コース:
1日目:琴平<金丸座、石段[大門手前まで]>、善通寺、(琴平泊)
2日目:金刀比羅宮<書院、本宮、神椿、高橋由一館、宝物館>、中津万象園、(琴平泊)
3日目:(高松市)屋島〜栗林公園〜玉藻公園
*1日目* 思い立って四国は讃岐の金刀比羅宮を母と訪れることにする。1年ぶりの飛行機は南アルプス上空を飛び、思わず小さな窓に張り付いて眺めてしまう。
昼前に高松空港に到着、リムジンバスで琴平を目指す。車窓からの長閑な景色と、瓦屋根の立派な家屋に「地方」の豊かさを思う。
賑やかな商店街を戻って入口に辿り着くと、「中野うどん学校」があり、お店もあるので入ってみる。
腹ごしらえも済んで、最初のお楽しみは旧金比羅大芝居(金丸座)の見学だ。石段を少し登って左手に入ると更に坂道を登る。
誰もいないのか静かで、早速上がりこみ、勝手に見学し始める。幕を開けたら何とすぐに花道。入ってみると本当に小ぢんまりした感じのよい小屋だ。歓声を上げながら母と歩いていると、係の人が現れて解説をしてくれる。 更には2階の客席にあがり、すっかり堪能、大満足。
また参道に戻って、少し石段を登ってみることにする。
フィットネスに通っているとはいえ、母も後期高齢者。特に下りで転んだら大変、と思い、実は本宮参拝は明日の予定。
バスは1時間に1本。一般の人は所要1時間というが、見所も多いし、慌てるといけないので、お迎えは3時間後にしてある。
両脇の商店は、閉まっている店も多い。開いているところは杖を無料で貸し出している。勿論、帰路のお買い物を当て込んでのものだ。
昔から海路の安全を祈っての信仰の深いこんぴらさんだけのことはある。
ということで、思いがけずもう半分登ってしまったので、そろそろ引き返すことにする。
すると、ずっとなだらかな道が延びている。どうやら温泉街への近道らしい。 平日のせいか比較的閑散としており、広い境内には堂宇のほかに五重塔と風格のある巨木2本が目立つ。
お参りをしてから更に門をくぐると西院で、ここで戒壇めぐりをする。真っ暗な中を手探りで歩いていくものだ。清水寺でも歩いたが、本当に真っ暗なのでなかなか得がたい経験だ。 一通り見て満足し、お守りを買ってまた帰る。途中でお茶をしようと探すが、「シャッター街」になっていて、なかなかない。
さて、お宿は大きなホテル「琴参閣」。広い部屋でびっくり。
そこには、ちょうど「こんぴら犬ゴン」からの道が紹介してあるが、他の地図を見るともっと沢山左右に「裏参道」が存在するようだ。
さて、ここは温泉地でもある。早速大浴場に向かうと、循環式のようだが、広くて湯量豊富で綺麗なのは嬉しい。
*2日目*
車3台分くらいの屋根付きのガレージのような「駅」だが、ここから大門まで、実は急な石段を少し登らなければならない。 左には時刻を知らせる時太鼓を備えた高閣もあり、さすがの風格が漂う。さあ、大門をくぐって、こんぴら参りに。
大門から続く石畳の道は、桜馬場と呼ばれ、もう桜が咲いている。(種類は不明。)
書院(500円)では、東京の巡回展で見逃した、応挙、若沖などの襖絵を堪能し、解説の映像を座って拝見。
外へ出るとジンチョウゲの香り。 しばらく頑張ると今度は立派な社が見えてくる。これは旭社。ベンチもあるので母を座らせ、一服。
この素晴らしい建築を見ていると、金比羅宮がいかに信仰を集め、興隆していたかが良く分かる。
最後の石段だけは確かに急だ。ああしんど、と関西のおばさま方がため息をついている。 全785段の石段を登りつめて、いよいよ本宮に到着。
右手には広い展望が得られ、霞んではいるが、遠景には見事な△の讃岐富士、飯野山がみえる。 「幸福の黄色いお守り」が山ほど並べられ、みんな買っていく。この本宮まで登ってこないと買えない、というのが売りのようだ。
絵馬殿には、絵馬は勿論、様々な額や、堀江謙一さんのソーラー船も奉納してあるのは、海の神様ならでは。 さあ、お参りも済んで、また帰路の急な石段を慎重に降り、お楽しみの「神椿」パーラーに。石段から降りていくとガラス張りのおしゃれな喫茶室がある。ここで和風パフェの「神椿パフェ」(800円)を賞味。母もにっこり。
一服してから更に降りていく。綺麗な白い馬がつながれている。
更に降りると今度は高橋由一館。日本近代洋画の祖、高橋由一の油絵が27点あるという。折りよく「安野光雅展 〜 風景と出会い」も開設されており、立ち寄ることにする。 余裕を持って大門に到着。見下ろせば讃岐平野が広がり、石段も険しそうにみえる。
ここからまた右手に階段を降りてバスを待つと同じ運転手が迎えに来た。いったん宿に戻り、杖を返して今度は丸亀に向かう。今日はJRの時刻を調べてある。讃岐塩原駅で降り、中津万象園に向かう。
ここには小さいながら「ひいな館」(古いお雛様などの展示)、「陶器館」(イラン・イラクなどの陶器類)、そしてバルビゾン派の名画数点の絵画館があって、コローやクールベを楽しめる、コンパクトな名所である。 園を出て、大きな橋を渡る時に海が見える。何だか嬉しかった。
宿に戻って一服。夕食は全く違うメニューで、何と鯛尽くし。鯛めしの釜飯や、鯛しゃぶなど、お料理には大満足。
*3日目*
予定より早く宿を出たら、電車にギリギリで間に合いそうだと走り出す。駅で切符を買うのに手間取っていると、にっこり笑って車掌さんが待ってくれた。
電車に乗っていると妹からメール。何とANAがストという。え?!・・・慌てて携帯で情報を収集すると、どうやら高松線は無関係のようだ。
屋島の上にはまず屋島寺。不思議な大きな狸の像一対が妙味目立つ。1時間後にまたバスに乗るので時間が読めない。宝物館をパスして(ここは見るべきだったと後で知った。残念!)、壇ノ浦を見下ろす談古嶺へ。今は埋め立てが進んでいるが、この海峡が壇ノ浦だそうだ。
またバスで屋島駅に戻り、今度は栗林(りつりん)公園へ。これは高松一の見所だが、何と大きな庭園だろう!京都御苑や新宿御苑がまるまる回遊式庭園になったような感じで、とにかく広い。 そのうちに茶店があったので、そこでお団子をお昼代わりに座って食べ、花と日差しを楽しむ。
この庭園は映画「春の雪」(妻夫木聡ら)の撮影にも使われたそうだ。確かに雰囲気もあり、撮影にはぴったりだ。 大庭園の壮大な眺めを楽しんでから駅に向かう。まだ少し時間があるので、ついでに玉藻公園に向かう。が、ちょっと拍子抜けの公園で、櫓が2つほどあり、あとはレトロな日本家屋が少し。(ここでも「春の雪」を撮影したそうだ。)
天守閣があるわけでもなし、またお堀の大改修中でちょっと残念だったが、これで主な見所は制覇し、駅に向かう。今日も良く歩いた。 まずリムジンバスの時刻を調べてから、駅前で一服。お土産を買い足して、あとは高松空港へ。 |