらいに反応する。

 「んっ・・・。」

 ゾロの指を追いかけるように、意識がそこに集中していく。
 覚悟はしたつもりでいても、今まで知るはずも無い未知の衝撃に、無意識にサンジの体は強張っていた。

 「そんなに、怖ェか・・・?。」

 わき腹をたどった指が、そろりと太腿の内側を降りていく感覚を固く瞼を閉じたまま追っていたサンジの耳に、少しだけ戸惑うようなゾロの声が聞こえて。

 「・・・、そんなこと、ね・・・・。って、あっ。」

 それは本心からすれば嘘ではあったが、どっちにしてもサンジ自身だってゾロを止めるつもりは無く、強がるようにそう答えかけたサンジは、そのときまるで予期していなかった感触に小さな叫び声を上げていた。

 開いた足の間に、濡れた暖かで柔らかいゾロの舌が押し付けられている。
 体を撫でていた手は、いつのまにかしっかりとサンジの太腿を抱え上げて、ゾロはサンジのアナルを自分の舌で解きほぐすためにそこに口付けしていた。

 「ちょっ・・・。あっ・・・、まっ・・、てっ・・・。てっ・・・。」

 そんなことをされるとは思ってもいなかったサンジは、動かない足に必死で力を入れて、両腕で股間で蠢くゾロの頭を押し退けようともがいた。

 「いいって・・・。汚ぇから・・・、やめっ・・・。」

 尖った舌先が、グヌッとアナルの内側に潜り込もうとしてくる。
 サンジの声は無視したまま、ゾロはお構いなしにそこを自分の舌で愛撫してきた。
 痛みなんかはまったく感じない。変わりにゾクリ、とそこから鈍い痺れるような感覚が湧き上がってくる。
 だからこそ、ただ痛みだけを想像していたサンジはその感覚にいったいどうすれば良いのかワケが分からなくなっていた。
 
 大体サンジは、この行為に対して肉体的な快楽よりも、はるかに心の充足を求めていたのだ。
 ゾロに「一緒に」そう言った言葉も、ただゾロをもっと深いところで受け入れてやりたいという思いだけで、
それだけで十分だと思っていた。受け入れてやれることこそが、サンジにとってはこの上ない快楽のはずだった。そう思うからこそ、サンジはゾロと繋がり合うことを望んだはずだった、だからこそ、本当は竦んでいるはずの体も、熱を失う事がなかったはず。
 それなのに。

 (なんだ、よ・・・。これ・・・。)

 もがきながらも、ジリジリとゾロが舐めまわしているそこからは一向にサンジが待ち構えていた痛みは感じられず、それどころか、抵抗するように捩る腰の奥からジンワリと痺れる感覚が背骨を伝うように這い上がってくる。ペニスに受ける直接的な刺激では絶対に感じない、もどかしいくらいのぼんやりと掴み所の無いキモチよさ。

 ゾロの舌が、始めは固く閉じていた壁をゆっくりと慣らして、たぶんわざとだろうくらいに唾液を絡めた状態で解きほぐされかけた内部に入り込んでくる。
 
 「んぁ・・・・。や・・・め・・・。」

 自分の内部に、ゾロの舌が捻じ込まれて、ゆっくりと抜き差しするそこからは羞恥で思わず両耳を塞ぎたくなってしまうくらいのイヤらしい湿った音が上がってくる。
 口では抵抗するようなことを言い募りながら、ゾロの頭を押し退けようともがいていた指はいつのまにかその場に縋りつくように短い髪を握り締めていた。

 「はっ・・・。あっ・・・。」

 触れられないペニスが充血してドクドクと脈打つのを感じる。
 戦慄くような唇からは、掠れるような声しか上げられなくなっていた。

 (もう、ワケ、わかんね・・・・。)

 そう思ったとき、ゾロの柔らかな舌と共に、固い骨ばった感触がサンジの内部に入り込んできた。
 
 「あ、んぁっ・・・。」

 それが、ゾロの指だと気が付く前に、緩んだ内部を差し込まれた指にぐるりと掻き回わされた。
 唾液で濡れて十分に解されたサンジのそこを、長い指がゆっくりと動いていく。
 
 埋めていた顔を上げたゾロが、足を開いたままその指を受け入れて喘いでいる姿を見下ろしている。
 その刺激にペニスを硬くして感じている様を、隠す事も出来ずに見られている。
 酷く恥ずかしいはずなのに、それでもゾロが視線をそらすことなく見ていてくれることが嬉しかった。

 だから。

 「ゾロ・・・。」

 サンジはようやく、薄く開いた瞼の奥から真っ直ぐにゾロを見上げてその名を呼んだ。
 
 もう、良いから・・・。

 言葉も無く囁くサンジの声に、アナルに深く入り込んでいたゾロの指が抜き出された。
 替わりにそこに触れたのは、熱くて硬いゾロのペニス。
 膝裏を抱え上げられて折り曲げられた体に、ゾロがグッと体重をかけて来た。
 ヌルリと滑る粘膜を押し広げて、ゆっくりとゾロが中に入ってくる。
 慣らされたといっても、やはりそれは指なんかとは比べ物にならないほどの質量がある。
 無理やり体を押し開かれる事に、痛みを感じないはずも無かった。
 
 それでも、洩れそうになる悲鳴を必死で堪えても。

 全身を満たしていく、ただ触れ合うだのものとは違う快感に、サンジはうっすらと笑っていた。
 
 
 「サンジ・・・。」

 低いゾロの声。

 「ちゃんと、俺達、繋がってんだよな・・・。」

 「バカ・・・。こんな、ときに・・・。何、言ってんだよ・・・。」

 深く、ゾロの全部を受け入れたサンジのそこを見て、どこか感心したようにそう言うゾロの頭を軽くはたいてやってサンジは言った。

 「デリカシーが、足りねって・・・っあ。」

 「だってよ、すげぇ、嬉しいんだぜ、俺。」

 緩慢に、ゾロが体を揺らし始めた。

 「なんか、やっと、全部俺のモンだって。」

 確かめられた気がしてよ。

 口付けられて、強く抱きしめられて、触れた手のひらを絡ませるように握り締められて、グッと奥までゾロが入り込んできた。
 
 「んっ・・・。」

 きつく広げられた内壁をゾロのペニスがゆっくりと擦り上げていく。
 自分の体の中に、ゾロが確かに居るんだということをはっきりと感じる。
 舌と指で慣らした以上に、ゾロは時間をかけてサンジの中を行き来した。
 
 ゾロのペニスから滲み出る先走りと、ついさっき塗り込めれた唾液がサンジの内壁を濡らす体液と混ざり合って、次第にゾロの動きは緩慢なものから激しいものへと替わっていき、引き出されたペニスは戻ってくるたびにサンジの奥を穿っていく。
 そして、ただその動きを追うことしか出来ないでいたサンジの中を何度目かゾロが突き上げたとき、

 「あっ、あぁっ・・・!。」

 痛みを堪えるように閉じたままだったサンジの口から、悲鳴のような高い声が上げられた。
 同時に、ゾロを受け入れていた粘膜がギュッときつく収縮する。
 もう一度、ゾロが同じ場所を探るように突き上げると、勃ち上がっていたサンジのペニスがフルリと震えて、その先端からトロリとした粘液が零れ落ちた。

 「な、キモチ、良いのか・・・?。」

 「はぁっ・・・。んゃ、だっ・・・。あぁぁっ・・・。」

 擦り上げられたそこから感じるのは、自分ではどうする事も出来ないほどに激しく甘い快楽の痺れに、サンジは絡めた指先をゾロの手に食い込ませて、体を仰け反らせて喘ぐしかなかった。
 
 「サンジ・・・、サンジ・・・。」

 囁かれるように名前を呼ばれて、熱い波が全身を駆け巡る。

 「サンジ・・・、なぁ、俺を、見ろよ・・・。」

 ゾロの声に、愉悦の涙に濡れた瞳を向ければ、そこに真っ直ぐに見下ろしてくるゾロの緑色の眼差し。
 その背中越しに、青く開けていく空が見えていた。

 「全部・・・、俺の、モンだ・・・・。」

 「ゾ・・・ロッ・・・。」

 見詰め合ったその瞬間、体の奥深くに突き入れられたゾロのペニスが大きく脈打ち、熱い精液が注ぎ込まれるのを感じて、サンジも同時に意識を飛ばした。
 








 すっかりと雨も上がり、青く澄んだ夏の空が頭上に広がっている。
 結局ゾロに押し切られるまま真昼間から屋外でエッチなことに励んでしまったサンジは、どうにも自分で思った以上に体力を消耗していたらしく、その浜辺からゾロに背負われて家路に着く羽目になっていた。
 濡れて汚れたシャツを羽織って、体格のいいゾロに背負われた姿は、どこかで派手に転んだが、ケンカにでも負けた後のようで格好悪いことこの上なく、サンジはゾロの背中から力の無い声で悪態を付きながら見慣れた松林を抜けようとしていた。
 
 「おい、こんなこともう今日限りだかんな。」

 「分かってるよ、もう外じゃヤんねーから安心しろって。次からはちゃんと部屋ん中で優しくしてやっからよ。」

 「・・・・・/////。」

 臆面も無くそんなことをいわれてしまったら、なんて言い返せば良いのかも分からない。
 年下のゾロに言い様にからかわれているのが分かっていて、それでも上手く反論できない事はかなり悔しくて、サンジはせめてもの仕返しにとゾロの首に回していた腕でそこをギッュと締め付けようとしたのだが。
 ゾロの背中越しの視界の端の砂の道の途中に、まるで投げ出されるように転がっているゾロの傘に気が付いて不意に動きを止めた。

 そう言えば、無くしたって言ってたはずなのに。

 「なぁ、お前なんで嘘なんかついたんだよ・・・。」

 迎えに行った学校で、ゾロの傘を持っていた女の子の姿を思い出す。
 
 「なんで傘、無くしたなんて言ったんだよ。」

 ゾロの視線も、サンジと同じ方に向けられていた。

 「あの女が、隠してやがったんだよ。嘘ついたワケじゃねぇ。」

 「え・・・・?。」

 「俺が好きなんだと。俺はなんとも思っちゃいねぇって言ってんのにな。」

 いくぶん声を落した静かな口調でゾロはそう言って、落ちたままの自分の傘を拾い上げると、首に回されていたサンジの手にその傘を握らせた。

 「だから、別にお前が気にするような事なんて、何にもねぇよ。」

 「そっか・・・。」

 全部、わかってたのかな・・・・。
 弁当渡し損ねて逃げたときの事も。
 迎えに行って、ゾロの傘持ってたあの子見てすご苦しかった事も。
 
 そして、あの女の子はきっと今までの自分と同じくらいに辛い想いをしてるんだろう事も。
 
 それが分かっていても、サンジにはゾロと離れる事なんて出来はしない。 
 
 (なんか、切ねぇな・・・。)

 きっと今ごろあの髪の長い女の子が流しているだろう涙が、少しでも早くこの青空みたいに晴れてくれるといいな。
 
 灰色の雲が流れていく空を見上げて、

 「なぁ、もう傘無くすんじゃねぇぞ・・・。」

 雨上がりの少し冷えた潮風に紛れるように、ちょっと鼻声でそう言ったサンジに、

 「無くさねぇよ。絶対。」
 
 ゾロは静かにそう答えると、傘を握り締めたサンジの手を、ギュッと強く握り締めた。











                                                        END

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 なんか、すごい中途半端に終わってしまって申し訳ない・・・。上手くまとめきれませんでした(泣)。しかも、気合入れて青姦書こうと思ってたのに、案外ノーマルエロで終わった・・・(死)。青姦生かしきれてない・・・。ちっともヤラシクないし・・・。
 反省点ばかりが目に付く蛇足ここに極まれりのようなおまけでゴメンなさい。
 一応、ここで中学生のクセに天然たらしオヤジゾロの奮闘記はおしまいでございます。長々とお付き合い下さいました皆様、ありがとうございました。
 そして、ステキなリクを下さいましたKei様、リクこなしきれてなくて申し訳ないですが、年下攻め楽しかったです。こんなでよければとりあえずお納めくださいませ。


**kei**
ありがとうございます。リンダさんっっ!!
テイクアウト許可いただけて、嬉しいですっっvvv
いやぁ〜!!!何て素敵な小説を書いていただいたのでしょうかっ!!
年下攻めって、本当にモエ〜!!でしたっ!
ふふふ。エッチ込みで嬉しいですvv


リンダさんの素敵サイトはコチラ

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