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Mild Week Vol.1
漆黒の画面に浮かび上がる電子の文字列を見つめてから、カチっという音とともにPCを閉じた。
書き出しなんて、どうでもいいさ。
始末書なんざどれも同じようなもんだろう。
休憩だ、休憩。

「お疲れサン」

ヒョイと差し出されたコーヒー。
もちろんそんな事をするヤツは顔を見なくても分かってしまう。

「おぅ、サンジか」

コーヒーを受け取りデスクに置いた途端のし掛かった重み。
俺の背にもたれ掛かっているサンジは機嫌が悪いらしい。
ゴツゴツと拳でゲンコされる。

「まだ掛かりそうか?」
「…あぁ」
「まじで?予約してある店どうすんだよ?!」
「…」

サンジに言われて時計を見れば、すでに11時を回っていた。

「…店閉まってるじゃねぇか……」
「ようやく気づいたか、クソマリモめ!!待ちくたびれたこのサンジ様をどう心得る?!」
「悪い」
「悪いと思うなら行動で示せ〜!」

耳元でギャンギャン喚いてウルサい。
思わず苦笑してしまった。

「悪かったって」

背中にくっついているサンジをひっぱるとアッサリ腕の中に収まった。

「ん」

唇を突き出して強請る姿は可愛らしい。
チョンと口付けてから再度、

「本当にすまん…今度、な?」

謝罪の言葉。

「仕方がねぇから許してやる」

ぷっくら頬を膨らまして言われても可愛いだけだ。
やべぇな…我慢出来ねぇかも。

「なぁ、サンジ…」
「何?」
「…いいか?」
「…だから何が?」

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RED SIGNAL
嵯峨空理様