番外編:日光ドライブ 2001年11月10日〜11日
久しぶりに温泉旅行に出かけることになった。付き合ってくれたのはJちゃん。しかも、「私、車出しますよ!」と運転してくれることになった。これは有り難い。
土曜日の朝はあいにくの冷たい雨。
都内某所より出発して、外環道を経て東北道へ。このころには渋滞も解消し、スイスイ流れるようになってくる。
まだ雨は降っているが、北へ向かうにつれて、だんだん外も明るくなり、予報では午後から晴れ、明日は良い天気、ということだ。
Jちゃんは運転は久しぶりと言いながらも、なかなかの腕前である。どうやら私の出番はなさそうだ。ということでナビゲーターに徹することにする。・・・どれどれ、宇都宮から日光宇都宮道路ね、と地図で確認。
途中、北関東自動車道などの分岐を見送って、そろそろ宇都宮へ、とそのとき、我々の右側をスピードを上げて追い越して行く車が。
「あ、パトカーだ!」・・・野次馬根性丸出しで、どれどれ、と思わず身を乗り出す私。「あの車を追いかけているのかしらね?」
「そういえば、パトカーって、目指す車に追いついたら、前に入って、後部の電光掲示板に「ついてきなさい」とか何とかパッと文字が出るんだって。」と私が聞きかじりの知識を披露する。
なんだかワクワクしてパトカーを目で追う私(たち)。
しかし、その一瞬後に、「あれ・・・え、うそ!」 「えっ?」
左側の視界に、"宇都宮IC"の姿が入り、そのまま・・・消えていった。
何とパトカーに気を取られているうちに通過してしまったのだ!(悪いのは私です、ハイ。)
途中の標識で「日光へは日光宇都宮道路でどうぞ!」を読んだ時に、地図を見たときに、気づかなければならなかったのだ。この道路へはいったんICで降りてから入る、ということに。
仕方なく次の矢板まで向かう。
さて、改めて地図を見ると、矢板市内から「日光北街道」なるルートがある。これで行こう。・・・今度こそ、標識と地図のにらめっこ。
負け惜しみではないが、のどかな街道で、コスモスやら紅葉がきれいだ。車も少なく、スイスイ進む。
「ま、これもいいね。急いでも仕方ないしね。」(なんて、私が言っていいのか!)
鬼怒川を渡ると今市へ。ここからは例の「日光宇都宮道路」と並行して走る、杉の大木の並木に変わる。これは由緒正しい日光街道だった。だんだん青空も見えてきた。「よかったね。明日はいい天気だね。」
突き当たると東照宮。ようやく見慣れた景色になる。次はいろは坂へ。上りは第2いろは坂。かなりの標高差を一気に上る。急にガスってきた。とにかく短いヘアピンが24本分?!坂も急で、標高も上がるので(決して私達が重たいからではありません!)車はあえぎ始める。
「ゆっくり行こうね。」・・・そのうち更に霧が深く、一寸先も見えにくくなったので、フォグランプをつける。前後に車もいないので、マイペースで上ることにする。なんだか薄暗い。「何か出そうだね〜。」「夜1人で運転していたらちょっと怖いですね。」・・・ホントに。
トンネルを抜けると中禅寺湖へ。なんとまた青空が見えてきた。左手に中善寺湖を見ながらのドライブ。せっかくなので、竜頭(りゅうず)の滝に寄ることにする。駐車無料なのが嬉しい。ここは私にとっては2度目。そう、高山に登ったとき、ここから歩き始めたのだ。
ドアを開けるとさすがに冷たい空気がすーっと入ってくる。
<竜頭の滝>
茶店の奥から滝を眺められる。なかなか綺麗だ。緩やかな傾斜でまさに竜のように更に上に伸びているので、見に行くことにする。
階段を何度か上る。途中にベンチもある。と、右手奥に夕日を受けて光り輝く白いものが。「あ、あれは、・・・男体山?」カメラ片手に思わず階段を駆け上がる。
ちょうど山の向こうからぬ〜っとゴジラが顔を出したみたい(注:白黒のゴジラ第1作の印象的なワンシーン。)に、圧倒的な存在感がある。
上部は冠雪し、それが夕日に映えてオレンジ色に輝く姿は神々しい。一人でうっとり眺めてしまう。
(あとで、「センセイが、山をみて、いきなり階段を急いで上がっていく様子がなんだかおかしかったです。」と言われた。そうでしょう。山、となると目の色が変わるもんね。Jちゃんをおいてサッサと行ってしまった私。ゴメンネ。)
あとは宿へ向かうのみ。途中でさらに大きな男体山と、日光連山の冠雪した姿が夕暮れ時に映えて本当に美しい。(あ〜綺麗、ま〜すごい!と出る言葉はそればかり。ああ、ボキャ貧。)
お宿へ着いて「お疲れ様。」・・・10畳の部屋に2人は広い。夕飯まで荷物を広げたり片付けたり。
大広間での夕食は川魚のお鍋。高原野菜のサラダにデザートもついて、お腹一杯。その帰りにお土産を物色。Jちゃんは会社へのお土産と自分用のお菓子を買っている。私もあれこれ見たが、今のところやめておく。
部屋へ戻ればもう布団が敷いてある。私はノンビリお風呂へ。内風呂2つと露天風呂らしからぬ露天風呂の3つに入って、のぼせるくらい楽しんだ。
あとは布団の上でごろごろ。9時には消灯して、おやすみなさ〜い。
翌朝は8時過ぎに布団から出る。カーテンの向こうが妙にまぶしい。外はまさにピーカン。雲1つ無い青空が待っている。やったね!
せっかくのこの天気なので、どこか展望のよいところへ行きたい。どこがいいかな。
候補は3つ:華厳の滝からロープウェイで茶の木平へ(往復900円。)、車で明智平へ、そこからロープウェイ(いくらかな?)、車で中禅寺湖スカイライン(有料道路?)・・・ここで地図からみて最も景色が良さそうで、より「安い」選択肢となると、中禅寺湖スカイライン、これで行こう!
まずは混雑しそうな華厳の滝へ。このあたりは暖かいのか、紅葉が見事な木が数本残っている。
ちょっと歩いて滝の方へ。無料の展望台は2階建て形式になっている。1段下へ降りる方が迫力がある。なるほど、有名なだけに、みんな順番に写真を撮っている。滝の上方を赤いロープウェイが時々横切る。絵になるなあ。
ちなみに、滝壷まで降りるには有料のエレベーターがあるが、「今度にしよう。」その代わりに何となく意見が一致して、「イチゴソフトを食べよう。」ということに。栃木の名産のイチゴで作りました、ということらしい。これがなかなかおいしい。(お奨め。)
次はいよいよ展望を求めて「中禅寺湖スカイライン」へ。
湖に沿って進むと立木観音という大きなお寺がある。更にこの先に進むとそのままスカイラインにつながっている。日陰には白く霜が降りている。やっぱり奥日光は寒いんだな。
多少のワインディングののちに、料金所もないままに、広い第2展望台へ。何台か先客も停まっている。
わ〜、すごい景色!
<男体山>
男体山が立派だ。右手に見えるのは女峰山?青空がまぶしい。
「今度登るからね〜!」とご挨拶してパチリ。
このまま体を左へ向ければ今度はこの景色!
<中禅寺湖と奥白根山>
中禅寺湖の向こうに、1つだけ冠雪した頭が見えるのは、あれが奥白根山。
その右側に少し(?)離れたピークが前白根山か。
ここで思わず、「あの白い山を目前に撤退したのよね〜。前白根まで登って、後ほんの少しだったのに〜!!」とピークを指差して説明する私。
そこで申し訳なさそうに、「・・・でも、何だかだいぶ離れてますねえ。」とJちゃん。・・・確かに。
さて、この絶景を楽しんだ後、車で第1展望台までもう少し行ってみることにする。 ここからはもう中禅寺湖も、男体山も見えない。いわんや奥白根をや。
ところが、である。
ここからは何とあの皇海山(すかいさん)が見える!(案内板あり。)
<皇海山を臨む。(遠景中央の山)>
これがあの、皇海山。・・・あれにも登らなきゃ。日光から見える山は「おいでおいで」と私を誘っている(ように見える)。
さらに昭文社の登山地図によれば、ここから15分ほど登ると、「絶景」と書いてあるポイントへ。念のため登山口を確認しに行くと、ガードレールが山にぶつかったところに立派な標識がある。覗いてみると結構な急登で、滑り易そうなのでやめておく。(また今度ね。)
<半月山への登り口>
あとは第1いろは坂を下るのみ。そろそろ車も渋滞気味。急坂をタイヤをきしませながら降りていく。
坂を降りたところで、猿の集団を発見!道端で何か拾っているようだ。木の実だろうか?
近寄って恐る恐る窓をチョット開けてパチリ。
動じないようだ。では、ともうチョット開けて、更に1枚。
生態調査をしているのか、首に発信機をつけたサルもいる。
<首には発信機> |
<う〜ん、イイ気持ち> |
「サルはいませんかねえ」と期待していたJちゃんは大喜び。
あとは東照宮を見て、「ゆば」を食べる計画だ。二人とも「ゆば」は大好き。京都では湯葉と書くが日光では湯波と書くそうだ。
日光の2社1寺は広いので全部見るのは大変そう。拝観料だけでも相当額になる。そこで、「2社1寺拝観券」1000円を買って、その範囲に限定することにする。
この券は境内の中の限られた個所でしか売っていない。(要確認。)この券で拝観できるのは、輪王寺の三仏堂(本堂)と大猷院(たいゆういん:家光の墓所)、東照宮の「三猿」・陽明門・拝殿、二荒山神社の拝殿である。この券は2日間有効。確かにこの券の範囲だけでも1日ではちょっと辛い。
回り方のヒント:奥へ行くほど高くなっているので、奥にあって見所の多い東照宮から見ること、共通券でなければ、大猷院(家光の墓所)は石段がたくさんあるのでパスすること、だろうか。
眠りネコと家康の墓所を見るにはこの券+500円(だったかな)更に払う。
とにかく我々も2時間かかった。
<人の多い東照宮:奥が陽明門>
<入ってすぐの「三猿」>
<陽明門>
陽明門をくぐって振り向いた時、右から2本目の柱は「魔よけの逆さ柱」と呼ばれているそうだ。これは、この柱だけ、渦巻き模様の向きが上下逆さまにしてあることから。よく見ないとわかりにくい・・・。
<これが「魔よけの逆さ柱」>
東照宮で一番面白かったのは、本地堂の「鳴き竜」。拍子木をたたくと、竜の顔の絵の真下でのみ、竜がうなる。これは面白い。
さて、2時も近くなり、だんだん日も翳ってきて寒くなってきた。
<大猷院の入り口>
折角の拝観券なので、最後の大猷院へ。紅葉がきれいだ。・・・しかし、段差の大きな石段が連続する。ちょっと足慣らし、と上がってみるが、さすがに最後の方では息がはずむ。Jちゃんもちょっとつらそうだ。
中でお坊さんが説明している。が、特別の「お宝」もなさそうなので、早めに退散。お腹もすいてきた。これにてようやく輪王寺も見終わり、「お疲れ様!」
表通りに面した小奇麗な店があったのを思い出し、「湯波」を求めて歩き出す。
あった。まだ新しいようだ。お客さんも待っている。いい感じ。
少し待ってお座敷へ。湯波の創作料理というのを頼む。食前酒にあんず酒が。
甘くておいしいが、ほんの2口にとどめておく。それでももう真っ赤。
料理を待つ間、往来を眺めると、時折ハイカーが連れ立って降りてくる。鳴虫山だろう。紅葉も見ごろだろうな。
お料理は生ゆばのさしみ、揚げたゆば、ゆば豆腐、などどれもおいしい。二人ともシアワセ!という感じ。最後に豆乳のプリンも出て、ご馳走様。
帰りにガソリンを入れようと入ると、偶然にも「食べたいね。」と言っていたお饅頭やさんのお隣!降りて早速買いにいく。ラッキー☆
これは3色あって、どれもおいしかった。(「ふだらく慢頭」、1個70円は安い。)
帰りは例の日光宇都宮道路へ。そのまま東北道へ。大した渋滞もなく、すんなり外環まで来る。ここで小休止して、一路自宅へ。大満足の旅行となった。