PSA異常の方が前立腺生検を受けるか悩んだ時に読むページ

癌の可能性が高い人だけに日帰り6箇所生検を行っている横浜市都筑区の木村泌尿器皮膚科です。
健診でPSA異常を指摘され、入院検査を指示されて悩まれている方に読んで欲しいページです。

結論に直結するグラフの作り方


先週紹介した論文では、前立腺生検後42日以内のPSAはデータとして採用しない、という方針でまとめてありました。

なぜ、30日でも90日でもなく、42日なのか、意地悪な私は、 41日目のデータは無視したい、43日目のデータは採用したい、そうすれば言いたい結論にピッタリ合う、 なんて、共同研究者の一人が考えたりしてないかなあ、なんて思うわけです。

なんでそんなひねくれた読み方しかできないかというと、最近、高血圧の薬に関して、論文捏造疑惑が報じられているから。

これは25年前にプロスタールのメーカーさんが、私の論文を元に作ったパンフレット。

論文に載せてあるオリジナルのグラフはこれ。

同じデータを基に、メーカーさんが作ったグラフがこちら。 私のグラフは一例一例の値がわかるように表示していますが、 メーカーさんのは、プロスタール再投与時も初回と同じように効きます、 という結論を視覚的に明確に訴えます。

投与期間、休薬期間、再投与期間は論文の本文に書いてあり、 メーカーさんはそれを元に上のグラフを書いただけで、 データ集計に関係しておらず、論文の共著者でもありません。 データ集計は東芝病院で土日当直しながら、私自身が行ったものです。

2013年5月13日の院長ブログ原稿


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