『ランプの肖像』についての感想

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ご本人の了承を得て掲載しています。


少しだけ掲載させて頂きます。
感想は残すもの、消去するものがあります。
書籍が到着したという連絡さえ頂けない人があり、感想をいただける人があり。。。



山本健悟さんという方から届いたメールを、時系列で紹介します。
(もちろん、ご了承いただいています)

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雑賀様

はじめまして。
愛知県岡崎市在住の山本健悟と申します。
愛知県内を中心に小規模の住宅、店舗の設計施工の仕事をしております。

この度は『ランプの肖像』をお譲りいただきたく
連絡をさせていただきました。

私は店舗住宅設計と施工の仕事を20年ほどしております。
祖父は宮大工で、叔父や従兄弟といった親族はほぼ建築関係の仕事に従事しており、
幼少期から現場と製図版に触れ、囲まれながら育ちました。

家業の店舗住宅設計施工の会社を継いでからは
量産品の使用をなるべく避けながら
質の良い材料や 腕の良い職人と一緒になって建築する日々を過ごしています。

そんな日々の中で自然と
アンティーク照明や家具に興味を持つようになり、
実物を見られるところを探しては足を運ぶことになるのですが、
そんな中で京都のARUSEさんを見つけました 2019年のことです。

初めて自分が探し求めていた照明を扱う店と人に出会えた
と興奮した日のことを今でも鮮明に思い出せます。

(中略)

バーコードが無い書籍になった理由もとても印象に残っています
上手く言語化できずに申し訳ないのですが
私の仕事への取り組み方の指標の一つになる気がしています。

大切に読みます。
ぜひ、私に一冊『ランプの肖像』をお譲りください。
ご検討よろしくお願いいたします。

山本健悟

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雜賀より

こういうメールを下さる方には喜んでお譲りしたいと返信をし、書籍をお譲りしました。
すぐに、到着連絡のメールが届きました。
そして数日後に次のようなメールが届きました。

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雜賀様

この度は『ランプの肖像』をお譲りいただきまして
誠にありがとうございます。

まだ全てを読み終えておりませんが、
感想を送りたくてこのメールを書いています。

本が届いてからの数日間
食事の後の時間は『ランプの肖像』を読むのが日課となっています。

まだ見ぬ頁があとどれだけあるかを楽しみにしながら同時に悲しむ日々です。

039ページのエッセイ「闇を着せる」の内容は
私の建築に対する考えに共通する部分がありました。

<黒を着せたのだと思う。光だけが際立つように。>
という点です。

常々 建築物自体は 人や商品が輝く為の背景であるように
心がけて取り組むようにしています。
一方でいつの日か 建築物自体が価値をもつ事のできる事を夢にみたりはするのですが、
それでも、主役を際立たせる価値の創造に取り組む事を改めて忘れないようにと思えました。

文章に線を引きたかったですが、
あまりに綺麗な本で、ためらわれました。
付箋を貼るのもやめて、紙を一枚 細く切って 挟みました。

きっと明日以降も紙を挟むことになると思い、紙は数枚 用意しました。

素晴らしい書籍を本当にありがとうございました。

山本健悟

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雜賀より

山本健悟 様

こんばんは。

感想を送ってくださり、お礼を申します。
読み終えて、
こんな方に持っていただきたい、というその一人に出会えた気持ちがします。
ぼくはそういう人からのメールを待っています。

(中略)

じっくりとお読みください。
そしてまた折々にメールをいただければ嬉しいです。

最後の大仕事になるかもしれないと、心して、力を振り絞って作りました。
それが幾分かでもわかっていただけたと感じています。

有難いです。

<まだ見ぬ頁があとどれだけあるかを楽しみにしながら同時に悲しむ日々です。>
このくだりには打たれました。

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雜賀より

付箋の件が気になりましたので、以下をメールしました。

山本健悟 様

(前略)

書籍の紙は、かなり上質で厚みのある無酸性紙を使っています。
書籍の長期保存(アーカイブ)を考えた結果です。それで書籍の価格が高価になったという経緯もあります。
付箋に挟まれる紙が酸性紙ですと、時間の経過と共に付箋に接する部分が変質し変色します。
(昔の安い紙の書籍が茶色に変色しているのは、安い酸性紙だからです。)
付箋にはできれば和紙をお使いください。
和紙は日本が誇る無酸性紙です。

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(雜賀註)
それにしても山本さんは書籍を大切にされる人です。ポストイットは長期的には書籍にダメージを与えます。大切な書籍には使わないのが正しいです。

上で触れましたように、『ランプの肖像』は本編、別冊共に一般書籍ではあまり使わない高級紙を使用しています。本当はランプがもっとシャキッとする(写真や印刷ではエッジが立つ、と表現します)アート紙を使う選択肢もあったのですが、光沢がある紙は目を疲れさせますし、テラテラ感で安っぽくなりますから、使いたくありません。ぼくの写真集もアート紙は絶対に使いません。ですから、無光沢の紙で印刷をシャープに仕上げるというのは、かなり難しい技術なのです。そういうこちらの要望を、きちんと具現化できる印刷所はなかなかありません。
一般の方にはわからない裏の部分で、様々に気を使って書籍を製作しています。

もう少し申しておきます。
書籍の台割り(全体のレイアウト)には大変な時間がかかりました。
どういう順序でランプを見せていくか、というのは難問でした。
製造年代を基本にしておりますが、順序は正確ではありません。同年代のランプが多いからです。時代が不明なランプもあるからです。
また、似たランプばかりが続いても面白くありませんので、変化をつけることも重要です。
そして、モノクロームとカラーの頁配分(どこにどれだけカラー頁を持っていくか)は悩みました。さらに悩んだのは、見開きでの写真の組み合わせです。これらは編集を仕事にされる方はご理解くださると思います。

印刷に精通される方ならお分かりかと思いますが、別冊の折(レイアウト)は通常では考えない裏ワザを用いています。これはぼくのアイデアです。このように種明かしをしても、モノクロームとカラー頁の関係が特殊なことをわかる方は、熟練の専門家だけだと思います。
このようなことを色々とクリアして、この書籍は生まれました。

撮影やテキストの執筆だけでなく、本作り自体にもこのように時間をかけています。
難題を楽しみました。その分、大層疲れました。

建築の仕事も同じですね。影の部分の大切さ。どんな仕事でも共通項はあります。



雜賀雄二 様

ご無沙汰しております。
『別冊・ランプの肖像』を受け取り
拝読しました。

先に刊行された本編に収納する形で
ピタリと収まる『別冊・ランプの肖像』は
職人のベンチメイドのようで、
違和感なく、
私の宝本の厚みが増しました。

私はホロフェンのランプ側に収納しました。

雜賀様は
「これで完結」と書かれておりますが、
いち個人のファンのワガママで、gras側に収まる別冊が
「いつかもう一冊あるのでは?」と思ってしまいます。笑

圧巻のランプ。素晴らしい写真。
見た事の無い
『別冊』のランプ群は凛としていて
本編同様ミュージアムにいるかのような
空気感を感じ、
音楽をセレクトして
美術館、図書館にいるかのようなシチュエーションを作りたくなります。

イタズラ盛りの私の子供たちは
『ランプの肖像』を読む際に
「パパの宝物大事大事っ!」と
この時ばかりは
寄り添い大人しく覗き込んできます。

そんな中で
『別冊』に掲載された
ミッドガルドの巨大シザーランプは
「飛び出すランプーっ」と
子供たちは言い、
絵本の仕掛けのようなアングルに
なるほどなと
子供の視点も相まって、
見開きのページは更にランプを大きく
私に写して魅せていました。

私は相変わらずgrasに首ったけで、
『別冊』の215の記述は知識を深める
今までに無い文献です。

201のグラデーションも圧巻でしたが、
(雜賀註: 本編の011頁の写真のことでしょうか?)
本編と合わせて複数の215を比べた検証も、
これら全てが個人コレクションか、と思うと驚きました。

先日、
コロナ禍で久しく会えていなかった
親しい後輩と
酒を交わす機会があったのですが、
なんと会の序盤で、お互いgrasに関心のある事が発覚。
後輩は古い215が欲しい! と、
私はgrasの話が出来る人が出来た! と、
盛り上がり、
募る話がまさかのgrasの話で後半戦が持ちきりました。

言うまでもなく
雜賀様の文献は私の言葉となり、
後輩は目から鱗が落ちたかのようでした。
(もちろん会の後で発言した事の内容の整合性は確認しました)

途中からは
各ショップのgrasをスマートフォンで
見比べたり、
ヤフオクやメルカリのgrasを検証したり、
『ランプの肖像』を拝読しているからこそ反応出来る気付きに、
説得力を感じてくれていました。

ランプの肖像、
雜賀雑貨HPに散りばめられた文献には、
ランプの説明の記述、真贋。
時代やパーツの整合性の無い物。
これらはこの本に出会えてないと気付けない事です。
ランプを手にしたり、検証する一助となりました。

それだけでなく、文中の
「気に入ればいい」
「蒐集者が死んでも物は残る」
「フランスではgras、RAVELどちらも同じ認識。筆者もそれで良いと思っている」

その言葉が私が手に入れた物への
不安や後悔の払拭。
新しいランプの入手に背中を押す一助になりました。

会話を、
人との縁を繋いでいただいたと
感謝しています。

付属のエッセイ。
エンパイアステートビルのエピソードは、
15年前の私自身が何者かになりたくて単身ニューヨークに行き体験した
近くで見たあの巨大なビルに全く同じ感情を抱いたセンチメンタルな気分になりました。
※何者にもなっておりません。笑

改めて
こんな素晴らしい本を譲っていただきありがとうございました。
雜賀様の『ランプの肖像』『別冊・ランプの肖像』は
私の宝本でありバイブルです。

これからもお体を大切に。

澤邊貴生

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雜賀より (2024年4月)

『ランプの肖像』刊行時にも、澤邊さんは実名掲載を認めていただきました。
頭でっかちでなく、いい文章を書こうとする姿勢でもない、素直な感想だと受け取りました。
その場の雰囲気が伝わる文章です。
当方の本の記述を念頭に置いて、ネットで様々なGrasをご覧になれば、怪しい個体や記述が多々あることに気づかれたと思います。

ただ、別冊を刊行したばかりなのに、続きを、との無茶は困ります。(笑)
すでにランプ蒐集は個人の限界を通り越しています。その中から厳選して掲載しました。未掲載のランプをまだまだ所持し、再び、、と思う気持ちも少しはありますが、キリがありません。

2冊の出版に携わる日々は面白かったです。人生最後の大仕事と思い全精力を注入しました。
( 書籍はそれだけの内容になったと思います。)
そのために気力も体力も使い果たし、心身ともに相当ガタがきました。
もうお金もありません。



雜賀様

こんにちは。
以前、ランプの肖像を購入させて頂きました、札幌市在住の岡田と申します。
その節は大変お世話になりました。

書籍拝見させて頂きましたが、貴重な雜賀様のコレクションを目にすることができ、ランプの写真だけでも私にとって目から鱗な作品ばかりで、とにかく圧倒されました。
また、特に102ページから118ページかけて、ランプ・グラの年代毎の細かなパーツ・ディテールの違いに関しての解説は、gras lampを愛する私にとって1つの教科書のような非常に学び深い文献でした。
知見・知識を書籍を通して学ぶことができ、このような機会を頂いた雜賀様には大変感謝しております。

さて、本件に関してですが、この度続編が出版されたとのことで、また私にとって学びの機会を頂ければと思い、購入を希望させて頂きます。
以前購入させて頂いた、ランプの肖像のエディション・ナンバーは『○○○』です。
以下、ご確認頂き、ご検討頂けますと幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

以下は略します。

岡田

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雜賀より (2024年3月)

すでに『ランプの肖像』をお持ちで、今回『別冊・ランプの肖像』の購入を希望されるメールを頂きました。ありがとうございます。
Grasの解説は、長年にわたり多くの個体を見てきた結果の考察です。当方は仕事柄、見ることに敏感で、物を見ると微細な違いが目に止まります。Grasも各種パーツの違いを見極め、年代を推測して分類することで、Grasが辿った道筋(歴史)が当方なりに把握できました。
数多くの個体を見た経験値を元に推測して導き出す結論は、ミステリーの謎解きのようで面白かったです。ただ、難解でもありました。
それだけにこのようなメールをいただくと、 嬉しい限りです。
また、『別冊・ランプの肖像』をご覧になれば、なぜ続編を刊行したかを、ご理解いただけるのではないかと思います。



雜賀雄二様

こんばんは。
カピン珈琲の亀谷です。
本日、無事に受け取りました。いつの日か入手したいと心待ちにしていた分、受け取った瞬間は嬉しい鼓動が聴こえるほどでした。

この素晴らしい書籍を譲っていただき、心から感謝しております。

まずは読む舞台を作ろうと、ビンテージのスピーカーからバロック音楽を流し、珈琲淹れて開封準備をしました。

重厚感、美しい装丁、表紙のgras lampの景色、こられを感じ眺めることでしばらく時間が過ぎていました。
私自身も照明を少しずつ収集して使っているので、実物と書籍の中のそれを見比べたり、改めて感じる美しさに時間を忘れるほどでした。
照明は単なる照らす役目のみではなく、美と知性の象徴であり、それらがそこに有る無いでも大きく空間のイメージが変動するほど大きな存在であることを改めて思っています。引き続き、じっくりと拝読します。

雜賀さんからいただく新しい美の感覚と知識に感謝です。

追伸、山口市にお越しの際は、ぜひお店にお立ち寄りください。
雜賀様にお会いできる日を楽しみにしております。季節の変わり目、一層のご自愛を。

CAPIME coffee
カピン珈琲 亀谷

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雜賀より (2023年10月)

開封前にされたことは、まるでおごそかな儀式のようで驚きました。
バロックの曲は何だったのでしょうか?

皆さんが『ランプの肖像』を大切に扱って下さっている様子は、 予測を遥かに超えています。
亀谷さんの文章も当方の心に響きました。
皆さんの感想のお陰で、出版した喜びを著者、発行者として何度も味わうことができます。
人生の晩年にして、こういう気持ちを持つことができる幸せは滅多にないでしょう。

出版までの大変だった日々を思い起こしています。
持ち金をはたいて大博打を打ちました。喜んでくださる人が多く、勝負に出て良かったです。



雜賀雄二 様

先ほど『ランプの肖像』受け取り、
確認しました。

本を開く前から
ずっしりと重厚でいて
丁寧な造本。綺麗だなと。
バーコードの無い本は初めてだなと...
開封後に
一度手を洗い直しに洗面所へ行き、
『ランプの肖像』との対面を時間をかけて楽しませていただきました。

以下、
国語力の無い素人の感想で申し訳ありません。

製造年代順の掲載は時代の流れや背景。使用者、販売者、ご時世と
様々なストーリー背景とランプの説明で、
美しい写真と説明を
行ったり来たりする作業がとても楽しいです。
(取り急ぎの感想ですので、まだまだこれから楽しませていただきます。)

私は最近特にGRASに関心があり、
膨大な情報が掲載された本書の内、
特にGRASを食い入るように拝見しました。

1921以前のフラットなコネクティングロッドの存在はなんとなく存じてましたが、
私が刻印GRASにこだわり、
(1922-1932の創業初期だ!)と認知したつもりで私が入手したGRASはなんと第4世代。

しかも第5世代の可能性もあるとの事で
驚きを隠せませんでした。

ジョイント下部のアームの形状も
よく見れば後期のようにも見えました。

想像絶する探求、考察、結論、文字数。
いったい何台見比べてここに行き着き、
見聞を行い
文章をおこされたか想像すると
雜賀様の想いや苦労を感じたのは容易でした。

102Pの
GRAS特許取得後のエピソードでの
雜賀様の
「それまで無刻印だったランプ・グラに、これ以後、
上記の刻印が打たれるようになったはずだ。 刻印にGRASの喜びが現れている。」
という表現が大好きです。

全体的にもそうなのですが
『ランプの肖像』を拝読して思うのは
美術館などで通常あり得ない
作家、作者、または美術館館長に
一対一で
時間をかけて丁寧な説明を受けながら
1ページ1ページ個々に
満たされた時間を過ごしているような
そんな本です。

昔知人に
「静寂な自分の足音しか聞こえない美術館ほど贅沢な時間は無い」。と
聞いた事がありますが、
そんな体験をまさか本書でするとは思いませんでした。

本書を見て
鳥肌がたちました。そういう体験も
スポーツ観戦や映画以外では初めてでした。
エディションナンバーにも鳥肌を感じました。タイミングでしょうか。

雜賀雄二様
この度はこんな素敵な本をお譲りいただき、
本当にありがとうございました。

これから時間をかけてゆっくり拝読させていただきます。

これからもお体を大切に
素敵なランプとお過ごしください。

澤邊貴生 (実名での掲載を認めていただきました)

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雜賀より (2023年7月)

届いてすぐに長文の感想をありがとうございます。
これは「国語力の無い」人の文章ではありません。
しっかりと読み込んでくださる人の手に渡り嬉しいです

皆様に発送する書籍を梱包する前に、当方も必ず手を洗っています。
これは写真家の習慣のようなもので、ネガや印画紙を扱うときに手が汚れていると仕事に差し障ります。手の汗と脂が禁物なのです。仕事中に薬品も手に付きます。ですからほとんどの写真家は、暗室の仕事前、仕事中に手を常にきれいに保ちます。
完成した自分の作品を扱う際も、手を石鹸でよく洗うか、手袋をはめて扱います。
澤邊さんの書籍に対する気持ちが、この「手を洗う」という一節でつぶさに伝わりました。

書籍を手にされた人が、写真と解説を行ったり来たりされるだろうと、スピン(栞・しおり)を2本取り付けました。このように細部にも手を抜かない蔵本にしました。一般の人が気付かれない部分で、当方のこだわりの積み重ねがこの書籍に詰まっています。時間と経費がかかっていることを、ご理解いただけると思います。

著者の出版への想いを感じ取っていただきつつ、大切に観て、読んでくださっていることが十分に伝わります。「鳥肌が立つ」という、過分な言葉をいただきました。

購入を希望されるメールも、礼節を感じる丁寧な内容でした。こういう人のお手元に届いたことが嬉しいです。
こちらこそ、お礼を申します。



雜賀 様

ご発送ありがとうございました。
無事に届きまして、早速拝読しています。

まず飛び込んでくる写真の美しさ、圧巻です。
知識が浅いので全く知らないデザイン(雜賀註 : 「全く知らないランプ」でしょうね)もあり、ディテール解説もあり、よだれが出そうなぐらい内容が濃く、思い切ってご連絡して良かったと思っています。

現在、東京の2121デザインサイトにてThe Original展が開催されています。
実際に足を運んでからオリジナルについて考える事が増えています。
69頁にも記載があるように、気に入ればいい、本当にその通りだと思いました。
オリジナルのまま残る事と、オリジナルを尊重しながら(使い手が)変える事。
もう少し広い眼でオリジナルについて考察出来そうです。

まだまだ拝読の途中ですが、この度は本当にありがとうございました。
絶対に手放したくない書籍と出会う事が出来ました。
たくさん読んで学んでいきます。
また何かございましたらご連絡させて頂きます。
今後とも宜しくお願い致します。

A

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雜賀より 
(2023年6月)

「よだれが出そうなぐらい内容が濃く」
「絶対に手放したくない書籍」

この表現はぼくには書けません。そこまで感じていただけたことに、嬉しさと誇りを持つことが出来ました。ありがとうございます。



雜賀様

こんにちは。◯◯市の◯◯です。
改めてこの度は「ランプの肖像」をお譲り頂きありがとうございました。
確信をしていた通り中身の濃い素晴らしい内容で、幸福感に浸っております。

わたしごとですが古物やモダニズム建築が好きでして、
これらの興味の延長に、必然的に産業ランプがあったように思います。
20年以上も前になりますが、麻布台にあった古道具屋で出会った
KAISER JDELLや、KANDEMなどのバウハウス時代のランプが最初の出会いでした。

雜賀様の仰るように、ランプデザインからも国柄がよく理解できるといいますが、
ドイツは理性そのもの。無駄のない機能美があり無骨で硬い印象。

フランスが生み出すデザインのフォルムや
素材の組み合わせバランスは直観的で、遊び心を感じます。
GRASの各パーツや、引きで全体を眺めていると、
その絶妙なバランス加減にため息がもれますね。只々、美しい。

GRASはランプ好きとして、もちろん憧れの存在なのですが、
年々人気が高まっているようで、もはや小生のような庶民には手が届かないランプとなりました。笑
ですから、雜賀様の本や昔手に入れたGRASの写真集や、コルビュジェや
画家のアトリエの写真を眺めながら、当時の気配とランプに思いを馳せています。

「ランプの肖像」のページを1枚1枚めくり実感しましたが、
全てのランプにおいて各パーツの細部、ベースからリフレクターまで
その素材感の美しさが実物と対峙しているように伝わってきます。
表紙にもなった無垢の鉄棒を使用したGRAS205、その他初期の202、特注のものなど
初見のランプばかりで、頭がクラクラしました。

クランプやアームの時代ごとの変遷や、各メーカーの当時の時代背景や
成り立ちに至るまで丁寧で、細やかな解説にいたるまで、
わたくしにとって、究極の産業ランプに関する資料であり写真集であります。
まだ読み始めたばかりですので、これからまたじっくりと読ませて頂きます。

本当に貴重な本をお譲りいただきありがとうございました。
雜賀様、お体ご自愛いただき、どうかお元気でいてください。

また、ランプの購入をご相談させていただく機会があるかと思いますが、
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

◯◯ ◯◯

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雜賀より 
(2023年5月9日)

2018年にご自宅をリノベーション された際に、ランプをお譲りした方です。
今回いただいた別のメールには次のようにありました。

<「ランプの肖像」は連載当時に全25回をすべてクリアファイルに収め、何度も読み返しているほど大変勉強させて頂きました。
各メーカーの成り立ちやリフレクター、アームの構造まで、どれもはじめて知る事ばかりで
これほどまでに丁寧に解説されたランプ愛に満ちた書籍に出会ったことがありません。>

連載ページをこれほど大切にしてくださっている方があるとは知りませんでした。
この引用の下二行は『ランプの肖像』についてだと思いますが、この書籍は連載時の内容を大幅に発展させました。撮影だけで数ヶ月かかりました。エッセイと解説も加筆し、間違いは訂正しました。連載と書籍を読み比べていただくと、違いがお分かりだと思います。
最大の難関は新たに掲載した大量のランプの解説を一から執筆することでした。大幅に時間がかかりました。(出版に取り掛かる前に、最も苦労したのは出版経費の捻出です。)
終われば単行本にするという約束で始めた連載ですが、新潮社には反故(ほご)にされました。しかしなんとかここまで漕ぎ着けることができました。
10年間お待たせいたしました、というところでしょうか。



雜賀雄二さま

(前略します)

出版、おめでとうございます。
そしてありがとうございます。よくこんな本を出してくださいました。

私はGRASが好きで、いくつか手元にあります
フランスのGRASの本を持っていますので、ほとんどのモデルを知っているつもりでした。ところが『ランプの肖像』を見て、度肝を抜かれました。
雜賀さんの本には見たことがないモデルがいくつか載っていました。特に最初期のモデルはフランスの本に載っていません。
こんなGRASが存在することに驚き興奮しました。

それ以外にも、本ではこれまで私が全く気にも止めていなかった部分にも光を当てておられ、目から鱗でした。
時代によるGRASの変遷やパーツの解説が、写真と文章で示されていて、いろいろなことが初めてわかりました。(一度読んだだけではまだ理解できない部分もあります。苦笑)
写真と説明のページを交互に読みながら、勉強しつつ楽しませていただいています。

(後略します)

◯◯

++++++++++

雜賀より 
(2023年5月5日)

こういうメールをいただくと、Gras好きの方が多いことをあらためて認識します。
全てのGrasを所持していませんが、希少なものを中心に数多く載せました。残念ながらページ数の関係で掲載できなかったものもあります。
Grasだけではなく、掲載したランプは面白いものが多いはずです。初めてご覧になるランプもかなりあるでしょう。それらも愉しんでくださればと思います。
(この方には雜賀雑貨の色々なものをお譲りしました)



雜賀様

おはようございます。
昨日の夜に受け取らせていただきました。

早速読み進めておりますが、とても感動しております。

というのも、私は以前印刷会社で3年ほど印刷オペレーターとして従事していた経験があり、
当時は写真集も印刷しておりました。
それ以外も様々な本を印刷しましたが、自費出版でこのレベルの本はありえませんでした。

相当な魂が込められていることに震えました。

もちろん写真、文章も心にキンッと入って来まして、胸が高まるのを一頁毎感じております。

大切に大切に読み進めてまいります。

素晴らしい本を有難うございました。

取り急ぎ、御礼まで。

高島浩


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雜賀より 
(2023年4月22日)

またも嬉しいメールが届きました。
かつて印刷の仕事をされていた方ですので、ぼくの嬉しさもひとしおです。
この欄への実名掲載のご了承をいただきました。
現在は長野の須坂市で「古道具そらしま」というお店を持たれているそうです。
ご自分のインスタにも次の文章を掲載したいとのことで、了承しました。
ちょっと褒められ過ぎです。

++++++++++

家宝となる一冊が届いた。

写真家・雜賀雄二さんが自費出版された照明の本。品格ある上製本。
一頁開く毎に心の臓が高鳴る。

昔は遠く憧れていた雑誌も、いつの日か「またこれか」とうんざりする、擦りに擦った内容ばかりになってしまった。最早手に取ることすらしていない。
そんな刊行物とは次元がまるっきり違う。

ただの情報伝達媒体に在らず。永劫継承希少の価値。

唯一の、ここでしか出会えない世界がこの写真集の宇宙に広がっている。
私はかつて印刷会社で写真集等を印刷する仕事をしていたこともあり、この本に込められた魂を人よりも少しだけ多く感じることができる。

嗚呼、こんな感動は久しい。
紙に燈が灯っている、暖かさを掬うように掌を載せてしまう。

これぞ本なり。

あまりに震え、捲る手が鈍い。
大切に大切に読み進めよう。

(現在、販売停止されているようです。貸出は絶対にしませんが、ご興味のある方・大切に扱っていただける方にのみ、店内限定で閲覧可能にいたします)



雜賀雄二 様

こんばんは。
本日、『ランプの肖像』を受け取りました。

まず衝撃だったのは出版社を通さず、この本を一人で作り上げられたということでした。
その労力とセンスに脱帽です。
有名出版社の人も感想で書かれていましたが、出版社でもここまでの本はできないと感動しました。素晴らしい本という表現では足りません。しかも一般書とは違う凝った作りです。
まず表紙の写真の美しさに、しばらく目が離せませんでした。
造本も上製本(ハードカバー)で、印刷頁の紙も厚く、しっかりとしています。
PCで見ていただけでしたので、実物を手にしてそれを実感しました。

中は少し拝見しただけですが、やはり写真が美しいこと、そしてここでも驚きの連続です。
(フランスのGrasの本でも)見たことのないGrasが多く、他のランプの充実ぶりも。。。
これがコレクションの一部とのことで、それも驚きです。

エッセイを少し読み始めたら止まらなくなりました。
ランプの解説も知らないことばかりでとても勉強になります。
ランプのことを知ったつもりでいた自分が恥ずかしくなりました。
少し読んだだけでもこんな状態で、これから読み進めるのが楽しみです。
出版だけで1年3ヶ月もかかったことが各所でわかります。

有瀬さんが雜賀さんを師と呼ばれ、「私は聖書を扱うように読んでいます」とSNSで書かれていた理由が理解できました。
私も丁寧に少しずつ読まないともったいない、と思いました。
この本はまさしく私にとってランプのバイブルになるでしょう。
このような本を出版してくださり、お礼を申します。
大切にします。

(以下、個人的な内容ですので略します)

◯◯◯◯

++++++++++

雜賀より (2023年4月21日)

ARUSE/有瀬さんのSNS経由で、ぼくのサイトを知って注文された人からのメールです。
書籍についてよくご存知の方のようです。
気持ちが十分に伝わりました。ありがとうございます。
テキストページのレイアウトはデザイナーに、校閲は信頼できる人に頼みましたが、
確かに書籍全体の構想から始まり、デザインを含め他の膨大な仕事は全てぼくがやりました。
やりがいはありましたが、疲労はいうまでもなく、という状態です。



雜賀雄二 様

こんばんは。
お世話になります。
末田です。

【ランプの肖像】を読んだ感想をお伝えするのが遅くなりました。
すみません。

【ランプの肖像】が出版される、という嬉しいお知らせをいただいてから
手元に届くまでが本当にあっという間でした。

コロナ禍ではランプスが開催されず
雜賀様やランプスメンバーの方達に
お会いすることができなかったのがとても残念でしたし
雜賀雑貨ページがあまり更新されてないこともあり、お元気だろうか…と
少し心配していました。

しかし
まさか、このような素晴らしい書籍を作られていたとは!
という驚きからランプ熱が一気に復活しました。笑
(消えていたわけではないのですが)

まずは
表紙の205から やられました。
そして
やはり圧巻のGRASのページ。
途中まで、GRASのページがモノクロ写真というのが
分からないくらいに夢中になり引き込まれてしまいました。
後になってモノクロなのに気が付いた程です。
カラーページとのバランスも、随分と悩まれただろうなと思います。
とても良い感じでした。

定番と言われるモデルのバランスが良いのはもちろんですが
特注の物やレアな物、リフレクター・ロッド・アーム・ベース
の組み合わせが変わってもこんなにバランスが良いGRASは
やはり素晴らしいランプだなと改めて思いました。

リフレクターの穴の数は手持ちの物をすぐに調べました!
6個穴がほとんどでしたが7個穴もありました。

アームパイプの形状や穴の大きさなど
どれも同じだと勝手に思い込んでいました…。
見てるようで見えてない自分の観察力の無さに
気付かされてしまいました。汗

レアなリフレクター1061が付いたショートアームの222なんて
こんなの実在するのか!と興奮しかありませんでした。
(空想上の生き物を見たような感じです)

まるで
初めて図鑑を手にした子供のように
毎日開いて眺め、持ち歩き、読み漁っています。
(仕事が捗りません。)

gras・midgard・rademacher ・kandem・jielde など
どれも
芸術新潮や雜賀雑貨ページで知ることができたランプなので、
そのおかげでコツコツと欲しいランプを集めることができました。

ランプごとの詳しい説明が分かりやすく、とてもありがたいです。
持っているランプでも、知らないことが沢山ありました。

僕は
雜賀様の情景が浮かぶような文章の1ファンでもあります。

「茶室でランプ」のところが特に好きでした。
茶室に1つだけのランプというような演出は
いつかやりたいなと思っていたことですので
そこが最も気分が高揚した部分でした。

まだまだ感想がありすぎて…
かなり長くなってしまうので一旦この辺りで…

写真から文章、表紙デザイン、厚み、紙の質感、
細部まで拘って作られたことがひしひしと伝わってきました。

今から6月のランプスが楽しみでなりません。

お会いした時にまた聞きたいことなどまとめておきます。

長くなりましたが
本当にありがとうございました。

末田 豊

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雜賀より

ランプ好きの方からこういう感想をいただくと、出版した甲斐があったと
つくづく思いました。こちらこそお礼を申します。
「レアなリフレクター1061が付いたショートアームの222」も希少ですが、
それ以上に希少なGRASをいくつか載せました。
別のメールに以下のようにありました。

「毎日、肌身離さず
店→自宅→店→自宅→旅行先…と
持ち歩いてる人も少ないかな?とも思います。笑」

けっこう重さがありますから、持ち歩きは大変だと思います。
驚きつつ笑いましたが、それほどまでにと想うと、 何だかホンワカとした気持ちになります。
心打たれました。
末田さんは当方が主宰するランプミーティング「ランプス」に、第一回目から連続しておいでになっています。遠路はるばると。




雜賀先生へ

こんばんは。
桧◯です。

改めまして「ランプの肖像」完成おめでとうございます。
ようやく時間ができて拝読致しました。

個人的な見方もありますが、以下感想をお送り致します。

まずはやはり最初に写真が美しいと思いました。

ランプはラウンドしたシェイプのリフレクターに、様々な材質や加工のパーツがあり、映り込みがある箇所もありで難しいプロダクトフォトグラフィーのひとつだと思うのですが、リフレクターのつるりとしたりザラリとするであろう質感、アームの鉄や金属の手触り、コードの材質など、材質のひとつひとつを触って確かめたくなりましたし、一枚写真としても空間の余白や、背景まで含めて緊張感のある美しさを感じます。
光もおそらくディフューズした面光源で撮影されていると思いましたが、滑らかなシャドウへのグラデーションを持ち、ランプひとつひとつの質感の差異がしっかりと出ていて驚きました。
それでいてカタログのようにただ製品を載せている写真にならないのが不思議です。
陰翳礼讃について書かれていましたが、障子から入った光が部屋の闇に吸われいく中で浮かび上がる部屋の家具のような空気感をなんとなく思いだしました。

特にP22-23、24-25の対比は美しく思いました。このまま見開きをプリントして飾りたいと思うくらい私は好きです。

文章については、相変わらずという言い方が生意気ですみませんが、読ませるなぁと思いました。
製品紹介の本だと往々にして、その製品の来歴と特徴だけが書かれて終わるものが多いと思うのですが、
先生の実体験や一見関係のなさそうなトピックからランプに繋がる。ただこういう製品があったのだと知る紹介本と違い、そのランプが活きた時代や場所や背景に思いが及んで面白かったです。
「ドイツの端正」で書かれている
単純ではあるけれど、簡素とは違う。〜中略〜そしてそれはオブジェではなく照明器具でなければならない。
という一節が特に印象に残りました。
というのも昨今のアップルに代表されるようなシンプルデザインの製品は、消費者の使いやすさだとかアクセシビリティなんかを少し無視して「デザインさえ良ければよい」といった押し付けを感じるからです。先生がimacを購入された際にも必要なのでハブをおすすめしましたが、結局美しさに意図せぬ余計なものを追加するはめになる。
産業製品のように使用をベースとしたもので、その上で革新さを求める。シンプルであればあるほどそれは難しいのだろうなと思いました。

私はランプについてはまるで知識のない人間です。
以前参加させていただいたランプナイトに来られている方のように造詣が深いわけではなく、先生から◯◯◯を頼まれて(懐かしいですね)はじめてこうしたランプの存在を知ったくらいですから、そうした方々とは見方も大分違うかもと思います。
しかし本当にこれらのランプに興味が湧きますし、触ってみたい、動かしてみたい、そして灯りを点けて部屋に置いてみたいと思わせてくれる本でした。

また合宿時に色々とお話を伺えるのことを楽しみにしてます。

それでは
桧◯ ◯◯

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雜賀より

桧◯君は教え子で写真家ですから、写真家としての見方をしています。
写真家が持てるだけの様々なテクニックを駆使して写真を撮っても、それをことさらに示すのではなく、さらりと写真を見せる。 それが大切ですね。わかる人にはわかるのですから。
更に言えば、テクニックよりも大切なことがあります。

相手の元に届いた時、書籍はすでに著者の手の内から飛び立っています。つまり、それぞれの見方、読み方があっていいのです。ただし、ぼくはもっといい見開きページがあると思っています(笑)。
ぼくは simple is beauteful 派です。モノは単機能でいいと思っています。
カメラのレンズもズームなど論外で、単焦点レンズを使い、手動でピント合わせしています。

これまでのぼくの写真集は、すべて6 x 7や大型カメラで撮影しています。35mmカメラは若い頃からニコンしか使いません。デジタルもニコンです。『ランプの肖像』は全て10年以上前のニコンの35mmデジタルカメラで撮りました。レンズは学生時代のものも使っています。オートフォーカスのレンズは1本も持っていません。
他のカメラメーカーは利益最優先ですから、デジタルカメラに50年前のフィルム時代のレンズをダイレクトに取り付けて撮ることなどできません。こういうところに昔のユーザーも大切にするニコンというメーカーの一端が現れています。誇りと良心。ニコンの企業精神は尊敬に値します。



お世話になってます。後◯です。
出版おめでとうございます。『ランプの肖像』届きました。
早速ご送付いただいた上、綺麗な梱包で感謝いたします。

開封の時に、これだけワクワクしたのは久しぶりでした。
実際に手に取ると、重厚感のある作りで170ページ以上を超えるずっしりとした重みと表紙から繊細さと重厚さが伝わり期待が高まりました。

なんと言っても、写真の質感に圧倒されました。
100年以上経たランプの息づかいが聞こえてきそうです。
写真集でこれだけ高品質、高精度なものは中々ないと思いましたので素晴らしいです。
モノクロの写真は、単色でどのようにしたらこの発色が出せるのか悩みましたが、ダブルトーンとのことで、ランプにぴったりな暖かみのある発色が綺麗でした。
特にP11の多重露出風の写真が面白かったですし、P68やP146のジエルデの写真が良かったです。(ジエルデが好きだからかもしれませんので今後変わっていくと思いますが…。)

エッセイも秀逸で、一気に読み込んでしまう文章力に人を惹きつける何かを感じました。エジソンの逸話は感動しました。
単なる解説本とは全く異なり、キャプションも素人にも解り易い内容でした。

構成も面白く、どちらからでも読み進められる本はあまりないと思いますので珍しいと感じました。最初、裏表紙から読み始めましたが、途中であれっと思い、表表紙から読み返しましたが、最初は全く気付きませんでした。

是非、書店に並んでいるところを見てみたいとも思いましたが、書籍の傷みやバーコード問題を考えていることを知り納得しました。自分のやりたいようにやるにはこれだったと思います。写真に入るバーコードは余り気にしていませんでしたが、言われると写真を台無しにしていることに気付きました。当たり前になっていることですが、いかにモノが見えていないか反省しています。

まだ、全て読みきれていませんが、先生の魂の込もった一冊は、読む度に新たな気付きがある本になりそうです。(肉筆での若いナンバーとサインありがとうございました。)

まとまりのない感想で申し訳ありませんが、取り急ぎ、メールにて失礼いたします。
合宿で直接お伝えできればと思いますし、先生から色々とお聞かせいただけると嬉しいです。
それでは、合宿でお会いできることを楽しみにしております。

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雜賀より

後◯君は写真の教え子ですから、印刷の品質について理解してくれたようですね。
また「綺麗な梱包」との指摘は嬉しいです。発送の際、角打ちなどのダメージがなく、どれだけ安く送ることができるかに腐心した結果、たどり着いた梱包方法です。
他の人はそこに目がいかないようです。そういうところによく気が付いてくれましたね。



「隅から隅まで雑賀さんの想いが宿る本を制作なさったんですね。
自費出版だからこそできるクオリティと拘りが凝縮されてますね。
いろいろな芸術大学や、美術館がこの本を買って収蔵したい!と思うのではないでしょうか。
そして、掲載されているランプすべてが雑賀さんの個人蔵とは!  
本はもちろんですが、HPのクオリティもさすがです!スゴイです〜〜〜〜!!
自費出版でも出版社の本でも、ここまで凄いのはなかなかないのではないでしょうか。」

  大学図書館(芸大・美大)や美術館にうまく告知できると、
  買ってもらえるかもしれないですね。

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雜賀より

これは40年来の付き合いがある、有名出版社勤務の友人からのメールです。
業界人からこう言われるのは嬉しい限りです。
出版業界の方には理解していただけると思いますが、出版社からの刊行では規制が多く、
こんな異色で型破りな書籍は出版してもらえません。
書籍の作りやデザインは思い切り遊び、私家版だからこその面白い本になったと思います。



雜賀雄二 様

おはようございます。

(中略)

まだ勿体無くて、少しづつページめくっているのですが以下がファーストインプレッションとしての感想です。

装丁に関して、Grasや産業ランプという西欧のプロダクトの凛とした写真にローマ字ではなく日本語なのが凄く新鮮に感じますし、時代を感じさせないデザインと思いました。
サイズ感は事前に伺っていたので特に小さいと言う感じはしませんでした。
それよりはずっしりとした質感、沢山のページ数がワクワク感を掻き立てました。
発行元の名前がfilamentなのですね!
電球好きとしてはそこもすごく嬉しかったです笑
どちらの表紙から開いても始まる仕掛けも新鮮です。
バーコードや余計なものを入れてないのでどちらを向けても正面になる美しさ、他では見れない意匠は自費出版だからこそ実現出来た醍醐味ですね。
個人でここまでの書籍を発行出来るということに驚いております。
数々の素晴らしい写真集を出版されていた経験値が無いととても出来ない仕事です。
ここまでランプを愛した書籍は古今東西無いでしょうね。
私はまだまだ中途半端ですので精進したいと思います。

(中略)

昨日から少し気温が下がりましたね。
激務続きでお疲れの出る頃と思いますのでお身体お大事になさってください。

有瀬 肇



2023年4月13日に、ARUSE/有瀬さんのインスタグラムに載せてくださった文章は、以下のような内容でした。(一部略しています)。

僕が師事している雜賀雄二さんの『ランプの肖像』が発行されました!
古今東西探してもここまでランプを愛した本はまず無いと思います。
2012〜2014年まで芸術新潮で連載されていた『ランプの肖像』をもとに大幅に加筆修正されています。

僕はこの本が出版されるのをずーーーっと待ち望んでいましたのでめちゃくちゃ嬉しいです

装飾性では無く機能性を追求したランプを中心に紹介されています。
写真を見ていると今にも動き出しそうな、それぞれに人格があるように思えてきます。
自費出版だからこそ出来た色々な拘りの詰まった一冊です。
ランプ好き、古物好きな方は是非お持ちいただくと良いと思います。
私は聖書を扱うように大切に読んでいます。
雜賀雄二さんのHPでお取り扱いされています。
500部限定です!

凄いのは掲載されたランプ全て雜賀さんの個人所蔵品です??


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雜賀雄二より

以上は、京都「ARUSE」の有瀬さんからの感想です。

『ランプの肖像』は奈良の印刷所で刷りました。わざわざそこを選んだのは、技術力がすごいからです(当然、印刷代も高いです)。この印刷所は日本を代表する大企業のパンフレットなども印刷しています。
印刷の立会いに行った際、有瀬さんのお店に伺いました。
その節はお世話になりました。コロナのせいで3年ぶりの再会でした。
人柄がよく、とても良いセンスをお持ちで、お店のランプも素晴らしいものばかりです。積もる話は尽きず、後ろ髪を引かれる思いで京都を後にしました。
有瀬さんは当方が主宰する「ランプス」に毎年おいでくださっています。今年は「ランプス」を開催しますので、再会して様々な話をゆっくり出来ることを楽しみにしています。

『ランプの肖像』、どうぞごゆっくりとお愉しみください。そしてまた感想をお寄せください。ありがとうございました。




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