水ノ塔山・篭ノ戸山   2016年8月28日

コース:
8:45高峰温泉〜11:05水ノ塔山11:15〜12:10東篭ノ戸山13:00〜13:35池の平湿原入口13:50〜湿原〜湿原入口14:25〜15:10高峰温泉

夏の終わりに、楽で涼しく花が多い山を、と選んだのがこの山。本当はお隣の湯の丸山が「第一希望」だったが、バスの便が1週間前に終わっており、足がない。

我々は、前日に新宿から小諸行きのバスに乗り(7:45)、予定より40分遅れて小諸駅に11:25頃到着。この日は小諸観光を済ませ、翌朝、小諸駅前8:52発のJRバス高峰温泉行きに乗車したのだ。 (9:35着、小諸から片道1100円。)
途中、浅間方面の登山口や車坂峠を経て、スキー場のゲレンデのお花畑に歓声を上げつつ到着。高峰温泉の立派な建物と駐車している車の多さに驚く。
支度をして、いざ出発。曇天だが、さすがに涼しく、真夏とは思えない別天地。早速花も出迎えてくれて、浮き浮きしてくる。今日は水ノ塔山までの登りが全てで、あとは楽々のはず。そこまでのタイムは資料によって、50分から100分まで何と二倍の開きがある。
私(たち)はこの夏本当に歩いていないので、ザックが重くてたまらないこの情けなさ。でもまあ花を撮りながら100分かけて登ればいいんだからと、そこは気楽なもの。

まずうれしかったのは、マツムシソウ。最近は鹿のせいで、とんとお目にかかれない。歩くにつれて、どんどん数を増し、オヤマリンドウやアキノキリンソウなども。秋の初めで花を心配したが、杞憂だったようだ。
しかし、足が萎えてしまっているので、力が入らない。だんだん景色が変わり、ガレ場になる。ここで目立つのが黄色い小さな花の群落。イワインチンだ。
このあたりは、途中の茂った笹原よりも当然ながら花は多く、特にマツムシソウが目立つ。他にはトモエシオガマ、タカネツリガネソウ(終わりかけ)、タチコゴメグサも。見ごたえがある。


左から順に、マツムシソウ、 オヤマリンドウ、 イワインチン

一服して冷えたグレープフルーツを御馳走になり、見上げると今度は岩場が。結構な大岩が累々と・・・。あれ?「楽々コース」じゃなかったっけ。

ここでスマホ登場。どこまで歩いたかな、と現在地を確認すると、水ノ塔まではあと1/3。これは有り難いツールだ。気合を入れなおし、大岩をよじ登る。足に力が入らないし、息も切れてまるでダメだ。これを自業自得と言うのだが、
岩場

無理せずゆっくり、確実に。見上げると登っているハイカーが見えるが、子供の姿も。途中で追いついてみると、小さな女の子連れの若いご夫婦。幼稚園生と小学生の女の子が頑張っているのだから、負けられない。

しばしの急坂を上りきるとあっけなく山頂に到着。狭いとは聞いていたが、確かに。ここで小休止。今日はガスが濃く、お隣に見えるはずの浅間山、うっすら見えるかどうかという状態。今日はあまり展望は望めそうにない。

この先はいったん下ってから稜線に戻る。尾根通しが危険のため、迂回しているようだ。
最初は北八ツの雰囲気の樹林帯、すぐにザレてきて、その分見晴らしがよくなる。時折現れるお花畑。楽しいコースだ。いくつか小さな「起伏」を越え、最後の坂を上ると広い東篭ノ戸山。流石にハイカーが多い。一等三角点があった。
ここもお花畑。で、ここで日陰を選んでお昼にする。もう下るだけだし、コースタイムも30分とあって、ほっとする。ゆっくり休憩、コーヒータイムを楽しんでいると、先ほどの親子も登ってきた。

東篭ノ戸山頂

相変わらず展望はないが、山頂で記念撮影し、下山。ここからは山道と言うより公園の中の道のよう。ルンルン気分でどんどん降りていく。途中で、よくテレビでお見掛けするガイドさんのご一行とすれ違った。山ガールを引き連れて、そこだけ妙に華やいだ雰囲気が・・・。

さて、私たちは湿原目指して降りていくが、途中で気になる咲き終わりの花がある。これは・・・と思っていると、何とか咲き残りの一輪を発見。それは、エゾスズラン。本当に久しぶりだ。 株が多いので、盛りにはたくさん楽しめるだろう。

道はどんどん広くなだらかになり、あっという間に広い駐車場に出た。人も多く、雰囲気が一転。有料トイレや指導員もいる。この湿原は、車で来ることができる。ここだけでもコース次第では3時間位遊べる場所。標識を読んだり、花の写真が載った東御(とうみ)市のリーフレットを貰い、いざ湿原へ。
今度は、ワレモコウ、ナデシコ、アキノタムラソウ、ヤナギラン!これも本当に久しぶりだ。

池ノ平湿原

どんどん降りていく。団体さんもいる。湿原まで降りると木道になっている。

時間がないので、周辺を少し散策し、花を撮って、また戻る。高峰温泉までは徒歩45分程度という。帰りのバスの時間に間に合うように戻らなければならない。(JRバス新宿行きが、16:17に出る。)
念のため係員に方角を確かめると、「歩くんですか?!」・・・はい、車ありませんから。それに、日影沢(高尾山、私たちのホームグラウンド)で、林道歩きは慣れていますから(笑)。

未舗装ながら、車が楽にすれ違える林道を二人で歩いていく。クマよけをリンリン鳴らしながら、両側の花をめでつつ歩く。あわよくば、御親切な人が拾ってくれないかな〜〜と思ったが、車がほとんど通らない。駐車場にあれだけいたのに。
そのうちに、とうとう雨まで降ってきた。諦めて合羽の上と、傘で歩き続ける。どうやら皆さんは湯の丸の方に抜けるようだ。通ったのは車とタクシー各1台のみ。

40分ほど歩くと、建物が見えてきた。「もう40分は歩いたから、着くよね。」の言葉通り、ほぼ時間通りに温泉に着いた。お疲れさま!
相談の結果、せっかくなので温泉で汗を流してから帰ることに。日帰り入浴は500円。入口に濡れたザックと傘を置き、風呂場に向かう。狭いけれど、濁り湯のかけ流し。ああ、極楽、極楽。

ロビーに戻ると、何とホテルのスタッフが暖炉の前にザックと傘を並べ、乾かしてくれているではないか。傘などは、雑巾で水気を拭きとった上で乾かして、最後はたたんでくれた。これこそ「おもてなし」だろう。
バスの時間までゆっくりおくつろぎください、との言葉にもほっこりする。
いいなあ、この宿!今度は絶対に泊りに来ますからね。(小諸の安宿の4倍位かかるけど(笑)。)

という訳で、楽しい夏の山旅は無事終了。何とか歩けてうれしかった。昨日の小諸でも懐かしい人との再会もあり、また今日は久しぶりの花々との再会もあって、充実の旅になった。

なお、画像はブログにも少しあります。宜しければどうぞ。


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