泌尿器科医・木村明の日記


医師会の雑用と学会の雑用


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ](2012年秋)

医師会の飲み会とか講演会の出席率のいい私。
付き合いが良いと、役員をやってくれ、とのお話が来ます。
でも、1期だけ監事をやらさせていただいただけでした。
やりがいを感じられず、雑用としか思えなかったので。
政治家がパフォーマンスでやるトップダウンの決定に現場は翻弄されることは良くあることで、
それに現場を代表して、行政に働きかける役目は誰かがやらなければならないんでしょうが・・・・。

超音波医学会に頑張って演題を出していると、シンポジストなどに指名してもらえます。光栄なことです。
さらには、超音波専門医とか検査技師の試験問題の作成依頼、試験監督なども依頼されるようになります。
これも雑用なんですが、結構勉強になりました。
試験問題には臨床の問題と基礎工学の問題があるのですが、合否を決定する鍵となるのは基礎工学の問題。
6割の正解率に届かない人多数。
あまりに正解率の低い問題を、全員で問題として適切か、判定することに。
問題を作った工学部の先生は、これぐらい常識と言われますが、臨床医からは、ここまでの知識を検査担当者に要求しなくても、との声が。
こういった議論を工学部の先生たちとざっくばらんに話せたおかげで、音の伝搬についてはずいぶん詳しくなりました。
なので、日曜丸1日潰れる試験監督という雑用の方は、私は全然負担とは感じませんでした。

(ここから下は無視してOKよ!)
たとえば、平たい探触子から出た音が焦点に集まるのは、両端からは真ん中より少し早く音を出しているから。
扇形の形の探触子と同じ音の出し方を電気的にやっているわけです。
でも、隣り合った圧電素子から出た音が1波長分だけずれる斜め方向には、音が増幅しあい、設計外の方向にも音が出てしまいます。
これがサイドローブによるノイズです。
見たいものを見ているのか、サイドローブのノイズが邪魔していないか、
工学の知識は、検査担当者にも必要です。
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