山田登山口〜808m山頂〜山田登山口
春の花を求めて島根県の大江高山(おおえたかやま)808mへ。スミレの種類も多く、花の山だと言うので遠征を計画するも、天気予報はずっと雨。出発前から不安になる。 当初は初日にゆっくり行くつもりが、大荒れの天気となって延期。このため、仕事のため先に帰らなければならないSさんは、昼過ぎには一人で戻らなければならない。何とか戻る前に目的の花に会いたいが・・・。
タクシーを6:30に予約し、歩きやすい山田登山口に向かう。石見銀山を過ぎる頃には外気温3℃という表示。その上、降り始めた雨が何とすぐに雪に変わったではないか。
車を降りると外は吹雪に変わっている。まさか、とアイゼンはホテルに置いてきた。気の毒そうな顔の運転手さんに見送られ、寒さに震えながら、
フードを深くかぶり直し、吹雪に向かって歩き始める。
「ここより登山道」の標識を過ぎ、暗い植林帯に入る。まだ樹林のお陰で雪は積もっていない。林床に何か花は?と目を凝らしつつ、とりあえずここで体温調節を兼ね、この先どうするか、鳩首会談。 植林を抜けるとしんしんと雪が降り続く。幸い、まだ積もるほどでなく、すぐにシュンランを発見。少しだけ気をよくしてまた登り続ける。
雪は止まないがまだまだ行けそうだ。道がだんだんつづら折りになってくる。すると、スミレ発見。どうやらお目当ての1つ、ヒゴスミレのようだ。花はピンク系でとても綺麗だが、あいにくのお天気で3分咲き。
これで随分元気が出てきた。次に歓迎してくれたのはイカリソウ。色が濃い。
6号目という標識が現れたので、最初のピークならもう一息、と励ますが、幅が狭く傾斜も急で、一時は、いつ「引き返します」と言おうか悩んだほど。
ネットの下調べで見た枯木の「オブジェ」が目に入る。ここが休憩所で、最初のピーク(779m)のようだが、雪がどんどん積もるので休憩も延期にし、今後の相談。もちろん、一面の銀世界、花の影もない・・・。 意を決して歩き始める。少し先で、そろそろ時間切れのSさんが一人で引き返す。あの雪道を下るのは更に危険なので、くれぐれも慎重に、と 声をかけ、無事を祈る。 雪は10センチほどになり、空は明るくなったものの、トレースもなく、私達だけの世界。ある意味でとても貴重だが、初めての山で雪。足元に何があるか判らず本当に気が抜けない。 稜線が長い山なので、あと1キロの標識が恨めしい。新雪だけにふわふわで、足にすぐに雪ダンゴが出来て歩きにくいことこの上ない。ああ、花はいずこ・・・。
地形図ではそれほどでもないかと思った「馬の背」は、文字通りの痩せ尾根で、しかも岩場。その上にすべてを覆う積雪・・・。
ここまで来たら、後はひたすら山頂を目指す。足元が滑るので、みんな順番に「キャ!!」
暖かいものをお腹に入れ、休んでいると雲の切れ間に青空が覗き出す。目の前のガスが晴れると不思議な光景。大江高山火山群と言うそうだが、 小さなコブ山が沢山。その先には日本海。独特の風景だ。
さあ、登頂出来たし、天気も回復傾向だからと気を取り直し、下山開始。このまま飯谷口へ降りる方がずっと早いのだが、大変な急登らしいので、
この条件では危険と判断し、引き返すことにする。
降り出して40分位で辺りの雪が融けてきたのに気付く。そう言えば、空も随分明るくなって、日差しまで出てきた。ラッキー!
最後に見たいのはミスミソウ(ユキワリソウ)。雪のせいもあるが、何故か一つも見当たらない。あの特徴的な葉すらない。なぜだろう。
779mピークでは往路の積雪が嘘のよう。狐につままれた感じだ。春の雪は本当に淡雪だね、と驚くばかり。
稜線の雪が無かったらどんなによかったろうと思うが、雪の間に顔を出す可愛い花達には随分慰められた。
植林の下山口に近づいた頃、前方に男性の姿が見えた。779mピークまで来たのか、それとも山菜獲り?
ちなみに、今回から新しいミラーレス一眼を持参。しかしまだまだ操作に不慣れ。これからもっとこのカメラを生かして綺麗な写真を撮りたいなあ!(こうご期待?!) |