コース:
1日目:10:00美濃戸口〜11:15美濃戸(昼食)11:35〜南沢〜14:30行者小屋(泊)
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2日目:行者小屋4:47〜文三郎尾根〜6:00中岳分岐6:07〜6:35赤岳〜赤岳天望荘7:15〜8:10日ノ岳(撮影タイム)〜9:25横岳〜10:00[昼食]10:20〜11:15硫黄岳11:28〜赤岳鉱泉13:00〜北沢〜13:48堰堤〜15:40美濃戸口
今年は是非ツクモグサに会いに行こうと計画していると、山の会でいけることになった。これ幸いと参加を申し込む。 梅雨時の花で、しかも晴れないと花弁を開かないツクモグサ、天気予報とにらめっこでヤキモキしていると、週末は晴天という。 日ごろの心掛けの良さ!と都合よく解釈し、期待を胸にマイクロバスに乗り込む。
初日は朝出発し、お花を探しながらゆったりと行者小屋まで。
美濃戸に着くと、既に駐車場は満杯。きっとみんなツクモグサ狙いの登山者だろう。大変な数が入っているということだ。
オサバグサの葉が沢山あるが、殆どはまだ蕾さえつけていない。マイヅルソウも然り、ゴゼンタチバナに至ってはまた葉っぱだけ。
行者小屋まで3時間ほどといっても案外標高差がある。日ごろの運動不足+荷物の重さで、何だか猛烈に右肩が痛い。 小屋が近くなり、去年バテた辺りからは林の中に残雪がみられる。ただ、それがなければ眩しい日差しに「夏山」かと錯覚するほど。 ようやく辿り着いた小屋でザックを降ろし、ほっとする。しかしまだ2時半。個人なら稜線まで上がって天望荘泊まりかとも思うが、水の豊富な行者小屋で優雅な午後のお茶ならぬビールも悪くない。(あ、私はノー・アルコールで・・・。)
小屋からは目の前に赤岳、阿弥陀岳がど〜んと聳え、振り返れば山の合間から何と槍・穂高の稜線が見事に望めるではないか! さて小屋の夕食は塊のビーフ(柔らか)と具沢山の豚汁で、肉ばかりなのに驚く。もちろん野菜もあるし、冷凍ライチーとグレープフルーツもつくが、近頃は小屋泊まりで9000円!このご時勢に何とか工夫の余地はないものか。 ただ、ゆっくりと布団を敷いて寝られるのは有難い。明日に備えて早めに就寝。(夕日をバックに槍・穂の絶景が展開したそうな。満天の星にも惹かれるが、それはまたの機会に・・。)
今回のメイン、ツクモグサは横岳周辺に咲くそうで、明日は地蔵尾根から横岳を目指すが、希望者は先発隊として赤岳経由となる。去年赤岳に登ったものの、初めての文三郎尾根からのコースも歩いてみようと、本隊より1時間早く出発する赤岳組に志願。希望者は半数ほど。
支度が早ければ予定より早く出発するのは明らかなので、予定より急いで支度し、外へ出る。
テント場を抜けると早速かなりの残雪。そしてすぐに文三郎尾根。昨日、小屋からはっきり見えた、まっすぐに伸びる急な鉄の階段だ。
どこまでもまっすぐ伸びる階段を一段一段確かめながら、黙々と登っていく。時々振り返ると、雪を頂く北アルプスの稜線がどんどん横に伸びて、それは素晴らしい。
・・・必死で急ぐと、みんなが見とれているのはアルプスの大展望。 さらに、ここで初めて南アルプスの山々が阿弥陀岳の左にぬっと現れた。
いつまでも眺めていたい展望だが、吹きさらしで風が冷たい。帽子を吹き飛ばされそうになりながら、赤岳頂上をめざす。
岩場を登りつめれば赤岳頂上へ。雲海がなかなかよい。 2度目の登頂の感慨に浸る暇も無く、地蔵尾根からの本隊との合流時間も迫り、今度はザラザラの急坂を転げるように(実際に転がる人も・・・。)降り(落ち)て天望荘。ここで本隊のSサブがお出迎え。わずかのトイレ休憩の後は、いよいよ横岳に向かう。早くツクモグサに会いたい!
ここからは危険箇所(難所)の連続だが、そこは2度目、少し自信を持って歩き出す。去年の個人山行では、スラブの長い鎖場を登り切って。進路に迷ったが、それを確認すべく寄り道すると、あろうことか前方には赤岳が・・・。
ちょっとがっかりしたものの、気を取り直して岩峰を回り込み、日ノ岳へ向かう。そろそろ花は見られるだろうか・・・。 写真のための大休止の間にも、どんどん登山者がやってくる。ツクモグサは本当に大人気だ。
第一の目的が達成され、安堵感と満足感で一杯。今度は他の花にも急に目が行くようになる。オヤマノエンドウが沢山咲いているのに、写したのは1枚だけ。
この辺りは鎖場や梯子の続く難所なのだが、去年のおさらいと思い、ちょっと慢心気味。でも初めての参加者も多く、この人数なので必然的に渋滞。岩場が苦手の人たちに、リーダーが神経を使って指示を出している。 稜線に咲く花は、イワウメ、ミネズオウ、キバナシャクナゲなど。
ゆっくりお昼を食べていると、あらら、もうリーダーはザックを担いでいる。大あわてで荷物をしまい込み、列を追いかける。 樹林帯からいきなり抜け出すとそこが赤岳鉱泉。流石にほっとする。 ちょっと座って休憩。冷たい水で喉を潤し、この山の水をお土産にとポットと水筒に詰め直す。(ああまたザックがずっしり重い。) 気分的にはもう無事下山した感覚に陥るが、まだまだ先は長い。今度は明るく広々とした北沢を下る。キバナノコマノツメやシロバナヘビイチゴが一面に咲き、南沢とは印象が随分違うのに驚く。
ああもう歩くのは飽きた!言いながらも、まだ足が痛くならないことに少し安心する。
堰堤が見えてきて、とうとう「車道」に変り、列はばらけて美濃戸へ。最後の1人として山荘前に着くと、先に到着した先頭の皆さんも相当お疲れのご様子。ベンチに座ってまた休憩。・・・でもまだあと1時間。ふ〜。
苦手な林道歩きでどんどん抜かされつつ、やっと美濃戸口に到着、15:40。本当にお疲れ様! これだけ歩けたことで、夏山本番でも何とかなりそうだという手ごたえは掴んだ。これも収穫の1つ。
梅雨時にこれだけの晴天に恵まれ、めざす花の時期にもピッタリ、何と恵まれた山行だったか。(これも日頃の心がけが良いから・・・!?) |