双六岳   2022年8月6日〜10日

コース:
夜行バス〜早朝新穂高着〜小池新道〜鏡平山荘泊
鏡平山荘〜双六岳〜双六小屋泊
双六小屋〜鏡平山荘泊
鏡平山荘〜新穂高

コロナが少し落ち着いてきた6月上旬、念願の北アルプス行きをついに決断し、山友Kさんと、雲の平か双六から黒部五郎の縦走を計画。
大体の行程を決めて小屋の予約状況やアクセスを検討の結果、太郎平の小屋が満室だったため縦走は諦め、また、憧れの雲の平も実際は太郎からの沢の渡渉やロングコースを考え今の私たちにはて厳しいと判断し、双六〜黒部五郎に決定。早速予約を試みる。

評判の良い双六小屋だが、今どきは立派な紹介動画も揃っていて、見るだけで本当に気持ちが高まるし、情報満載。お薦めの行程もアップされており、大いに参考にする。
(行く方も、行かない方も、このビデオは必見です。素晴らしい山岳風景も楽しめます。双六小屋のHPからお楽しみください。)

新穂高へのアクセスと行動時間を考えて、辛いだろうとは思いながらも夜行バスを選択。が、何年ぶりかのアルプス縦走に期待は膨らむ一方。
初日は無理をせず鏡平山荘泊とし、翌日は双六〜三俣蓮華岳の稜線漫歩を楽しんで黒部五郎小舎泊、翌日は荷物を預けて黒部五郎に登ってから双六小屋に戻り宿泊、最終日は新穂高に降りて14時過ぎのバスで帰京というもの。
宿泊は全て双六小屋グループで、ネットで全て予約可能。コロナ対策もあって、1泊2食の大部屋が13000円と、決して安くはないが、逆に布団の間隔も開けられ、仕切りもあり、昔のような雑魚寝もなく完全予約制なので良い面も多いように感じる。

時期的に、お盆は混むのでその前に駆け込みで出かけ、何とか夏の花を見たいと思う。

山行が近づいてきて、手持ちの地図が古すぎるので買い替え、ヤマケイのHPにあるヤマタイムでで実質的な行動計画を組んでみる。
これは非常に便利で、画面でルートを選択肢、コースタイムの何倍で歩くか(1.2倍とか1.5倍とか)、どこでどれくらい休憩するか、を入れながら実際の出発時刻を決め、最後に地形図の印刷もできる。
この過程で行動計画も現実的となり、実感が湧いてくるというものだ。

何と言っても我々もOver60、お花を見ればゆっくり写真を撮りたいし、コロナ自粛で体力も落ち、予想外の猛暑でかなりの苦戦が予想される。
ということで、ヤマタイムでかなりゆっくりな設定で作ってみると・・・。

2日目も3日目も、4時までの小屋入りどころか、日がとっぷり暮れてからの到着となり実行不可能なことが判明。真っ青になってKさんとも相談し、3日目は黒部五郎登頂を諦めて、カールの散策にとどめることにする。
が、時間に追われて長い距離を歩くのも厳しいと思い、とうとう黒部五郎小舎は諦めて、双六小屋の連泊に変更。
こうすれば、2日目はかなり楽になり、お花三昧も可能になる。まあ、これで良かったのかもしれない、と良い方に解釈する。

「行きたい山と行ける山は違う」という当然のことを今更ながら痛感。
とにかく、今回はひたすらに軽量化を図り、寿命の来ていた登山靴、年季の入ったザックをぐっと軽いものに買い替え、荷物も一々測って最小限にとどめ、あとはお金で解決(現地調達)と決めて、いざ北アルプスへ!

*初日*

新穂高温泉[1090m]〜わさび平小屋[1402m]〜鏡平山荘[2290m]   昭文社コースタイム 5時間

余りリクライニングもできない夜行バスで6時過ぎに新穂高到着。そそくさと朝食を食べて少しでも荷物を軽くしてから歩き出す。
睡眠不足にいつもよりはかなり重たいザック。涼しい風に励まされながら登山口を目指す。
ゲートまでの車道歩きを経て、車止めのある登山口に着く。7:03、行動開始。

暫くは長い林道歩きが続く。広い林道に早速花が咲いている。風に吹かれながら、ゆっくり歩いていく。4時までに小屋入りすればよいのだ。
無理をせず、風穴からのクーラーのような冷風に励まされ、若者に抜かれながらも汗を拭きつつ歩き続ける。
笠新道登山口を見送って、8:28、やっとわさび平小屋到着。少し休む。既に背中は汗びっしょり。

8:42行動再開。少し周囲が開けてきて、美しいソバナに励まされ、9:05、何とか小池新道登山口到着。さあ、ここからが登山道だ。沢に沿って歩き始め、まずは秩父沢を目指す。
背中は重いし汗もだらだら。無理せず亀の歩みで進み始めるが、今までの林道歩きとは違い、岩の多い段差のある道に変わっていく。日差しもあるし、暑さが厳しい。

どんどん水を飲み、苦しくなる前に立ち休みしながら、更に急になる石段のような道を喘ぎながら登っていく。水平距離でいえばもう半分以上来ているのだが、ここからの標高差が実に厳しい。
降りてくる人や、抜いていく人を何度も見送って、汗をふきふきひたすらに高度を上げていく。若者やテント泊の男性は実に速い。あの重荷をこの速さで登れるのは、若さか、体力か・・・。

既に歩き始めて3時間を越えてくるが、秩父沢は遠い。
いつになったら着くのだろうか、と立ち休みの間隔がどんどん詰まってきたころ、ようやく大きな沢音が。秩父沢だ!きっと、あと、もう少し!

豪快な沢音に導かれ、沢を渡って10:30、ここで大休止。少し早いが昼食休憩。沢山の登山者が思い思いに休んでいる。冷たい水でタオルを濡らし、首に巻く。

水も食料も少しずつ消費して軽くなり、次のシシウドが原まで頑張れば、急登は終わり、山荘がぐっと近づくはず。気合を入れなおして腰を上げる。11:00,さあ、もうひと頑張りだ。

花も少しずつ変化してきて、花を撮れば息も整う。少しずつでも歩き続ければ、きっと・・・。
幸いにも、標高が上がってきたからか、樹林帯だからか、はたまた身体が慣れてきたからか、昼食前より少し楽になってくる。チボ岩、イタドリが原と通過し12:55シシウドが原に。ここでも大休止。

とうとうコースタイムあと1時間で小屋のはず。よくぞここまで頑張った、と思える辛く長い急登ともお別れ。
13:05腰を上げて山荘を目指す。久しぶりの高山植物に励まされ、水を飲んだりお菓子を口に入れたりで最後の力を振り絞る。

「あと500m」の文字を見て、500m?結構あるかも、と凹む。それに、思ったより急だ。疲れもピーク。少し歩いては休み、すれ違いではすぐに譲る。
「あと5分」の文字。ガスも出てきているので、見えたら頑張れそうだが小屋は見えない。
まだかな〜まだかな〜と重い足を引きずっていくと急に木道に出て、池が見えてくる。あ、もうすぐそこかも?!

道はとうとう水平になり、すぐにあの有名な鏡池。残念ながらすでに槍方面は雲の中。すぐに小屋が見える。14:20到着。本当に長い長い1日だった。お疲れ様!

受付を済ませ、割り当てられた二段ベッドの上段(2人で1区画)に荷物を降ろし、小屋前に戻ってまずは乾杯!(kさんはビール、私はアイスカルピス。)
ここまで来ると、思ったよりは疲労も酷くなく、また心配した高山病もなく、足もとりあえず問題なし。初日としては上出来だ。

小屋は本当に綺麗で真新しい洗面所では水も飲めるし、手を触れずにペーパータオルを捨てられる機器が備わっていて、至れり尽くせり。
一般室に相当する新館の二段ベッドは、頭の上の棚が便利で、相方とはロールブラインドで頭部が仕切られている。不織布の枕カバーと布団カバーがありがたい。

部屋で1時間ほど横になった後、サンダル履きで鏡池に行ってみる。
暫く待つうちに、時々槍の穂先が見えることもあるが、雲底が2800m辺りだろうか、全景はなかなか見えない。虫も出てきたので退散。

ボリュームたっぷりな夕食後、早々に横になる。みなさんマナーも良く、静か。

しかし、今日の行程と疲労度を考えると、果たしてここから2時間はかかる双六小屋から最終日に一気に下山するのは可能だろうか・・・。

*2日目*

鏡平山荘[2290m]〜双六小屋[2600m]〜双六岳[2860m]〜双六小屋

5:15の朝食を済ませ、ゆっくり支度をして6:10,小屋を出発。良い天気だ。昨夜の考えをKさんに伝え、空室があれば最終日を双六小屋から鏡平山荘に変更しようということになる。
受付で聞いた話では、小屋では前日にならないと確定しないが、二人なら部屋はあるということで、電波状況の良いところで変更手続きをすることにする。

歩き始めるとお花畑がどこまでも。少し登れば、目の前に槍穂!ああ、これぞ北アルプス!
時間はたっぷりあるので、心ゆくまで花の写真を撮り、展望を楽しむ。ネットで予約の変更も完し、あとは「The 夏山」を満喫。

弓折分岐までくると、大好きなハクサンイチゲの他、咲き残ったコイワカガミも。
しかし、だんだんガスが湧き始め、涼しいのは良いが、花見平を経てだんだん遠望が利かなくなる。まあ、花を撮るには良い状況なので気にせず、相変わらず撮り放題で漫歩しているうちに、前方にカラフルなテントが見えてくる。
おお、あれが双六小屋!

小屋に着くと10:30・・・。流石に早すぎるかと思ったが、入室OKで、早速荷物の入れ替え。着替えや洗面道具などを残すとザックは随分と軽くなる。
コロナ対策のため小屋内での飲食は厳禁。外のテーブルで、昨日の残りで昼食を済ませ、お腹も一杯になって、さあ出発、と思った矢先、何と雨。
一旦小屋に入って様子を見る。ガスがどんどん流れてくる。

通り雨のようなので、合羽の上だけはおり、11:40,さあ、双六岳へ。まずは山頂を目指し、中道から戻ってくる予定。
小屋からは思ったより急登。辺りは結構暗い。そのうちかなりの岩稜帯になってびっくり。

ようやく岩場を過ぎると急に視界が広がる・・・のだが、周囲の山は一切ガスの中。なだらかな平原を進む。
が、行けども行けども山頂は見えず。本当は槍穂の展望が売りのルートなのに。仕方ないので、リクエスト。
「雷ちゃ〜ん!出ておいで〜!」
こんな天気は雷鳥がお出ましになるはずなのだが。

いい加減着かないかなあ、と思い始めたころ、すれ違う男性に「山頂は近いですか?」と初めて尋ねると、振り返って、「ほら、あそこに柱が見えるでしょう、そこですよ。」

辿りついた山頂も五里霧中。う〜ん。[13:14]
長居は無用、早速降り始める。暫く三俣蓮華方面に稜線を進み、中道分岐で折り返す。
歩く人もほとんどなく静かだ。お花畑の中を粛々と進む。
あ、鳥!イワヒバリ!

何とイワヒバリちゃんは私たちを先導するように暫く間隔を保って先行していたが、そのうち彼方に飛び去った。来てくれてありがとう!

すると今度は目の前を野兎が横断。わ、Peter 君?!と思う間もなく、物凄いジャンプでまさに脱兎のごとく、一瞬で樹林帯に消えていった。

分岐まで戻るとあとは最後の下りで躓かないように注意しながら小屋に戻る。[14:57]
今日の日程はこれで終わり。いや、今回の山行のメインが終わったともいえる。どうも余り天気が良くない予報なので、明日のことはまたゆっくり考えよう。

実は今日が私の誕生日。Kさんがホットカルピスをご馳走して下さり、双六登頂も叶い、最高の1日となった。
5:30の夕食もボリュームたっぷり。あとは部屋にもどってゆっくり荷物整理をしたら寝るだけ・・・。

個室なのでゆったりして良いなあ〜と思ったのもつかの間、何と他の部屋(大部屋?)から場違いな嬌声が響き渡って耳栓をしていても目が覚める。2,3室先で若い女の子たちが大騒ぎしているようだ。 このコロナ禍で食事も黙食というのに。
時計を見ると20時。一体何を考えているのか!それに、誰も注意しない。スタッフにと思ったが、我慢し、延々消灯までイライラしながら時を過ごした。

夜中に何度か目が覚めるが、強風と雨が窓を打ち付けている。これでは明日は厳しいかもなあ・・・・。

*3日目*

起きるとやはり天気が悪い。5:30の朝食を済ませ、自室に戻って様子を見る。
予定では三俣蓮華往復だったが、暑さで弱った体に鞭打ってここまで上がってきて、その上連続で長距離を歩くのも厳しい。何より 最終日は降りるにもかなり時間がかかるだろう。
合羽で濡れながら出かけても全く展望もないし、これはすっぱり諦めてまっすぐ鏡平に降り、小屋で優雅に過ごそうということに。

そんなことを話しながら出発準備を進めていると、「○○さん」と廊下から私の名前を呼ぶ声が。
扉を開けると、「これをどうぞ」と差し出されたのは絵葉書2枚に添えられた手書きのメッセージ。何と私の誕生日祝いというのだ。

そういえば、昨日受付で、実は今日が誕生日で、泊まってみたかった双六小屋に来られてとても嬉しい、と話したのを覚えていてくれたのだ。

昨夜のどんちゃん騒ぎへの怒りは消え、スタッフの心のこもったおもてなしに感激。スタッフの皆さん、本当に有難う!最高の滞在でした。

出かける際に改めてスタッフにお礼を言ってから、小屋を出発。7:00。結構風もあり、展望はない。
昨日見た花を確認しながら進む。くろゆりベンチ、雪田花見平、とお花畑を漫歩しながら弓折分岐へ。9:07到着。せめて弓折岳でも行ってみようか思ったが、全くガスが晴れず、行っても何も見えないね、とスルーすることにする。
あとはトラバース気味の道をゆっくり降りるだけ。撮りたいだけ花を撮って、鏡平まで。10:20到着。これまた速すぎるが、受付だけ済ませようとすると、幸い掃除も終わったので入室可能という。
ここで思わず昨日の団体の大騒ぎと、誕生日プレゼントの話をすると、何とまた絵葉書を頂いてしまう。(^^♪

新館の2段ベッドは居心地が良い。荷物を置き、少し早いが外のテーブルで昼食にする。Kさんは天ぷらうどん、私はみそラーメン。懐かしい富山名物の渦巻き模様の蒲鉾をKさんから巻き上げて、具沢山のラーメンを美味しく頂いた。
御口直しにコーヒーを、というとKさんがこれまた御馳走してくださる。m(_ _)m
豆から挽いて入れてくれるコーヒーは美味しかった。

まあ今日は優雅な停滞だね、ということで談話室が開くのを待って、待ったり過ごす。ここではホットカルピスが陶器のコップで。たっぷりのカルピス。嬉しいなあ。
本棚から高山植物の図鑑を取り出して、確認していくが、いろいろ記憶違いがあって、Kさんに嘘教えちゃったなあ、と反省。

流石に明日は下山日なので朝食も4:30に。夕食も4:30なので、いつの間にか時は過ぎ、一昨日は完食を目指して苦し過ぎたので、今日は少し控えめにして、美味しく頂いた。
今回は意識して水を大量に飲み、体調管理もうまく行ったようだ。蛇口からの水をそのまま飲めるのは有難い。水もお湯も無料で、おまけにコンセントは登山者のスマホに占領されているが、それも許されている。

天気予報を見るが明日も天気はイマイチの様子。ただ、午後になると回復のようだ。幸いここまで降りているので、新穂高14時を目指すのは余裕だ。
あとは明日起きてみて、出発時間を調整すればよい、ということで早めに就寝。2段ベッド組は一昨日も今日も本当にマナーが良くて静かだ。

*4日目*
鏡平山荘「2290m]〜新穂高温泉[1090m]
夜中も風雨が強かったが、起きてみてもやはり雨。4時半の朝食組は数人。しかし、もっと早く出て行った人たちもいるようだ。
私たちは降りるだけだが、これから登る人たちは気の毒だなあと思う。高山(たかやま)は9時から晴マークが出ているので、もう暫く出発を見合わせ、ベッドで二度寝とする。

できれば降りてお風呂に入りたいね、ということでスタッフによさそうな温泉を教えてもらい、素敵なクリアファイルをお土産に、そろそろ出発。合羽の上と、スパッツだけで降りることにする。6:30。
雨は止んでいるようだが、ガスが濃い。あの小池新道を下るのは、登りと同じくらい時間がかかると想定し、慌てず安全第一で歩き始める。鏡池からの展望も全くなく、初日の幸運を感謝する。

熊の踊り場,シシウドが原[7:06]と過ぎるとだんだん登山者が上がってくる。朝何時に出ているのか、速いなあ。
すれ違いが多くなってきたとき、大荷物の男性が、「熊が登山道を上がってくる。2度遭った」というではないか。

え?!!

確かに、初日のわさび平小屋周辺に小熊が出没するのでキャンプ場が閉鎖されており、途中何か所も注意喚起の標識があったし、鏡平小屋にも注意書きが大きく出されていたが、まさか!?

あろうことか、二人とも今回は鈴を持っていない。ガスが濃いし、見通しのきかない九十九折ではいつ熊と遭遇するか分からず、急に怖くなる。
できるだけ他の人と一緒に行動しよう、とするが、早く降りたい一心で、急にスピードアップ(というよりは、いつもの低山の下山ペース)てすれ違う人に情報を確認しつつ、見たという人が他にもいて震えながら降りていく。

それでも何とか秩父沢出合まで降りてくるとほっとする。[8:05]
少し休ん、で急登(急降下)も残り半分と思い、意を決して歩き出す。だんだん人も増えてきて、その分安心感も増す。ここまでの道よりは少し滑りやすい。ただ、本当によく整備されていて、こんな日にその有難みがよくわかる。

もう下界は晴れているようだ。沢音が再度大きくなって、小池新道登山口が目の前に見えた時、また大粒の雨が降り出して、慌てて傘を出す。
もうあとは林道だけなので、傘で十分。危険個所もないのでほっとして、二人でやっと安心して歩いていく。広い林道、ソバナが目を引く。

雨は止まず、上がってくる登山者はみな合羽姿。暑いしこれから登りが待っている。お天気もあまり芳しくない予報で、気の毒だ。
わさび平小屋が見えて小休止。まだ先は長いが、一度通った道。おしゃべりしながらすたすた歩いていく。これなら充分お風呂を楽しめそうだ。
そろそろ歩き疲れたなあ、というころゲートに到着。10:22。あとは道なりにロープウェイ駅を目指すだけだ。

駅至近の温泉でゆっくり汗を流し、お昼を食べ、休憩室でたっぷり時間をつぶしてから駅の中で涼みつつ、最後にまた冷たい飲み物で喉を潤す。
楽しい思い出を胸に、帰京のバスに乗った。


*余談*
2日目、双六から黒部五郎小舎に向かうのが当初の計画だったが、もし太郎平の予約が取れていれば、充分に縦走できたとは思う。最終日は折立に降りるだけで危険個所もないし時間も短い。
しかし、富山側に降りるとタクシーと新幹線となり、チョット負担が増えるのも痛い。

今回は直前の変更がうまく行き、無理なく楽しめたが、地図で見るのと実際に歩くのはやはり違う。
普段これ程歩いていないし荷物も背負っていないのだから、無理は禁物。コースタイムの管理だけはうまく行ったが、夜行バスは相変わらず寝られないし(トイレ休憩も多い。3列シートの方が楽だろう。)、不安定なお天気にも 悩まされた。こればっかりは予想がつかない。だからこそ、余裕を持った計画が大切だと改めて感じた。

また、調べてみるとあの日、かなりの人が熊と遭遇したようだ。これは今年に限ったことではなく、少なくとも2,3年前にも同様の記録がある。この山域に人慣れした熊が出没することだけは肝に銘じて行動したほうがよさそうだ。
因みに、
コロナ禍で、山小屋も大変だ。負担は大きいだろう。
1泊2食付きで一般室 13,000円。個室は15,000円。これは仕方ない。食事もとてもおいしかったし、小屋も綺麗でスタッフも良い。
いつかまた行ってみたい小屋だった。

本当に久しぶりの山旅を心ゆくまで楽しんだ。


咲いていた花(順不同):
ソバナ、ヤマオダマキ、シモツケソウ、ゴゼンタチバナ、コキンレイカ、ジャコウソウ、ミソガワソウ、グンナイフウロ、センジュガンピ、クルマユリ、オトギリソウ、オオレイジンソウ、ハクサンフウロ、ミヤマリンドウ、 チダケサシ、ヨツバヒヨドリ、オタカラコウ、コバイケイソウ、バイケイソウ、ニッコウキスゲ、キバナノコマノツメ、ハクサンチドリ、エゾシオガマ、ヒメクワガタ、イブキジャコウソウ、テガタチドリ、イワギキョウ、 オオバミゾホウズキ、ムカゴトラノオ、ウサギギク、コケモモ、アオノツガザクラ、クガイソウ、ヨツバシオガマ、モミジカラマツ、ミヤマカラマツ、カンチコウゾリナ、イワツメクサ、ネバリノギラン、ヤマハハコ、 タカネヤハズハハコ、ミヤマアキノキリンソウ、ウメバチソウ、ミヤマホツツジ、ホツツジ、コイワカガミ、オオハナウド、オオカサモチ、ミヤマシシウド、イワオオギ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、チングルマ、ズダヤクシュ、 クロクモソウ、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマキンポウゲ、オオカラマツ、タカネツメクサ、オヤマソバ、オンタデ、サラシナショウマ、イタドリ、キオン、カニコウモリ、タカネニガナ、トリアシショウマ コケモモ、オヤマリンドウ、トウヤクリンソウ、マルバダケブキ、クロユリ、クロトウヒレン、タカネシュロソウ、ミヤマトリカブト?、・・・。

花と景色の画像はブログでどうぞ。


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