御座山   2016年10月2日

コース:
栗生登山口9:10〜10:05不動の滝10:15〜11:10[山頂まで500m]〜11:14鎖場〜11:30手前のピーク〜12:00避難小屋〜12:10山頂12:50〜14:05不動の滝〜14:45登山口
この2,3年、行きたいと思っていた御座(おぐら)山。ようやく行く機会を得た。前泊し、栗生登山口へ向かう。南相木村役場から先には標識もあり、迷わずに登山口まで辿りつける。ただし、最後はダート。
といっても私でも運転できる程度で、すれ違いもあちこちで可能なので心配ない。行き止まりの駐車スペースは、5,6台用といったところだろうか。先客もいるが、まだ空いていてホッとする。
それに、大方の登山者は反対側の長者の森側から登るだろう。あちらは広い駐車場もあり、初心者にも向く危険個所の無いコースらしい。

栗生コースは多分最短コースだが、急登かつ鎖場もあるという。まあ、我々なら(笑)大丈夫だろうということで、所要時間で選んだ。

車を端に停め、まずは静かなコースを歩き始める。沢筋から広い樹林の広場、それからまた沢筋、そして樹林帯のジグザグが続く。なるほど、最初から急登で、久しぶりの本格登山の身には結構堪える。息を切らし、立ち止まりながらも何とか進む。花はあまりないが、斑入りシハイスミレを始めとするスミレ類の葉が目立つ。きっと春は綺麗だろうな。
途中から紫の控えめなナギナタコウジュ。
息も絶え絶えに「不動の滝はまだ〜?」と歩いていくと岩が見えてきて、水の音が聞こえてくる。やっとの思いでたどり着いた不動の滝。ここで一息。見れはトリカブトの紫が綺麗だ。

休んだことと、『山頂まで1350m』の標識に励まされ、また牛歩を始める。お天気は少し回復したようで、時折日差しもある。

不動の滝

どこまでも続く九十九折。キノコがあちこちに踊っている。昨夜もかなりの雨が降り、足元はかなり湿っている。さて「山頂まで500m」の標識のある大きな岩を回り込むと最初の鎖場。思ったよりは高度がある。木の根も張り出し、鎖もしっかりしているが、何といっても雨の後で滑るのは嫌なものだ。
ここまでで、かなりバテているので、「気を付けてね!」と先頭を元気いっぱいのLilyさんに譲り、皆さんが登るのを見届ける。何だか体が重く、いつもよりキツイ。登りきると鎖場はまだ続いているが、斜度は少し緩むようだ。それにようやく展望も得られ、ちょっと気をよくする。

この山は「西上州」の地図に載っていることからも分かるように、岩っぽい山なのだ。で、これだけ大岩が連続して来れば、山頂に近づいているということでもある。

順次登っていくと最初のピークに出る。
 祠のあるピーク。矢印に従って、直進する。

小さな祠もあり、ここから一旦下り、さらに下りの鎖場を経て鞍部、そこから登り返して避難小屋、そして岩場の山頂というルートになるという。既に高度は稼いでいるので、山頂まであと少し!

体調も良くなってきたので再度先頭に戻り、方角を確かめて下ろうとしたが、ちょっと待って、とすぐに立ち止まる。
祠の横にはっきりと矢印があるものの、余りの痩せ尾根の急降下。本当にここ?・・・地形図と方角で確認するが、これでよさそうだ。

尾根を少し下ると、すぐにしっかりした踏み跡と、少し巻くように降りていくルートが現れ、ほっとする。しかし、木につかまらなければ降りられない。ここでも濡れ落ち葉と滑る土が鬼門だ。

一旦小さな鞍部に降り立ち、目の前にそびえる岩場を巻くように右に進むが、これまたすぐに立ち止まる。
おかしい。今までと違って、急にしっかりとした踏み跡が途絶えている。

下の方を見回すと、苔生した倒木の中、少し下に踏み跡らしきものがある。ただ、そこへつながる道が、無い。少し考えたが、僅かに進むと、経由地の「鞍部」がはっきり確認でき、そこまでの途中に危険個所もない。そこで、 ここは強行突破とする。

さて、鞍部に着いて、振り返ると、案の定、背後にしっかりしたルートがあるではないか。「やっぱり途中でルートを外れちゃったんだね。でも、分岐はどこだったんだろう?」
・・それにあるべき「下りの鎖場も」なかったし。

これは帰路の宿題として、また明瞭なルートを登るとすぐに避難小屋、そしていよいよ山頂への岩場に出る。
とうとう来たぞ、御座山!急登の連続で、予想以上に辛かった。でもそれを補って余りある素敵な岩場(笑)。

途中でザックを下ろし、空身で目の前の山頂へ向かう。ただし、左側は断崖絶壁、右は樹林だがその下は岩場、 落ちたら大変。所々、慎重に危険個所を抜ければ、断崖に突き出した山頂に到着!

  御座山

心眼で展望を楽しみ、笑顔で記念撮影。
あとは戻って折角なので岩場でお昼にする。皆さんのザックから、次々に出てくる美味しいものを有り難く頂戴するが、今日はちょっと体調不良気味。でもコーヒーを飲んで少し元気を取り戻す。
何より、久々の大きな達成感、そして素敵な仲間。みんなで励まし合ったからこその登頂だ。皆さん、ありがとう〜!

大休止の後は、気の抜けない下山にかかる。まずは迷った個所の確認だ。気を引き締めて歩き出す。
避難小屋を過ぎてあっという間に鞍部へ。そこから、今度こそ直進して正規のルートへ。少し岩場を登り返すと、なるほど、鎖場が。これが「下りの鎖場」だったんだな。確認してから今度は登り返す。
そのあともしっかりしたルートになっていて、岩場を下り切って小鞍部に出る。ああ、ここ、ここで間違えたんだ。

往路、祠から来て樹林帯に『迷い込んだ』分岐がここだ。祠から急降下してきたため、もう一度登り返すとは予想外だった。また、視線が足元にしかなく「下る」ことしか考えていなかったので「下り続けて」右手の樹林帯へ入ってしまったのだ。
この「小鞍部」、復路で降りてから振り返ると、赤テープがあるではないか。これを見落としてしまったのが原因だ。ここは往路では岩場の登り返しになる。足下ばかり見ていたので、少し高い位置の赤テープが目に入らなかったという訳だ。大いに反省。

確認が出来たので、今度は他の人が踏み跡に入らないよう、あたりの長めの枝を置いて、「通せんぼ」してきた。でもまあ、まだ間違える人は出るだろうな・・・。

さて、確認後は更にスピードアップ。そして難所の鎖場へ。まずは私から降りて、足場を伝えながら順次ゆっくり降りていく。全員降り切ってようやくほっとする。さあ今度は不動の滝だ。
途中、「こんなに急だったんだね!」と改めて斜度を痛感しつつ、滑らないように気を付けて降りていく。道理で息が切れたわけだ。濡れ落ち葉の下の石車にもひやひやさせられる。晴天続きだったら何でもないものを、雨上がりは難易度アップだ。

どんどん降りていくとようやく水の音が聞こえ、滝まで戻ったことが分かる。一休みし、だんだんなだらかになっていって、開けた視界の先に、マイカーが見えた。

本当に登り甲斐のある山。久しぶりに筋肉をフルに使った実感がある。流石は200名山。
山頂近くにはシャクナゲの木が沢山あった。季節が合えば綺麗だろう。でもきっと、もうこのコースは登らないだろうな(笑)。


*登山のヒント*
このコースは中級者向け。初心者にはちょっと危険かもしれない。途中で随時、現在地、地形、方角の確認が必要。「何だか変だな」という(経験からの)勘が働かないと、道迷いの危険性も。
最初のピーク上の祠からの「超痩せ尾根」も、地形図からは想像がつかない。方角は合っているので進んだが、地形図に10m未満の起伏は表示されないから、その点も考慮して判断する必要がある。
他にも、途中でメンバーから「あれ、ここは正しいルート?」と問いかけがあった。合っていたものの、そう感じさせる箇所が他にもあるということだ。
さらに鎖場も、濡れていたので予想以上に難しく、全行程、気が抜けなかった。
また、急登が緩む箇所がなく、予想以上に体力の要るコースだった。ただ、鎖場も岩場もあって「面白い」ルートなので、経験者にはお薦め。


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