梅雨時ながらお花を求めて戸隠まで行くことにしたのだが、大雨に阻まれて、結局戸隠観光に変更。
奥社は勿論、森林植物園も良かった。
夜行バスで長野に着いた時は、予報も雨から9時以降は曇りに変わり、青空さえ見てきたので非常に期待したのだが、
バスに1時間揺られて戸隠高原に入ると雨が激しくなってきた。
戸隠キャンプ場で降りると土砂降り。とりあえず支度をし、登山口まで行ってみる。
キャンプ場内の濁流
登山口
コケイラン
キャンプ場の中を適当に歩いているうちに、何とか登山口を見つけ、クランクを抜けて高妻山登山口の標識まで辿りつく。
雨が激しく森の中は暗い。既に道が小さな流れになっている。轟音を立てて流れる大洞沢を横目に、これを一体どの地点で渡渉するんだっけ、とルートを思い出すうちに、いきなり道が途切れ、濁流の向こうに続いている。
え、ここ?
普段なら靴底を濡らす程度で渡れるはずの沢は、幅は勿論、水量も凄まじく、足を踏み入れようものなら一気に流されてしまうだろう。渡渉は問題外。
すぐに引き返し、尾根を通るもう1本のルート(弥勒新道)に変更。
もともと高妻山の登頂は目指さず、途中までのつもりだった。天候によっては尾根ルートの往復も考えていたので、ここまでは想定内。一旦クランクを出て、牧場の中を北に向かって
歩いていると、別の沢を越える車道も冠水し、濁流が激しく深さもあって、これも明らかに通過不可能。
一縷の望みを託し、牧場の中を突っ切って、何とか通れる場所(道路)を探そうと歩いて行くと
牛の佇む広い農道に出る。
とにかく北を目指して歩いて行くと、前方から数人がこちらへ向かってくる。登山者かと思えば、山菜取りのようだ。
彼らの前には、さっきの沢が怒涛のように路上に溢れている。が、何とか渡ったようなので、近づいて話を聞くと、
「無理無理。長靴履いているけど、すごく深いよ。こっちは3人手をつないで、やっと渡ったんだから。流されたらおしまいだよ。」
・・・万事休す。
ここまでトライしたものの、皆さんと意見が一致、戸隠観光に切り替え、となった。
雨に打たれながら牧場の中を戻っていくと、登山口へのルート手前にある「ふれあい動物園」の中からおじさんが手招きしている。
辿りつくなり、「まさか登らないよね?!」
「ええ、断念しました。」
「それが賢明だよ。今日登るなんてとんでもない。今朝から、ここを通る人は
みんな止めてきたんだよ。」
「せっかくだから、ザックを置いて、入口のお花だけでももう一度観察してからにしようかなと・・・」
「だめだめ、何度も山鳴りがしているから、沢に近付かないで。」
「山鳴り?」
どうやら、一度聞こえた、雷かと思った音がそれだったようだ。例えれば、富士山麓の自衛隊の砲音を雷と足して二で割ったような音。
lilyさん曰く「地表で雷が鳴ったみたい」・・・あれが、山鳴りだったのか。知れば知るほど恐ろしい・・。
山鳴りは、『山間部で発生した土石流やがけ崩れが沢を流れ下ることで音響が生じ、この音が山間に反響することで発生する音』だそうだ。
確かに、戸隠連峰は上部が岩山、切立った姿であり、また沢添いに上るルートは危険この上ない。
たとえ尾根から無理やり上ったとしても、無事に戻れる保証はない。
梅雨時の雨の恐ろしさ、地形から来る危険などを再認識。やはり雨が降ったら止めた方がいいのかも・・・。(山次第だが。)
びしょ濡れで、暖かいものが恋しくなったので、キャンプ場のお店で一服。私達は根曲がり竹のタケノコ汁を頂く。
漬物など小鉢を沢山だしてくれた。Lilyさんによれば、おそばもおいしいという。何より、ずぶ濡れの登山者を快く受け入れてくれたお店の方に感謝。(「手打そば「岳」、お勧めです!)
高妻山(五地蔵)方向と 手打ちそば「岳」
バスは往復割引と同料金(2500円)だったので周遊券を買ったのが幸いし、このあと戸隠奥社、植物園をゆっくりみて、お昼に戸隠そばを楽しみ、長野に戻って善光寺へ。ただし、随分早じまいのようで、阿弥陀様は見られず。
帰りも夜行バスでたっぷり1日遊んだ。(片道3000円。)
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