■ 『ランプの肖像』本編 + 別冊 著者 / 雜賀雄二

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以前、新潮社の月刊誌『芸術新潮』で、『ランプの肖像』という連載を持っていました。世界のランプ(照明器具)を写真、エッセイ、ランプ解説で紹介する連載です。それを発展させた書籍『ランプの肖像』を2023年に出版しました。
これは日本で初めての、欧米の産業ランプやミッドセンチュリーランプの書籍です。
産業ランプとは工場、作業場、オフィス、駅舎、病院などで使用する、仕事用ランプの総称です。具体的には機能に徹した構造のランプを指します。家庭で使用するものとは形状も用途も異なるタイプのランプです。
近年のヨーロッパで、先見性のある人たちによって古い産業ランプの機能的な美しさ面白さが認められ、家庭で使用され始めました。日本と違い、ヨーロッパでは有名美術館で展覧会が開催されるほど、産業ランプの地位は高いです。

『ランプの肖像』は写真だけでなくテキストも重視し、エッセイは単独で読んでいただいても面白いものを、解説はランプ辞典となることを目指しました。
連載では25種類余りのランプを紹介しました。この書籍では1910年代〜1970年頃までの111種類のランプ + αを掲載しています。掲載したいランプはもっとありますが、出版経費が膨大になるため、断念しました。

上記の心境でしたが、2024年に『別冊・ランプの肖像』を刊行しました。詳細は最下部のリンクよりご覧ください。
ランプの掲載数は『別冊・ランプの肖像』を加えると130台ほどで、さらに内容が濃密になりました。
実は所持するランプはこの数倍あり、まだ出版は可能なのですが、これで打ち止めにします。

世界でも日本でも一番知られている名作ランプGRASに写真、解説とも一番多くのページを割きました。
表紙のGRAS 205は世にも珍しい最古のモデルです。ロッドはパイプではなくフラットで、支柱にも配線穴がなく、すべての配線を外側に設置します。ベースは通常の205よりも小さく、ジョイントボールを締める構造も一般モデルと違い蝶ネジを使用していません。
このGRASを始め世界にほとんど存在せず、フランスのGRASの本にも載っていない希少モデルをいくつか載せました。
また1920年前後の最初期のモデルから1970年の最後のGRASまでの、各部のパーツの変遷などを写真とテキストで詳細に示しました。これらの記述はフランスのGRASの本よりも詳しいです。実際に、感想をくださったGRAS好きの人たちは驚かれたようです。(感想は下記よりご覧になれます)
フランスのランプはGRAS以外にも多数を掲載しましたが、ブケ、セルジュ・ムイユのランプは掲載していません。

バウハウスのランプは、主要メーカーのミッドガルド、ラーデマッハー、カイザー・イデル、コルティング & マチーセン(ブランド名はカンデム)を中心に、その他のあまり知られていないメーカーのランプも取り上げました。
イギリス、オランダ、アメリカ、その他の国のランプや、ミッドセンチュリーのランプも多彩なラインナップです。

掲載したランプはすべて雜賀雄二の個人コレクションです。


この書籍は「ランプ狂い」を自認する当方の集大成として刊行しました。500部の少数限定出版です。
出版社主導では面白い本になりませんので、独自の構想を活かし、自分が作りたい本を出版するために私家版(自費出版)として、出版界の常識にとらわれない、型破りな書籍を目指しました。
最大の懸案だった出版経費の捻出にやっと目処が立ち、連載終了から約10年を経て、2022年1月より出版に向けて具体的に始動し、1年3ヶ月の間『ランプの肖像』の仕事だけに専念しました。
アートディレクション、写真撮影、エッセイ、ランプの解説文、表紙デザイン、編集業務などのすべてを雜賀が行いました。(文字ページのレイアウトだけはデザイナーに頼みました。)
これまで出版社で刊行した何冊もの写真集と比べ、当方は類を見ないほどの手間を掛けました。生涯で最も激務でしたが、面白い試みだった、と心中から思います。

書店に置くと書籍が傷みますので書店売りを一切せず、まっさらな本を当方から直接お届けします。
書店で売るには裏表紙にバーコードの印刷が必要です。ブックデザインを台無しにするバーコードを拒否するためにも、書店に置かない方法を採りました。ちなみにこの書籍には表も裏もなく、どちらも表ですので、バーコードがないことはとても重要です。
(週刊文春の表紙で知られる有名デザイナーの和田誠さんもバーコードが大嫌いで、ブックデザインの仕事では悩まれたようです。)


『ランプの肖像』の仕様、サイズ
上製本(ハードカバー)。 表紙サイズ : 縦263mm x 196mm、厚さ23mm。総177ページ。

基本のフォーマットは1ページに写真1枚。モノクロームページも多くありますが、黒の単色ではなく、高級なダブルトーン(色味の違う2種類の黒色を使った2色刷り)ですので、写真に深みと微妙なトーンがあります。
テキストはエッセー とランプ解説で51ページ。

限定出版ですので、すべての本にエディションナンバーを肉筆で入れてお渡します。下から3枚目の写真のように、
奥付ページの赤い楕円部にナンバーを書き入れます。
ナンバーは購入を申込まれた順とします。◯◯番が欲しいという要望にはお応えできません。


お譲り価格
24,000円 『ランプの肖像』 + 『別冊・ランプの肖像』のセット売りです。
お1人1セット (1家族1セット)に限定します。

写真を多用し、出版部数が500部と少ないため、1冊当たりの制作単価(原価)は、通常の写真集に比べ極めて高額です。しかも、当方の最後の著作物になるかもしれないと心を決め、高精度、高品質の印刷をしていただきました。 業界では最高峰と言える技術を持つ印刷会社にお願いしましたことも高額になった一因です。
印刷会社は総力を挙げ、採算を度外視するほど、真摯に取り組んで下さいました。ちなみにこの会社は、草間彌生さんの大判の展覧会カタログや、ソニー、トヨタのカタログなどを手がけています。(ちなみに印刷会社は大手二社のトッパンでも大日本印刷でもありません。)
印刷に詳しい方は驚かれると思いますが、色校を4校までする念の入れようです。

送料
発送はレターパックライト 430円。
これまで輸送中の事故や紛失はなく、綺麗なまま届き感謝されています。
保証あり、を希望される場合は、ゆうパック80サイズの予定 (入手する箱の大きさ次第で変わります)。

フランスのGRASの書籍は大部数が出版されたにもかかわらず、日本では8〜10万円ほどの高価格がついています。
『ランプの肖像』は刷り部数が極少です。印刷のレベルが高く、造本も丁寧に仕上げてくださいました。将来はフランスのGRASの本より高価になるのではと思っています。


ご注意
『ランプの肖像』と『別冊・ランプの肖像』は、このウェブサイトだけでお譲りします。
「きちんとした丁寧なメール」をくださった人にお譲りしています。本心から望まれている気持ちが当方に伝わるメールをお願いいたします。(一度お断りした人でも、きちんとしたメールをいただけばお譲りします。)

様々な問題があるため、販売は国内に限定します。
エッセイとランプ解説は重要な要素で、それらを正確に読んでいただきたいですから、日本人を対象に販売します。

Note for foreigners
The text of this book is written in Japanese only.
The essays and lamp commentary are important elements, and I want them to be read accurately. So, book is sold to Japanese. I decline emails from foreigners wanting to purchase.


ARUSEの有瀬さんは「聖書を扱うように大切に読んでいます」と、宮脇モダンの宮脇さんは「雜賀雄二さんは写真家ですが、世界有数の20世紀ランプコレクターでもあって、(中略) 特にランプ・グラのコレクションと解説、解析はものすごいです」とSNSで取り上げて下さいました。
望外の言葉をいただき、感謝申します。お二人は共に古い品を扱う業界では一目置かれる人です。

『ランプの肖像』はランプ好きの上級者には興味を持っていただけると思います。
ランプにちょっと興味があるという人にはお薦めしません。メールされる前によくお考えください。

購入を希望される人は、『ランプの肖像』の感想 を読まれ、それからメールをくださいますか。



写真を無断使用する人があるため、写真にSAIGA yujiと入れました。 書籍の実物には入っていません。

『週刊新潮』の読書欄で紹介されました。

ランプのミーティング(ワークショップ)「ランプス」は2024年で終了いたしました。詳細はこちら


長くなりましたが、出版のご挨拶といたします。

 




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