<<<back

Under 777hit!!

※このお話は『雨やどり』というパラレルの学生ゾロサンです※

Honey Honey Crescent Moon

<Vol.8>

「明日はバナナワニ園に行こう。なんか取り合わせの意味が分からねぇけど、つまりはバナナがあって、ワニが居んだろ?分かりやすい名称だけど、もちっと捻って欲しいよな」
 バナナ。ワニ。どちらにもあまり興味はないのだが、サンジが行きたいと言うのだからそれでいい。
 それに今日の秘宝館とやらよりマシのような気がする。いきなり怒られたり拗ねられたりすると、どうしていいのか分からなくなるので。
 しかし、せっかく部屋風呂があるのに、二人で旅行という美味しい状況なのに、それを有効活用出来ていない気がする。サンジがプリプリ怒っているから、色っぽい方向に向かわないのだ。
 自分が色っぽさとはかけ離れている事は棚に上げて、部屋に帰ったらやっとサンジにアレコレしても怒られないだろうと思い、ゾロはちょっと嬉しくなった。



 虎の間を開け、目に飛び込んで来たのは布団。
 テーブルは脇に避けてあり、二組の布団がぴったり寄り添って敷いてあった。
 一緒に暮らしてて、一緒のベッドで寝ている今、これくらいでビックリする程初々しくもない。と、隣のサンジを見ると、見事なくらい真っ赤になっていた。
「おい…お前…」
「えっ?や、暑いな!この部屋クーラー効いてないんじゃねぇ?風呂上がりで暑いから、ちょっと温度下げるぞ」
 慌てた様子でリモコンを操作するサンジに、ゾロは唖然とする。今更こんな事でサンジが動揺するとは思ってもいなかった。
 いやいや、おいおい。
「何慌ててんだよ。布団くらいで」
「ええっ?慌ててねぇよ?ちょって湯あたりして暑いんだって。あ、いいトコに団扇とか置いてあるじゃねぇか。気が利くねぇ」
 明らかに動揺してんだろ。
 脇に避けたテーブルの上に団扇が二つ置かれていた。
 座布団も片隅に積まれているので、布団を避けた畳の上に座り、パタパタと扇ぎ出したサンジは、真っ暗な外を眺めている。
 室内は冷房で程よく冷えている。寒すぎず暑すぎず、さすがに高級旅館だけある。そんな中、団扇で扇いでいるサンジの顔は真っ赤だ。本当にほかほかに暖まったらしい。
 ひとつため息をつき、冷蔵庫からビールを取り出した。
「飲むか?」
「お、飲む飲む。風呂上がりにビールは欠かせねぇよな」
 布団の上にどしりと座り、テーブルに缶を置く。
 一瞬ピクリと反応したようだが、何気なさを装いつつ、ビールに手を伸ばしてきた。
 極力サンジの方見ないように、プルトップに指をかけ、プシュッと良い音を立て開ける。そのまま勢いよく呷ると、泡が喉の奥へ流れ込む。やはり夏の風呂上がりはビールだ。
 その所作に安心したのか、サンジも缶に手を伸ばす。
「んーやっぱ風呂上がりのビールは旨いな。あ、忘れてた。オマエ、あんまり飲み過ぎんなよ。オマエは明日も運転が待っている!酒気帯び運転なんて絶対駄目だからな!」
「そりゃ、お前が運転すりゃいい話じゃねぇか?」
「運転してぇけど、今彼女(ゾロの愛車フェラーリ)機嫌があんまり良くねぇだろ?オレが運転して宥めるのは簡単なんだが、悔しいがオレは今のとこペーパードライバーもいいとこだし、知らない道だし、もし万が一更に不機嫌になって止まられても困るじゃねぇか」
「ああ…そうか」
 出だしからあまり機嫌が良くなかったのは事実だ。サンジにそれが分かったのは、ちょっと驚きだったが、車が好きだと言っていたので、多少のエンジン音で分かったのだろう。
「だから、その一本で終わりな」
「せっかく部屋に風呂があるのにな。湯船に浸かってチビチビやる酒もお預けか」
 勿体ねぇな、と思いつつ、残りのビールを飲み干した。
「真夏に風呂で酒なんて、暑くてやってらんねぇだろ。冬にまた来ような?そん時はオレが運転してやっから、思う存分雪見酒としゃれ込んでくれ、一人で」
 と、ケラケラ笑うサンジに、真夏に温泉に来たいと言ったのはドコのドイツだとツッコミを入れたい気分だったが、黙っていた。
 酒が飲めないのなら、サンジを堪能させてもらおう。ナミ曰く、新婚旅行らしいので、それならば思う存分抱き合ったところで、誰に咎められる事もない。まぁ今この状況で、誰が咎める訳でもないが。
 ビールをちびちび呷っているサンジの腕を取り、引き寄せる。簡単に懐に転がり込んで来たサンジは、湯あたりしたというのは本当らしく、いつも冷えている身体はほこほこと温かかった。
「…うわ…」
「寝るぞ」
「え…もう?ま、まだ、テレビとか…」
 往生際が悪い事で。テレビっ子なサンジは深夜番組を好んで見る。しかし、まだ深夜というには宵の口で、確かに早いかとも思うが、旅行先でまでテレビにかじり付いている事もないだろう。
「テレビって…そんなん今見なくてもいいだろ」
「うるせぇ。だって、まだ、そんな遅い時間でもねぇし」
「だってって…ガキかお前は」
 子供じみた言い訳に思わず吹き出した。
「うるさい、うるさいっ。ガキはオマエだ!」
「ああ。ガキでいい。今日は彷徨いたから疲れてるだろ?疲れてたらお前は寝ちまうだろ?だから早い内にお前とやりてぇ。お前までお預けって訳じゃねぇんだろうが」
 最初は部屋に付いている露天風呂とやらに入ろうと思っていたのだが、気が変わった。暑い中わざわざ二度も風呂に入る事はないだろう。露天風呂はセックスの後にでも入ればいいだけの話だ。
「あ…明日」
「明日?」
「明日歩けなくなるような事には、ならない程度に」
「…分かった」
 じっくりみっちり慣らしてから挿入すればいいんだな。突っ込むなとは言われなかったので、最後まで致す事には文句はないのだろう。
「あ、あと…」
「まだあんのか?」
「明かり消せ」
 何度抱き合っても、明かりは消せと言うサンジに、何度か無体をして明かりを点けたままやったことがあるが、確かにアレは歯止めが利かなくなる。
「了解」
 諦めて部屋の明かりを消しに行く。ついでに入り口のドアの鍵も掛けておく。これから誰かが訪ねてくる事もないだろうが、また途中で止められるのは得策ではない。
 明かりを消し、外灯の薄明かりを頼りに、サンジの元へ向かった。
 浴衣が少し乱れて、妙に艶めかしい。
 所在なさげに座っているサンジの肩を掴み、右手を浴衣の袷に忍ばせた。
「…っ」
 素肌に羽織っただけの浴衣は、するりと肩から抜け落ちる。帯が邪魔をして腰までしか落ちなかったが、もう片方も同じように脱がせていく。
 触れては離れるキスを繰り返しつつ、しっとりとした肌を手のひらで撫で回した。吸い付くような滑らかさに、何度も背を撫でる。その度に小さく跳ねる身体を落ち着かせるように、今度はしっかり口づけた。
「ふ…っ」
 唇を軽く舌で突くと、そっと開かれた口に舌を滑り込ませる。舌を絡ませると、逃げる素振りは見せず、挑むように吸い込まれた。
 それだけでサンジもそれなりに欲しいと思ってくれたのだと分かる。それが嬉しい。
 背を撫でていた手を胸に当て、キスを続けながらサンジの身体を押し倒した。
 胸に回した手で乳首を探り当てると、手のひらで押しつぶすように撫でると、すぐに硬く尖る。手触りが良いので、円を描くように強く擦った。
「ん…ぅ…んっ」
 鼻にかかった甘い声。でも決して女の声ではなく、低い声。それが堪らなく下半身を刺激する。
 昼間秘宝館とやらで聞いた、アンアン喘いでいるような女の声ではないのに、サンジの声だとやたらと昂揚する。
 秘宝館といえば、エログッズがやたら置いてあったな。ローターの一つでも買ってくりゃ良かったかなと、少し思ったが、別におもちゃがなくても、自分の手でどうにでもしてやればいいのだ。
「は…ぁっ…は…ん…」
 乳首への悪戯を続けながら、口を下に降ろしていく。片方の手は少しだけ芯を持った股間を掴む。
「…っ」
 やわやわと浴衣の上から股間を揉みしだくと、漏れる声を押さえ込むように口を手で覆った。
「お前、何で声殺してんだ?」
「…っ…ん」
 口を塞いだまま首を振る。乾いた髪がシーツに触れ、音を立てた。
 浴衣の裾を割り、手を太ももに這わせる。
 下着を着けていなかった。
「パンツ履いてねぇのかよ」
 これはサンジもその気だったと思っていいのだろうか。
 脱がせる手間が無くて良いと、直に握って軽く擦ってやった。
「ふ…っ」
 口を覆っていた手を離し、シーツを銜えると、ゾロの浴衣の帯を解こうと手を伸ばしてきた。
「脱げって?」
「ん」
 サンジの方も腰の帯に浴衣が絡まり動きにくそうにしている。帯の結び目を探して解くと、邪魔な浴衣を脱がせてやった。
 暗くてよく見えないからか、サンジはゾロの帯と格闘していたので、面倒だから自分で脱いだ。
 裸の身体を抱きしめると、サンジがほうっと息を吐く。素肌に心地よいサンジの身体は、冷房で少し冷やされたのか、サラサラとしているのに、しっとりと手に馴染む。
 明日に響くのは困ると言っていたのを思い出し、サンジの身体をうつ伏せにひっくり返すと、腰を抱え上げた。
「え…?」
 背中に舌を這わせ、手は腰とサンジの股間を掴む。熱を持ちゆるく頭を擡げたモノを少し力を入れて擦り、背中から腰へとじわじわ舌を降ろしていった。
「ちょ…っ」
 うつ伏せにされて、慌てて身体を捩るが、捕まれた股間と腰に動けず身体が斜めになった。胡座をかいて座っているゾロの腰を足で挟むように、尻を高く上げられた自分の姿に、サンジはジタバタ手を動かした。
「ま、待て…って…」
 待ての言葉は聞かず、白く小さな尻を割る。躊躇う事なく、狭間に見え隠れしていた窄まりに舌を這わせた。
「うわっ…!う、そ…ちょっちょっ…」
 暴れ出したサンジを、股間を掴む手にちょっと力を込める事で押さえる。
 慣らすようなモンが無いのだから、仕方がないではないか。舐めて、サンジが出したモノで濡らしてやるしか方法がない。
 ゾロとしては至極単純に濡らせるならと思い、ヒクリと逃げを打つ窄まりを、舐めまくった。
「や、やべぇ…からっ…そんな…舐め…ぁ…」
 旅館だからという理由でだろう、先程から声を殺していたサンジが、堰が切れたように、ヤバイとかヤメロとか騒ぎ出した。
「ゾ、ゾロ…ほん…ぁん…止め…っ」
 そんな言葉は聞こえないとばかりに、舌先を突っ込み、唾液を送り込む。手で擦っていたサンジのモノからは、トロリと先走りが漏れ出してきた。
「や…やぁ…」
 涙声になった辺りで、コレはヤバイと思って顔を上げた。
 うつ伏せてシーツを掴んでいた手を外させ、抱え上げてやる。抱きついてきた背を撫でながら
「どうしたんだよ?」
 聞くと、頭を叩かれた。
「ヤ、なんだよっ…舐め…舐めるって…」
「舐めなきゃ濡れねぇだろうが。慣らさないと痛いだろうし、明日動けなくなんぞ?」
「でも、ヤなモンはヤだ」
 言い出すと聞き分けがない子供のように頑固だ。これ以上は無理だろう。
「んんっ」
 抱っこしているような状態で、中指を秘所に潜り込ませた。多少解れて来ているようで、抵抗は少ない。これならもう少し弄れば良いだろう。
 とりあえずサンジを一度イカせて、それを潤滑剤に使う事にしようと、ゾロの腹に頭を擦りつけているサンジのモノを強めに扱いた。
 後孔に埋めた中指はそのままに、根本まで入るように小刻みに動かす。
「ん…は…ぁ…あ…」
「指ならいいんだろ?も少し慣らすから、我慢しろよ?」
「…クソッ…」
 耳元で囁いてやったら、悪態を付かれた。が、コレは了承の意だろう。
 小さく笑うと、怒ったように口づけてきた。
 負けず嫌いだし、妙な事で恥ずかしがるし。面白いヤツだと思う。
 何とかゾロの拙い口説きで結婚(?)まで漕ぎ着け、一緒に住む事になった。押しまくった甲斐は十二分にあったと思っている。
 中指に人差し指を足し、二本揃えて秘所へゆっくり挿入した。
「は…ぅん…」
 サンジの中は熱く、指に絡みつく煽動を繰り返す。
 もう少し、解せればいいのだが。
「お…?」
 サンジの指がゾロのモノに絡みついてきた。
「オレ、だけってのは…ずりぃよ、な…?」
「…じゃ、一緒に擦ってろ」
 サンジのモノを握っていた手を離し、その場所はサンジに譲る。サンジの口に離した指を入れ、舌に絡めた。
「ふ…ふぁ…」
 ゾロの指を積極的に舐めながら、擦る動きは止めない。

(あー…エロい)

 視界にドカンとクるサンジの顔に、濡れた指を引き抜き、双丘の奥を広げるように親指をねじ込んだ。
「あっ…」
 先端から溢れる先走りが、竿を伝い後孔まで垂れてくる。その滑りも借り、親指二本で縁を揉むように解しつつ、広げつつ。
「も、もう…」
「ん?出るか?」
「ちが、くて…っ…入れ…」
「まだ無理だ」
「ぁ…でも…っ」
 緩くしか擦っていないが、サンジのモノは手を添えずとも勃っている。一緒に掴んでいるゾロの其れも同じようになっているが、ピークではない。
「明日歩けなくなると困るんだろ?とりあえず、お前一回イケ」
 片手をサンジの手に添え、強く扱く。後ろには三本を揃えて一気に突き刺した。
「うわ…わ…ぁ…っ…っ」
 サンジのモノだけを掴み、先端の窪みを親指の腹で撫でてやると、ビクビク震える。
「っと。布団汚したらマズイか?」
「は…ぁっ…ま、マズイ…」
 どうすればいいかと思案し、せっかく部屋に露天風呂が付いているのだ。そこでやればいいのでは?と思い、サンジを抱き上げて外に出た。薄ぼんやりとした外灯の灯りを頼りに窓辺へ向かう。
 夏場だから寒い事はないだろう。
 窓を開けると、ムッとした熱気が入り込んできた。静かな林の中にあるので、街程のアスファルトの熱気はない。
「…え…?お、オイ?」
「布団汚しちゃマズイなら、外ですりゃいいんじゃねぇか?」
「そ…外…?」
「風呂があるだろ」
「や、それも…」
「今更収まりつかねぇし、仕方ねぇだろ。暗いから大丈夫なんじゃねぇか?」
 どうせ素っ裸になってる事だし、サンジを抱いたまま露天風呂に足を突っ込んだ。
 温めに設定されている湯温。これならサンジが熱がる事もない。

<<<back next>>>

2007/3/17UP

Kei