【6月は、お花の季節】
            
            
            
            
            
              スロヴェニアの古い月名では、6月はRoznikです。正しくはzの文字の上にはvみたいなマークがつき
            (あのマーク、イゴールは屋根と呼んでいますが、何て言ったらいいんでしょう。勉強不足ですみません)、
              ロジュニックと発音します。ロジャが、花という意味ですから、
              ロジュニックは、花咲く季節というニュアンスです。
              日本では、6月といえば梅雨まっただ中で、じめじめうっとうしいというイメージですが、
              スロヴェニアの6月は雨期ではありません。暑くもなく、寒くもないさわやかな気候で、
              野山には花が咲き乱れるベストシーズンなのです。
          
        ちょっと郊外に出ると、本当に野原が多くあり、
          どこもかしこも可憐な草花でいっぱいです。
          そして、街の市場には花売りのおばさんたちが、花いっぱいの屋台を出し、
          家々の窓にも美しく花が咲きほこります。
          
          
          
          花と言えば、スロヴェニアの国花はカーネーション。
          日本では母の日のお花というイメージが強く、母の日を過ぎると鉢植えのカーネーションも
          とんと見かけなくなりますが、スロヴェニアでは古くから国中で愛され、家々の窓辺を飾ってきました。
          スロヴェニアの庶民の暮らしを描いてきた画家ガスパリの絵の中にもカーネーションはたびたび登場しますし、
          伝統工芸品のレースやししゅうのデザインにも、カーネーションをモチーフにしたものがたくさんあります。
          日本で見かける鉢植えは、まっすぐにお行儀よく並んだカーネーションが多いですが、
          向こうで家の窓に育てられているものは、ワイルドに茎を垂らして、たくさんの花が咲き乱れている感じです。
          野趣あふれて、それでいて可憐で、カーネーションってこんなに魅力的な花だったのか、
          というのが正直な感想でした。
          それは、スロヴェニアという国の魅力にも通じるような気がして、この花を愛し、
          国花として守ってきたというのがうなづける思いです。