鳳凰三山 2003年8月初め (個人山行)

夜叉神峠〜南御室小屋〜薬師岳〜観音岳〜地蔵岳〜鳳凰小屋〜青木鉱泉


 近いのになかなか行けなかった鳳凰三山にようやく登れることになった。
いつも会でお世話になっている I リーダーから、この山ではタカネビランジを是非見るようにとの アドバイスを頂いて、花に会うために計画した山行だ。
 同行者を募って、希望を聞いた結果、山中2泊のノンビリ・豪華山行、かつドンドコ沢の滝を見てから青木鉱泉に入る、と決まった。

直前に1人仕事の都合で不参加となったが、男性はYさんをお願いして、若さ溢れるLilyさんと3人での山行となった。

計画立案は私だが、仕事が一段落してその日に出かけるとあって、何かとアクシデントもあったが、何とか無事高速バスに乗ることができた。
初めての山で、一応添乗員兼リーダーということでかなり緊張したものの、いざとなればベテランのYさんもいるし、和気藹々と楽しく登れればいいと思った。
実際、天候にも恵まれ、メンバーにも恵まれ、そして花にも恵まれた心に残る山行になった。

★データ★
新宿〜甲府:往復高速バス(平日割引) 2,900円 (*平日に限る。2枚綴り)
甲府〜夜叉神峠:小型タクシー(一部深夜割増) 9,040円
南御室小屋:1泊2食付  7,800円
鳳凰小屋:1泊2食付    7,500円
青木鉱泉入浴:1000円
青木鉱泉〜韮崎:路線バス  1700円(荷物代200円含む)

★注意事項★
・南アルプス林道の崩壊のため、林道は夜叉神峠までしか開通していません。
  また、これに伴い、路線バスも運行されていません。タクシーか自家用車のみとなります。ご注意ください。
・青木鉱泉へのルートは河川の大規模な改修工事のため、下部ではかなり道が変わっています。
  とはいえ、標識があるので迷う心配はありません。
・路線バスは御座石温泉前にも停まります。青木鉱泉では、バスが運行しているので宿による送迎はありません。路線バスかタクシーを呼ぶことになります。

・ドンドコ沢コースについて
  特別なルートではありません。誰でも降りられます。休憩を含めて4時間みると安心でしょう。
  ただし、標高差1280mを降りますし、地形図の通り急勾配の箇所が連続しますので、楽なコースではありませんが、危険箇所や迷う箇所は ありません。私たちは慎重に降りましたが、純粋なコースタイムでは3時間15分でした。ただし、滝を見物したり、休憩を多めに取ると4時間かかります。

★山行記録★
甲府駅コンコースにてステーション・ビバーク。学生の団体と個人の登山者がちらほら。
寝ているとタクシーの客引きが来る。が、寝ている私に向かって「お母さん、どこまで行くの?」・・・シツレイな!(笑)
しかし、隣のオジサンは林道崩壊を知らず、広河原から北岳に登るつもりだったので、客引きさんに何度も「え?本当なの!?」と聞き返していた。

4:30にとりあえず準備をして、マットとシュラフをロッカーに入れ、トイレ(駅の中の綺麗なトイレを使わせてくれます。)に寄って、さあ、出陣。
眠れなかったものの、体を横にすれば多少は・・・というのは毎度のこと。山オンナは鍛えられているからこの位は大丈夫(のつもり。)
駅前には昨夜の客引きはいなかったので、諦めて3人で、せめて「小型」タクシーに乗る。4:40出発。20分間は深夜割増料金。

夜叉神峠につくと自家用車が結構一杯。料金は9040円。1人3013円か。何と新宿〜甲府までの往復バスと同額じゃないの。ちょっと痛いかな。でも、ま、仕方ない。
(夜叉神峠にもトイレはあります。)

5:45、いざ登り始める。夜叉神峠経由高谷山〜桃の木温泉を歩いたことがあるので、峠までは知った道。そう思うだけでかなり気分は楽だ。
とはいえ、寝起き(睡眠不足)+急登+荷物(が重い!)で最初からちょっと辛い。
休み休み登って、ようやく夜叉神峠に着いたので7:00だった。

ここでようやく朝食。白根三山の展望台としてもよく知られる夜叉神峠だけあって、早速三山がお出迎え。

沢山の登山者が集っている。ヤナギランは咲き始め。ノンビリ朝食を取って、写真もとって、少し荷を軽くしてから出発。7:40になっていた。
今日は南御室小屋までという楽々コース、しかも大変なのは杖立峠までのようだ。それまでの2時間を頑張れば、そう思って歩き出す。
最初のうちはクガイソウやホタルブクロに時々白いセンジュガンピが迎えてくれる。樹林帯の中なのでちょっと蒸し暑い。
他の登山者たちと前後しながら、ゆっくり登っていく。10分の休憩を挟んで、杖立峠には案外早く着いた。9:00、休憩を入れても80分で来た計算だ。
峠には鉄パイプで組んだやぐら状のケルンが立っている。

ここからはもう楽なはず、と思うと調子が出てくる。50分後に早めの休憩をとって、それから歩いたらなんと5分で山火事跡に出る。そこは、一気に展望が開け、しかもお花畑になっている。
ということで、10分の写真タイム。


山火事跡のお花畑

花は、蕾は赤いシナノオトギリ、白いヤマオダマキ、キソチドリ、ハクサンオミナエシなど。

あとはセリバシオガマが沢山咲いている。このあたりは道も広くて、何だか高尾から景信山あたりを漫歩しているような錯覚に陥る。
気分もよく歩いて行くとここから45分で苺平に。段々ペースも上がったようだ。
途中あちこちにキソチドリやコフタバランが咲いているが、緑色の保護色なので誰も気付かないようだ。あんまり沢山あるので拍子抜けするくらい。
とにかくも苺平にて気の済むまで昼食。(11:00〜:35)
流石に標高も上がってきたし、休んでいると冷えてくる。Lilyさんがガスを持ってきてくれたので暖かいお茶を飲む。実は、出かけに慌てていたので、 私は小さいテルモスを家に忘れてきてしまった。折角コーヒーやスープを持ってきたのに飲めないなあ〜と思っていたら、 Lilyさんのお陰でいつも素敵なコーヒータイム!(有難う。)

あとはちょっと下ればもう本日のお宿、南御室小屋。この頃からガスが出てきて、あたりは幻想的な風景になる。
ガスの向こうに屋根が見えて、到着。丁度12時。
小屋前の広場で沢山の登山者が思い思いにお昼を食べている。
こんなに早く着くなんて、普段じゃ考えなれないね!とお互いに笑う。でも、そんな優雅な山のぼりもいいかな。

小屋は外に豊富な水場があり、トイレも大変綺麗で沢山数もあり、更にバンダナやTシャツのセンスもよくて、素敵な小屋だ。
豊富な水は冷たくて美味しい。この先の薬師小屋は天水なので、薬師泊りの人はここで汲んでいくように、との表示が出ている。
午後になって霧が出てくる。時々日が差してさっと晴れたりまたガスったり。明日はどんな天気かなあ。
有り余る時間は、買った絵葉書を広げて、暑中見舞いを何枚か書く。そして、明日の展望と花に思いを馳せる。
いいなあ〜。やっと夏休みだ〜。

夜はおでん。

2日目。
6:30出発。小屋の裏手の山を登る。小屋の裏はお花が一杯。テガタチドリのピンクがかわいい。
山はいきなりの急登でちょっと辛いが、朝は気持ちがいい。30分ほど歩くとちょっとした展望台に出る。
ガマ岩と書いてある。巨岩の間から今日初めて白根三山がはっきりとその姿を現す。
雲もなく、すっきりと三山が見渡せる。

写真を撮ってまた出発。今日は各駅停車、時間制限なし。
行く手に樹林の間からめざす砂払岳がみえる。巨岩の積み重なる砂払岳に出たとたん、真っ白な花崗岩の砂地にあ!ピンクの花が!
タカネビランジに間違いない。これが・・・。
花の大きさと株の見事さに息を呑む。まるでブーケのように大きな半円状に大きな花を一面につけている。

思わずパチリ。足をとられ、強い日差しを遮るものがない急坂でも、この花が咲いていれば思わず駆け寄ってしまうほど。
しかも、ここへ来て一気に大展望が広がる。白根三山も雲1つなくその全容を表している。

ウキウキ気分で砂地を登ると、あっちにもタカネビランジ、こっちにもタカネビランジ、それがまた色も形も様々で、本当に美しい。

シロバナ タカネビランジ
淡いピンクのタカネビランジ
濃いピンクのタカネビランジ

薬師岳小屋を通り過ぎる。小屋前のわずかな樹林帯にはツマトリソウやチングルマ、ゴゼンタチバナなどの見慣れた花が咲いている。
そして薬師岳。この展望は本当にすばらしい。ちょうど蝶ガ岳に登って目の前に穂高連峰を目にするようだ。


白根三山を臨む

砂地には沢山のミヤマコゴメグサが白い花をつけ、ヨツバシオガマも見られる。
イワオオギと思って見た黄色い花は実はタイツリオオギ。実がなると、鯛のような形になるからの命名らしい。確かに、イワオオギにしてはほんの少し不恰好?な気もする。

ここで心ゆくまでコーヒータイム。(8:25〜:55)

ここまで来ると、稜線になるので目の前にこれから登る観音岳も見え、ルートがはっきりする。
観音岳を目指して歩いていると、Lilyさんが「あ、Mさん?」、「え、本当?」と私。

実はこの山行にお誘いしたが、ご主人やお友だちと大遠征があるので今回は無理ということだったが、立山の五色が原を歩いてから移動して、黒戸尾根から甲斐駒を登り、更に地蔵岳経由、レンゲショウマを求めて御座石に降りるルート、と聞いていた。
確か、最終日は鳳凰小屋ですれ違うかも・・・と計算していたのだが。
会った地点は鳳凰三山の稜線。「あれ〜どうして?」

「うん、実はね、早川尾根を歩いてきたんだけどあんまりお天気もいいし、タカネビランジも見たいから、友達には一人で御座石に降りてもらって、私だけこっちに来ちゃったの〜。」
流石、Mさん。
携帯の電池が切れちゃったから、ちょっと借りてもい〜い?ということで、Lilyさんの携帯からご主人へ電話。
「今日は南御室に泊まりますから1日伸びました。え?明日?まっすぐ帰ります!」

それにしても、予想はしていたとはいえ、山の上で仲間に会えてとても嬉しかった。
さて、暑い中、30分で鳳凰三山の最高峰、観音岳2,840mへ。ここでもゆっくり展望を楽しむ。(9:25〜:55)

ここまで来ると白根三山は一層目の前に迫り、また地蔵岳も見え、その先には甲斐駒ガ岳が聳え立っている。

なかなかの絶景。雲もなく素晴らしい青空。空が青すぎて、なんとなく秋のようにさえ感じられる。


地蔵岳とその左奥に甲斐駒ガ岳

意外とアップダウンはあるが、とにかくアカヌケ沢ノ頭まで行ってお昼にしよう、と歩き出す。
日差しがまぶしいのでサングラスをかけている。
ここから見ると、地蔵からの下山路は急勾配の砂地に見事にジグザグにルートが切られている。あんな急なところ、降りられるのだろうか、と急に心配になる。

アカヌケ沢ノ頭まで来ると目の前にオベリスクが見える・・・はずが、一気に下からガスが上がってきて、展望を奪ってしまう。
とにかくも腰を降ろして、ランチタイム。流石に暑い。(11:15〜12:00)

賽の河原に降りるとガスは一層深まる。ただし、その分涼しいのは助かる。
花ではあとはホウオウシャジンを是非見たいと思ったが、どこにも見当たらない。まだ早いのかも。LilyさんとYさんはオベリスク目指して出かけるというので、もしも シャジンがあったら声をかけて、と頼んで私はここで待つことにする。
オベリスクに向かった人たちの話し声が、意外にも大きく聞こえてくる。何だか盗聴をしている気分になるほど。地形的な理由からだろうか。

見上げるオベリスクはガスに隠れては現れ、また深く隠される。


オベリスクは霧の彼方

Lilyさんたちが降りてくる姿と声がした、と思ったが待てど暮らせど現れない。
あれ?・・・見た目より距離があるのかと思って、草付のところまで行ってみる。いや、やっぱり目の前のはず。・・・そこには普通のシャジンが堅い小さな蕾を一杯つけていた。が、ホウオウシャジンではない。
ザックをデポしているので気になるが、これはきっと間違えて下りてしまったのだと思い、自分のザックだけをかついて下山路に降りてみる。

すると間もなく下から上がってくる2人を発見。砂地なので、降りるのは簡単だが、登り返すのとなると大変!
ザックを取りに戻っている間に、砂地のお花畑で一枚。ここにもタカネビランジが。

心配した傾斜地だが、確かにかなりの急勾配ながら、かかとを食い込ませるとキチンととまるので、楽にさっさと滑りながらおりられる。多分富士山の砂走りが、こういう 感じなんだろう。
これまた40分ほどで鳳凰小屋に到着。(13:35)

小さな小屋ながらやはり水が豊富で、しかも目の前に沢があるので、大きな岩の陰にかくれて汗を拭き、着替えることが出来、有難い。
トイレは従来のタイプだが、オーナーの細田さんは花も詳しく写真もプロということで、貴重な花の話を伺い、某稀少種の咲き終わった姿も確認させてもらう。

小屋前には少しずつ沢山の植物が大切に育てられており、そこにホウオウシャジンの株もある。予想以上に小さく、葉はとても細い。岩にくっついて咲くようだ。
ほかにはキタザワブシ(トリカブト)やウサギギク、クルマユリなども咲いている。

小屋は2階が宿泊者用で、マットレスを敷き、シュラフと毛布2枚で寝る。スペースは広々。昨日は大き目の布団1枚に二人だったから、これは楽だ。

夕食の準備ができるまで外でノンビリ。静かな時が流れる。
夕食はベジタブルカレー。辛いが、おいしい。食堂に移動するには靴をはかなければならないのはちょっと不便だが、そんなことを言ったら叱られそうだ。(笑)
今日こそは、とLilyさんと2人で夜空を眺める。8時になれば真っ暗だ。
ぼ〜っと薄雲がかかっているのかと思ったら、それは天の川だった。瞬く星。一瞬流れ星が・・・。
うっとりする夜空を見上げ、満足して寝床へ入る。他の人はみんな熟睡中。

夜は冷えると思い、毛布をかけるが、何となく寝付けない。・・・寝袋に足を突っ込んでいると寝返りもうちにくいし、何だかきつい。
そのせいで、実はちょっとした事件が・・・。(でも名誉のためにここでは伏せることにしよう。)

翌朝も晴天。さあ、"キツイ"・"荒れている"と評判のドンドコ沢だ!
標高差もあるし、地形図での確かに非常に斜度のある箇所が続くルートだ。荷物も重いし、足も少し心配だ。でも、ゆっくり歩けばきっと大丈夫だろう。
朝食を済ませて出発。(6:10)

まずは河原に沿って歩くが、あっちこっちにペンキ印があって非常に紛らわしい。誤ったルートというわけではないが、誘われて河原に出てしまうと歩きにくい。
すぐに樹林帯に入る。サラシナショウマらしき穂が沢山出ているが、まだ花には早い。残念!
そのうちに最初の滝、五色の滝に到着。(6:45〜7:00)
一番見事な滝だそうで、確かに落差もあり、途中に虹もかかって見事だ。


五色の滝

これは滝のすぐ下まで行けるが、写真だけ写して途中で戻る。
10分休んで、降り始める。このあたりからだんだん急傾斜になるはずなので、慎重に降りる。
確かに段差があり、木の根を避けながら慎重に歩く必要はある。
このあたりはしっかりした標識が要所にあるので迷うことはないが、しばらく降りてから「←五色の滝」「青木鉱泉→」という看板を見て、ぼ〜っとしていた私は思わず次の滝の名前だと勘違いして「五色の滝」方面に降り出してしまい、みんなに引き止められた。
次は白糸の滝をめざす。20分ほどで到着。ここでも10分休憩。

心配していたような悪路は出てこない。迷うような箇所も一つもない。何となく拍子抜け。
しかし、段差が大きいので足をいためないように慎重に、慎重に。


ドンドコ沢はこんな道

すると、何だか図鑑で見覚えのある小さな花が目に入る。かわいいぎざぎざの縁取りのある丸い葉と、赤黒い小さな小さな花が穂の先についている。
えっと、これは・・・。そうだ、クロクモソウ?
急降下に備えて、ウエストポーチ類をザックにしまってカメラも雨蓋に入れてしまったうえ、生憎立ち止まって写す余裕のない状況だったので この目にしっかりと姿を焼き付ける。(後で調べると確かにクロクモソウだった。)
大した花ではないのかもしれないが、図鑑で見た花の実物に出会うと嬉しい。

南精進の滝は分岐になっていて、しばらく歩かないと滝が見えないというので、これはパス。
いつも沢音を聞きながら降りていく。標高が下がって段々暑くなる。
そのうちに沢を渡る。振り返るとそこはお花畑。クルマユリやシモツケ、ホタルブクロにアキノキリンソウなど。レンゲショウマも蕾ばかりだが、咲いたら綺麗だろう。
水が冷たいので手ぬぐいを冷やして首に巻く。急降下が一段落する地点なので、沢を渡ったところで少し休む。(9:00〜:15)

バイケイソウが咲いている。夜叉神峠から苺平の間でも見たがそれは緑色の花だった。(後で調べると、バイケイソウは白から緑までを指し、緑色のものをミヤマ〜として区別する場合もあるとか。)
ここまで来ると傾斜も緩み、気も緩む。

地図では沢沿いに並行して歩くようになっているが、実際には小さな渡渉が数回ある。といってもたいした事はないが。
私が一番心配していたのは、ルートの下部で、堰堤のあたりで旧道(沢コース?)と山道(新しいルート?)に分かれていることだ。迷わないかとそれが心配だった。

どんどん標高を下げなければいけないのに、実際には、なぜか山を登らされているなあ、と思いながら歩き続けると、ルートは一気にジグザグに急降下、あれれ、という間にT字路に出る。
そこには看板が出ていて、「青木鉱泉までは川沿い(右)に行くと40〜50分、山道(左)を行くと50〜60分、女性などには川沿いをお勧めします。工事をしているので何かあったら声をかけて下さい」とある。
で、迷うことなく川沿いを選ぶ。(分岐・9:50)

降りていくと重機を使って大規模に河川の改修工事をしている。ロープも張られ、標識もあるので迷わない。工事でルートは大きく変貌しているようだ。
なぜか濃い紫のナデシコ(カワラナデシコ?)があちこちに咲いている。まぶしいくらいの鮮やかさ。
一時樹林帯へ戻るものの、結局最後は夏の日差しを遮るもののない河原を延々歩かされる。その意味では山道が正解かも・・・。

この道はきっと河川工事の進展とともにまだまだ変わっていくのだろう。
焼けるような河原を歩きつづけてようやく青木鉱泉に出る。10:20

バスは12:15だが、ゆっくりお風呂に入って、それに乗って帰ることになる。(1日4本の運行)
鉱泉は1000円。洗い場も6つくらいあり、そこそこの広さ。お湯は無色?
とにかく日焼け止めを落としたかった。お湯が水道水であるのを確かめて、そこにある石鹸で洗う。(一度某温泉で蛇口から出る温泉にかぶれたことがある。)
過酷な条件で肌が悲鳴をあげている。日焼けを取るか肌荒れを取るかの"究極"の選択も辛い。が、仕方ない。

さっぱりして荷物の整理をしているとようやく12時になり、少し下のバス停まで降りていく。
下界は真夏だ。日差しが痛い。待っているとこんな山奥に不釣合いなサロンバスがデコボコ道に車体を大きく揺らしながらあえぐように登ってくる。
荷物の積み込みでちょっと波乱もあったが、運転手さんは慣れていて、大変な山道を危なげなくすすんでいく。御座石で乗る人はなく、無線で確認したうえで寄らずに韮崎へ。
韮崎から甲府まではJRに乗り、あとは甲府でYさんご推奨の店でほうとうを食べ、15時のバスに間に合うようにあわてて店を出た。

楽しい夏山の思い出ができた。
Yさん、Lilyさん、ありがとう。またご一緒しましょうね。

コースタイム:
注意☆私たちは普通2日のコースを敢えて3日に分けて堪能しましたので、休憩時間が非常に長いです。
ただし、大体休憩を除くと地図に載っている程度のコースタイムでした。
(普段は昭文社の地図のタイム程度で歩いています。下りは案外速度は速いかもしれません。)

1日目:
夜叉神登山口←1:00→夜叉神峠[朝食40分]←1:10→杖立峠←1:40→苺平[昼食35分]←0:25→南御室小屋
  所要4:25(休憩を除く)(5時45分発、12時着)

2日目:
南御室小屋←1:45→薬師岳[30分休憩]←0:30→観音岳[30分休憩]←1:15アカヌケ沢ノ頭[昼食45分]←8分→賽の河原←0:35→鳳凰小屋
  所要4:13(休憩を除く)(6時30分発、13時35分着)

3日目:
鳳凰小屋←0:35→五色の滝[15分休憩]←0:20→白糸の滝[10分休憩]←0:35→鳳凰の滝←0:40→渡渉点[15分休憩]←0:35→分岐(山道or川沿い)←0:30→青木鉱泉
  所要3:15(休憩を除く)(6時10分発、10時20分着)


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