編笠岳・西岳   2011年9月の連休

観音平9:30〜10:08展望台10:20〜10:55雲海展望台11:05〜11:35ランチ12:05〜12:19押手川分岐〜14:05編笠岳14:50〜15:35青年小屋
小屋6:40〜7:50西岳8:40〜11:50ゴルフ場


秋の連休、南八ツで登りそびれた編笠岳にそろそろ、と意見が一致、あずさ1号で出発。
小渕沢からタクシーで観音平へ。駐車場の遥か手前から延々続く車の列。これだけの人が入っているとは・・・。

今日は絶好のハイク日和。台風一過で入れ替わった空気は冷たいが、絶景が期待される。はやる気持ちを抑えつつ、靴ひもを結び直しているとメール着信。
『山頂より愛を込めて』・・・R君だ。今、権現山頂だという。早いな〜。目指す山の隣の山頂とはいえ、今日もニアミス。(もっとも前回は某『アルプス』(スタンド)で一緒だったのだが。)

さて、山道も賑やかだろうなと覚悟を決めて歩き出すが、あれれ、誰もいない。どうやら日帰りゆえに最短コースを進んでいるようだ。
我々はノンビリ山行なので、まずは展望台に寄って、南アルプスの絶景を見ながら最初の一服。

それから方向転換して雲海展望台へ。頭を雲の上に出し、わずかに冠雪した富士山が見える。
夏は遠望が利かず、雨も多くてなかなかこれだけ見えることはないので、今日は本当に嬉しい。

次の分岐の押手川をめざすが、手前にちょうどよい場所があり、身軽に登るためにもお昼にする。雲海から先はしばらく1本道なので、食べているとどんどん人が上がってくる。殆ど全ての人は軽装で、山ガールの一団も。
いつもならもう少しノンビリするが、座っていたら冷えてきたので早めに切り上げ、一気に山頂を目指す。
大岩がゴロゴロしてくると急登の連続。しかし振り返ると南アルプスの山々もどんどん大きくなってくるので辛くは無い。

これでもか、と段差が大きくなってくると流石に息切れ。「どっこいしょ!」と掛け声もろとも一気に体を引き上げ、目の前の大岩と格闘する。 だんだんIさんの息もあがってきたので休憩を挟み、振り返っては大展望を楽しむ。これもまた贅沢な時間。

山頂は近づいたかと思うがなかなか辿りつけない。が、降りてくる人の方が多くなってくると、ようやくぽっかりと青空が広がり、山頂に飛び出した。既にかなりの人がいる。 「おぉ〜!!」

権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳など

八ヶ岳の大展望がまず飛び込んでくる。この時間にまだ雲もかからずはっきり見えるとは驚きだ。みなさんもザックを放りだしてカメラ片手にアングルを決め、一体何枚撮っただろう。そして、阿弥陀を除けば、南八ツのピークは一応これで全部踏んだことになる。我ながら、凄いものだ、と一人悦に入る。
次に振り返れば南アは勿論、中央アルプスも、そして御嶽、北アルプスも。雲の合間に見える尖った先は槍だろう。おお、大キレットも見える。
風が冷たくなってきたが、お構いなしにカメラ片手にあっちへ走り、こっちへ戻り、と忙しい。

ようやく展望に満足すると、折角なのでここでコーヒータイム。お菓子片手に皆さんの笑顔も眩しい。
あとは、青年小屋に向かって降りるばかり。


ゴゼンタチバナの実[左]   真ん中の青い屋根が青年小屋[中]  大岩ゴロゴロの編笠岳[右]

しかし、下りもわずかの距離とはいえ、樹林帯の中は北側だからか湿っていて滑り台。岩場になるとこれでもかという大岩が続き、バランス感覚を試される。小屋は見えているのになかなか近づかず。
慎重に降り切って、ようやく『遠い飲み屋』に到着。お疲れさまでした!

有難いことに部屋は貸し切り。のんびり片づけをして、布団を敷いて夕食までしばしのお昼寝タイム。5:30からの夕食は豪華でとてもおいしい。器も瀬戸物で、具沢山のトン汁や大きく切ったメロンにびっくり。
満腹後は部屋に戻って次の山行の詳細な打ち合わせ。それから小屋主竹内さんのエベレスト登頂のビデオを鑑賞。ご本人が国際ガイドなので余裕の表情。ホームビデオで登頂を記録 できるとは・・・。
ちょっとタバコの煙が玉に瑕ながら、楽しい食後のひと時を楽しみ、曇り始めた夜空の星に後ろ髪を引かれつつも9時過ぎに就寝。マナーの悪い子供たちが騒いで顰蹙ものだったが、耳栓が功を奏して一応安眠できた。

冷え込んだ朝は5:30の朝食まで布団の中。フリースを着こんで食堂へ。よく見れば、チェンバロが置いてある!(アップライト・ピアノも)
そうそう、夕飯時はバッハの無伴奏チェロ組曲が、朝は名曲アラカルトだろうか、ヘンデルの「水上の音楽」王宮の花火やパッヘルベルの「カノン」などをBGM に、これまた食べきれないほどのおかずが並び、心尽くしの食事を有難く頂く。

ゆっくり出ようと思ったが、まあ支度が整ったところで出発。昨夜は雪がちらついたそうで、足元には霜柱。吹き付ける風に震え、あわてて雨具を着こむ。
名水「乙女の水」で水筒の中身を入れ替え、フカフカの道を心地よく歩く。昨日から目に着く赤い実はゴゼンタチバナ。そして姿のままに実をつけたイチヤクソウが可愛らしい。このコースはきっと花の道だろう。静かな道を進んでいくと展望が開け、目の前に編笠、そして富士山。
なだらかな道を一旦下り、少し登り返すと待望の西岳頂上。ここも絶景かな、絶景かな!しかも、貸し切り。

南アルプス 北アルプス、槍ヶ岳・大キレット・穂高連峰

今日は朝早いので北アもよく見える。凄いなあ・・・。この夏歩いた中央アルプスも全体が綺麗に浮かんでいる。しかし、やっぱり目の前の権現、赤岳、そして南アルプスがお出迎え。これだけ すっきり見渡せることは滅多にない。Iさん、Mさん、iさんも撮影に夢中。何という「ご褒美」だろうか。

ここでもコーヒーを楽しみ、この夏の山行での欲求不満を全て解消してもお釣りが来る大展望を心行くまで楽しんで、後はゴルフ場目指して下山開始。
しばらくは樹間にまだ北アなどが見えるが、樹林帯の中に入ると北八ツのような苔の絨毯や、咲き残りのホタルブクロ、イブキジャコウソウ などが眼を楽しませてくれる。
これから登ってくる団体さんにも出会い、林道を三本横切ると、わずかで不動清水。広い水場では携帯が通じ、タクシーを呼んでおく。ちょうど30分でゴルフ場到着。

西岳へのコースはどれ位歩かれているのか少し不安だったが、実は隠れた人気コースのようだ。 また、小屋主さんが歩荷するルートだそうで、不安は杞憂に終わった。また使ってみたい道である。
花は今はトリカブトが所々に群落を作っているだけだが、西岳に近付くと花が増えていくだろうう。山頂の咲き残りのマツムシソウも少し前ならお花畑といえるだろう。

今回は2日とも大展望に恵まれ、楽しいお喋りと共に充実の山行となった。

大きな画像はブログでどうぞ!


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