随分と間隔があいてしまったので、気軽に歩ける山ということで、湯ノ沢峠から南下することにする。
甲斐大和駅で予約のタクシーに乗り、湯ノ沢峠まで直行。(5840円)
立派なトイレもあり、準備をして歩き出す。久しぶりに会うLilyさんほか気心の知れた山仲間が揃って楽しい予感。
ちょっとガスっぽい感じで展望が余りないのは残念だが、早速お花に挨拶。

連日の真夏日で寝不足気味の体に、心地よい涼風と夏の花が心身共に慰めてくれる。
まさに散策気分で思いのままにカメラを向け、おしゃべりを楽しみながら歩く。
草原を埋めるお花は・・・

ハナチダケサシ(花乳茸刺) ヤマオダマキ(山苧環) シモツケ(下野:木です) シモツケソウ(下野草)

イヨフウロ(伊予風露) タチフウロ(立風露) ヨツバヒヨドリ(四葉鵯) キリンソウ(麒麟草)
街中でウィンドウショッピングでもしている感覚でゆっくり歩いていく。大蔵高丸に着いてまた休憩。大体コースタイムの2倍で歩いているようだ。 それから小さなアップダウンを経てハマイバ丸へ向かう。花の感じは大体同じだが、芳香を漂わせる主は、大きく育ったノイバラ。あちこちに沢山の花を咲かせ、初めて見る光景だ。ノアザミやホタルブクロもかわいらしい。
また、清楚なミズチドリをいくつも見つけ、その上ムラサキまで発見。(ムラサキといっても根が染料の元になるため。)花は白くてかわいらしい。その先にもあちこちに咲いていて、とても嬉しかった。絶滅危惧種なので、ここで無事に増えて欲しいものだ。
ロープが張り巡らされているが、その先にムラサキの穂が見える。(ヤマトラノオかルリトラノオか、じっくり観察することはかなわず、どこかルートの近くにないかと探したが、あれ1本だったのは残念。) しかし、ロープを無視しての踏跡が縦横に存在するのは悲しい光景だ。多分、一番のお目当てはアツモリソウだろう。もう枯れた花でもいいからないかな〜と目を凝らしたが無理だった。
昔はこの辺りに咲き乱れていたというが、湯ノ沢峠まで林道が出来て、盗掘も激しくなったと言う。私たちには林道は両刃の剣になっていまい、悲しいことだ。 でも、ロープを張ってもいいから、遠くからチラリとでも見てみたいもの。
目を楽しませてくれた白い花たち:
 芳香が漂います。
ノイバラ(野茨、別名・野薔薇)
 面白い形ですね。
ミズチドリ(水千鳥)  絶滅危惧種です。
ムラサキ(紫)
ハマイバ丸(破魔射場丸)の標識がある地点は暗い樹林の中。そのすぐ先に、開けた明るい地点があり、ここにもハマイバ丸の標識。
こちらでお昼とする。

ハマイバ丸・・・暗い山頂と開けたピークの両方がある
ノンビリお昼を楽しんで、時計を見ると結構いい時間。一応予定では大谷ヶ丸からコンドウ丸を経て景徳院に降りる予定だが、全員の意見が一致して、米背負(こめしょい)峠から下山と決まる。
歩き出すと凄い笹薮に突入。一部は背丈ほどもある。しかし、足元ははっきりしており、迷う心配は皆無。
少し滑る箇所もあり、慎重に。その後は、またノイバラの群生地。小ピークを振り返ると斜面一面がノイバラで白く見えるほど。
またミズチドリだ、ムラサキも、と贅沢な会話をしながら進む。ホソバノキソチドリか、コバノトンボソウか、緑の蕾だけでは同定不可能。
オカトラノオ(丘虎ノ尾)
滑る斜面に気をつけつつ、綺麗に花をつけたオカトラノオや、ノイバラ、ミズチドリなど、途切れない花に挨拶しながら進む。
クモキリソウ(雲切草)が3本咲いている。様々なタイプの花が楽しめて本当に嬉しいコースだ。
天下石を経て、米背負峠に到着。汗が噴出し、それに寄ってくる虫が多い。 地図では迷いやすいとして破線扱いだが、ネットでもかなり歩かれているし、その先はまだ2,3時間かかるので、注意してここから降りることとする。
米背負沢に絡みながら下りていく。ここはアジサイ類が目立つ。沢音を聞きながら、念のため鈴を出してリンリン鳴らしながら歩く。
 
カワアジサイ(川紫陽花) コアジサイ(小紫陽花)
何度も沢を渡り返すが(橋と渡渉)、倒木も多く、確かに時々迷いそうな箇所はあるが、よく見れば踏み後の先に赤テープなどがあるので安心できる。
コースタイム通り40分で登山口に到着。広いスペースと、腰掛けまである。舗装道路が延びていて、ここまでタクシーが入るようだ。
が、案の定、携帯は「圏外」。
仕方ないので立派な舗装道路を降りながら電波の届くところを探し、何とか繋がった。
道端の草もなかなか。つる性のイケマ、ホタルブクロの花付きの良いこと!
イケマ
元気一杯のLilyさんとSさんが先行していたのを追いかけて、タクシーが来ることを知らせ、しばらく待っているとタクシー到着。
駅至近のコンビニで降ろしてもらい(3410円)、それぞれ飲み物類を調達して列車に乗り込む。
早く降りたので余裕の帰還となった。
湯ノ沢峠あたりは、ノンビリ散策が一番かもしれない。また季節を変えて、今度は大縦走もしてみたいものだ。
涼風の中の稜線漫歩、楽しい夏休みの一こまとなった。
皆さんお疲れ様でした!
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