正直に言って、彼女の抱擁は暖かくて柔らかくて、心地よかった。彼女が僕の名を繰り返し、耳元で優しく囁いている。
「良かった、ノーマン様」と。
僕のアタマとカラダは、沸騰しそうになっていた。僕だって、木石じゃないのだ。
そろそろと、彼女の背中に腕をまわしてみたら、彼女も、僕の首に回した腕に、力をこめた。
とたんに、僕の首の骨がギリリときしんだ。