【牛のお散歩】
                
            
            
            昨年の6月にピカポロンツァのスロヴェニアツアーで、ブレッド村の観光農家に泊まった朝の出来事です。
            
          朝食前に近くを散歩しようと、何となく皆で集まって早朝の村を歩いていました。
          すると、カランコロンとのどかなカウベルの音が響き、何やら大きな物が近づいてくる気配が。。。
          見ると、立派なカウベルをつけたおだやかな瞳の牛さんが、くねくねとした村の道を黙々と歩いて来るでは
          ありませんか。【牛さんが、歩いている!】と驚く間もなく、後から、後から、牛さんたちがお行儀よく
          一列に並んで、黙々とそのあとに続いて歩いてくるのです!
          
          どうやら、近くの牧場の乳牛たちが、朝の乳しぼりを終えて、牧草地まで歩いて行くところに出くわした
          ようですが、人が手綱をひくでもなく、犬が追うでもなく、牛さんたちが自分たちでちゃんと決まった道を
          歩いて行くのです。【人間は、いないの?】と、よく見ると、整然と並んだ牛の行列の後ろから、
          大きなシャベルを持った一人の男性が歩いて来ました。
          牧場のご主人のようですが、牛を完全に信用しているので、のんびりと、気楽な笑顔で牛の後を歩いています。
          そして、手に持ったシャベルで、道に落ちた牛たちのウ☆チを集めて、掃除しているのでした。
          
          【それにしてもしっかりした牛さんたち】と感心しつつ観察してみると、大きなカウベルをつけた先頭の
          牛がリーダー的存在で、そのすぐ後ろにはしっかり者の牛たちが続いているようでした。彼女たちは、
          よそ見もせず、列も乱さず、いつもの道をしっかりと歩いていました。そして、後ろの牛たちはまだ若いの
          でしょうか、ちょっとよそ見をしたり、止まりそうになったりしながらご主人にうながされるように歩いて
          行くのです。
          
          5分も歩いたでしょうか。牧草地に着くと、みんな散り散りに分かれて草を食み始めました。そして、ご主人
          は例の大きなシャベルを小川の水で洗いながら、【ここの水はきれいだから、飲んでもいいよ!】と、
          人懐っこく笑ってくれたました(笑)