【 氷柱(ツララ)の季節、Svecan】
            
            
                        
              日本語にも睦月、如月など、古い月の呼び名があるように、スロヴェニア語にも、古い月の名前があります。
              2月はSvecan。正しくは、cの上にvのような記号がついて、スヴェチャンと読みます。
        Svecaというのは、スロヴェニア語で、ロウソクのこと。
          そして、ledena Sveca(レデナスヴェチャ)というのが、氷柱(ツララ)のことなのです。
        ledena Svecaは、直訳すると冷たいロウソクという意味。
          軒下に下がったツララを見て、ロウソクみたいだなーということになって生まれた言葉なのでしょうね。
        そして、1年のうちでもっとも寒い2月を、氷柱の季節、と呼ぶようになったのですが、
          ledena Svecaのledenaが省略されて、形容詞的に変化して、
          Svecanになったというわけです。本当に、寒い国ならではの月名ですね。
         
        スロヴェニアは、緯度が日本の北海道くらい。
          冬は雪が多く、氷点下20〜30度になることも少なくありません。
          国際的な規模のスキー場もいくつかあり、
          世界初のジャンプ台が作られたのも、スロヴェニアだったんですよ。
        それほど雪の多い国ですから、軒には氷柱がたえなくて、
          昔の人は窓からじっと氷柱をながめながら、春の訪れを待ったのでしょう。
          スロヴェニアの山間部では、この時期、冬の寒さを追い払って春を呼ぶ、
          というお祭りが各地で行われるのですが、厳しい冬を乗り越えてきた遠い時代の人々の心情がうかがえます。