赤石・荒川・千枚岳縦走   2023年8月上旬

コース:
椹島ロッジ〜赤石岳〜荒川岳〜千枚岳〜椹島ロッジ

山行記録
計画と予約事情
経費等
余談

見た花の名前など
・主な画像と花はブログへどうぞ。

★山行記録★
昨年夏の久方ぶりの北アルプスの経験を活かし、今年はどこに?と思案した結果、もう後がない(笑)年齢ということで一大決心の末、どうせなら、南アルプス縦走を計画。
山友Kさんを頼りに、アラ還を(とっくに)過ぎた2人の山行、無謀と言われないように準備だけは周到に。

マイナス要因は山ほどある。年齢、コロナ禍且つ熱波での体力消耗、そもそも行程のup-downのキツさ等々。(それに完全予約制でお金も相当なものに。)

でもそれを補って余りある魅力(大展望とお花)を信じて、いざ、椹島へ!
(*ここに至る実際のハードルと2023年の予約詳細は別途巻末に。)
DAY@:

静岡駅10時発、静鉄ジャストラインの椹島行きバスに乗る。大型バスに驚くが、乗っているのは10数人、途中2回のトイレ休憩があるという。
懐かしい静岡市街の風景。新東名の高架をくぐると一般道はどんどん狭くなっていく。次第にすれ違いも難しくなるが、随所で行われている道路工事側とは無線で連絡を取りながら、上手に通過していく。

ほぼ予定通り13:30頃畑薙第一ダム手前の夏期臨時駐車場で下車。東海フォレストの送迎バスはここで待てと言う。
お天気雨が時折降る中、14:15のバスに乗車(要事前予約)。
マイクロバスはぎゅう詰め。各自備え付けのヘルメットを被る。一層細い道を、路上の落石を随時移動させながら、慎重に進む。なるほど、だからこそ、車内のヘルメット。

1時間でロッジ到着も、大雨。受付をすませ、2人部屋へ。かなり年季の入った畳、しみの多い塗り壁。う〜むなかなか近頃お目にかからない状態だが、まあ、山奥なので仕方ない。
雨は止まず、暫く入れないお風呂を済ませ、夕食は食堂で。
ネギトロ、ナスのグラタン?風がメインのプレート膳。ちょっと期待しすぎたかも。

ロッジだけは5時の朝食が可能(今年からか、小屋の朝食は6時!)だが、少しでも早く出たいので、朝は弁当とし、お昼用(2人で1人前)の包み3つを受け取って早々に部屋に引き上げる。
有難いことに、ロッカーがあるので、着替え等を置いていく。予報では晴れそうだが・・・。

DAYA:

4時起き。貰った弁当の一部を食べ、残りはお昼に充当。(朝用は助六寿司で、これは良かった。弁当用から食べたが、不思議な味の大きなおにぎり1個と、唐揚げなどのおかず少々。おにぎりを割って半分ずつ食べ、助六も少し食べて減らしてから、余計な荷物をロッカーに入れて歩き出す。

すぐ上の車道に赤石岳への登山口となる鉄の階段がある。[5:05]
急登で有名な東尾根(大倉尾根)。荷物も重い(とはいえ極力軽量化。6キロ台)ので、兎に角スローペースで。

有難いことに雨も上がり途中には、1/5〜の表札があり、ペース配分がわかりやすい。樺段を過ぎて3/5の表札(昭文社の地図で『標柱のある小広場』のようだ。) 思ったより暑くはないが涼しくもない(^-^;

4/5まで登ったところで10:35。何とか目途も立ってきて一安心。ゆっくりランチタイム。[〜11:00]

本日最後の難関『歩荷返し』に取り付いたのが12:05。急登を頑張って『歩荷返し終了』札地点が12:40。もう小屋はすぐか(コースタイムでは35分)というところだが、ほっとして 歩いているうちに、何とポツポツと落ちてくる。
まあもう傘でいいでしょ、と私はそれだけ、Kさんはしっかりザックカバーも。

小屋が見えた時には私のザックは下半分がぐっしょり。手続きをして無事到着。[14:00]

小屋では止まない雨の中、ずぶ濡れで到着する人たちのためにストーブを焚いてくれ、長い棹を利用して上の方にどんどん引っ掛けていく。小物はスト―ブ周りで乾かしつつ、他の登山者と話が弾む。

私的には思ったより疲労感もなく、いつもの高山病の気配もなく、着替えも済んで順調と言えそうだ。
夕飯の5時まで、食堂でまったり。でも外は豪雨・・・。

夕飯は多めの焼き肉。美味しかったが食べきれず。明日も朝食は6時からなので、お弁当に代えてもらい、お昼の分と共に受け取る。ずっしり重い・・。
消灯8時。明日も4時起き。

DAYB:

4時起床。暫く待つが点灯せず。仕方ないので5時前に抜け出して、小屋内の空きスペースで静かに朝食。外は晴れている。富士山が綺麗。さあ、今日は赤石岳だ!
5:30出発。水とお弁当が重い。でも、今日も頑張るぞ!と気合を入れる。

富士見平6:25。抜けるような青空の下、富士山が大きく裾野を引いている。見えているのは赤石岳か。
だんだん桟道が出てくるが、しっかりしているので雨でもなければ安心だ。しかし見通しがきかず、へつっていく感じなので距離感がつかめない。
そのうちザレ場の狭いへつりが出てきて、「北アルプスならここにしっかり鎖がついているなあ」と思う。ここは南。1段と厳しいのだ。

その後も慎重に歩を進めていくと視界が一気に開けたものの、絶望的に急な斜面のジグザグが始まる。暑い。苦しい・・・。

しかし!このあたりから素晴らしいお花畑。本当に久しぶりのマツムシソウの群落、チシマギキョウ、ヤマハハコ、ハクサンフウロ、等々。
写真撮影と言う口実で各駅停車。Kさんも、「せっかくなんだから、ゆっくり写真撮りながら行きましょう!」

気合だ!気合いだ!のザレ場の急登が続くと、今度は少しトラバースしてハイマツ帯へ。やっとコルも見えてきて、青息吐息ながらも何とか分岐に到着。いや〜辛かった。[10:10]

もうすぐ赤石山頂だ、と歩いていると、右手に動くものが。あ、雷ちゃん!・・・雷鳥の親子がノンビリお食事中。いや〜、晴れていても出てきてくれるのね。

頑張って辿りついた赤石岳山頂3120m。お疲れ様でした!

山岳の大展望を楽しみ、記念撮影。私の分は居合わせたお兄さんに頼んだが、カメラを構える角度がちょっと。バシバシ撮ってくれるが、確認するとやっぱり・・・。美容師さんが自分の髪を切れないのと同じく、 自分の望み通りに撮るには三脚が要るようだ。(^-^;

それでもお天気に恵まれ、こんな展望は本当に何年ぶりだろう。(10数年ぶり?)
今日の難所は越えたと思うと気分も軽い。分岐に戻る途中で、昨日小屋で濡れ物を干しながら仲良くなった、同じくらいの女性二人組が、ザックをデポして上がってくるのが見える。
「ヤッホ〜!」と声をかけると気づいてくれた。彼女たちは今日からはテント泊。凄い荷物、凄い体力!

昨日の話で、同じ行程と分かったので、「先に行くね〜。すぐに追いつかれるけど(笑)。」と挨拶をかわし、我々は暫く稜線漫歩♪
お花を愛で、楽しく歩く。それに、もう、登りはない(はず)。

小赤石の肩まですすむと、眼下に広い平らな台地が見える。大聖寺平だろう。急降下に備えてランチ休憩[12:10~20]。それからザレた斜面をジグザグに降りていくと標柱(2か所あり)。
降り切ると、ずっと先まで緩やかなトラバース道が見える。まだ小屋は見えない。

小屋はまだ〜?としゃべりながら進み、いい加減飽きてきたころ、やっと屋根が。気の緩みに気を付けつつ、何とか到着。[14:00]
水が豊富と聞いているが、水場は3分ほど先のキャンプ地にある。サンダルを借りて黙々と降りていく。冷たい水は有難い。明日に備えて汲んでおく。
夕食はカレーの他に、1プレートでグラタン、かぼちゃサラダ、千切りキャベツなど盛りだくさん。美味しかったが食べきれず。

朝食用とお昼用の弁当は、後から持ってきてくれる。紙コップと粉末みそ汁付きなのが有難い。(が、軽量化で今回はポット無しなので紙コップをお返しする。)

満月なのか、大きな窓から優しい光が差し込んでいる(がKさんは眩しかったかも。)トイレに起きなかったので、この日も星は見られず。

DAYC:

4時起床。朝食準備時間まはで食堂を使ってよいとのこと。他の登山者もここでお弁当を食べている。
ポットのお茶もあって、本当に有り難い。お弁当は食べきれなかったが、みなさん食べ終わたら包みを置いていくので、私たちも有り難く置かせてもらう。実は食べきれない分と容器、ペットボトルでザックは結構かさばっている。

今日も5:05出発。標柱5:50。ここから急登が始まるが、鹿除けネットが張ってあり、その中がお花畑になっている。
ドアを開けていざ!

花の種類も多く、びっしり。ここでまた大撮影会。お花が一杯で元気が出る。ここが一番のお花畑なのだろうか。
この中はしかし結構な急斜面が続く。撮影を終えてまたゆっくり進む。ネットから出て、とラバースが続く。民間の調査らしく、斜面で作業中。地質の調査とか。

照りつける太陽のもと、何とか分岐へ。ここにザックをデポして荒川前岳へ。流石に空身でも5分では着かないが、展望を楽しみ、中岳へ。ここで難所に備えて大休止。[8:07~18]
緩やかにコルまで下ると東岳(悪沢岳)が見えてくる。なるほど、岩っぽく、ジグザグのルートが見えるが、核心部?が見えず、ルートが途切れて見える。

今日最大の難所だが、周囲はまたマツムシソウやタカネナデシコなどのお花畑。南は本当にお花の量が凄い。花に励まされて頑張ろう!と思えるのが嬉しい。

ところで、この山域は何故かマーキングが赤ではなく、黄色時々水色のペンキ。それも、所々剥げている。
見た目通りの急斜面。だんだん険しさを増し、顔の前に岩が迫る。足にも力を入れ、気合も込めないと登れない。ストックも仕舞って覚悟を決める。

一旦踊り場に出て、ルートを探す。しっかりした踏み跡を少し行くと、崖のへつりになっているが、どうもおかしい。急に細くなっている。踏み跡も急に薄いが、確かに踏まれてい入る。
「何か違いますよね。」「でもペンキはこっちになっているけど。」
何だか嫌な予感がする。・・・ザックを下ろしてKさんが確認に行ってくれたが、「踏み跡は続いているけど。」・・・

帽子のつばをあげて周囲を見わたす。
「絶対違うと思います。・・・この手前の岩場にマークありませんか?」
そうこうするうちに、上から人が降りてきた。「あ!」

少し戻るとしっかりマークが。それに、足元をよく見れば、岩でブロックしたように詰んである。
ここで正しいルートに戻れたのは幸いだったが、ペンキが剥げているので、×印なのか←なのか判然としない。(実際には×だった)。
2人いればこそ、そして経験あればこそ。南は本当に登山者を試している。

3点確保の連続で難所を登りきるが、「こんなところ、絶対に下りたくないね!!」と意見は一致。

降りてくる人たちに、あの間違えやすい箇所を教えながら、何とか登りきった。[10:40~55]

ホッとして大休止。なるほど荒川東岳と呼ぶより悪沢岳の方が似合う山だ(深田久弥の言う通り)。
ここまでくると二人とも余裕。 それに、見渡すともう高い山はない。「千枚ってどこ?あの山??」

ここからは赤いチャートのゴツゴツした大岩の。岩塊を、飛ぶように越えていく。
結構気を遣うが、終えれば下るだけ(のはず)。更に下ると丸山。名前の通りなだらかで優しい感じ。でも3000m峰。
千枚岳があれね、と見下ろす。「低いねえ(笑)」・・・確かに。2880mだが。

あれを超えれば千枚小屋、そして山旅の終わりが見えてくる。・・・そんな軽い気持ちで進んでいくとまた素晴らしいお花畑。
また雷鳥の親子も!人を怖がらず、先導するかのようにヒナが歩いていく。「もうお母さんの所へ戻ったほうがいいよ。」ようやく斜面の茂みに消えたところで、わ!!
白い大きなブーケ。タカネビランジだ!なんて久しぶり!!

千枚が目の前に迫る地点がビランジの広大なお花畑。白い花が殆どだが、時折ピンクも。この山域でだけ見られるようだ。感激しながらお花畑を満喫・・・したいのだが、もうここから始まる、という千枚がトンデモナイ山だと気づいてしまったのだ。

3段構えの鋭い岩峰、細いルート、断崖のへつり。

ここでもう、帽子を脱ぎすて、ストックも仕舞って、完全なる臨戦態勢に入る。最後の難関、ミスしたら怪我では済みません。

1段凌いで2段目は梯子から。これはしっかりしているので実は怖くない(笑)。
その上がまた岩登り。足元がスースーするような高度感。(^-^;
でも、岩に手をかけると微笑むようにピンクのビランジが。

と言う訳で冷や汗をたっぷり欠かされて千枚岳2880mに登頂。[12:40~55]
苦笑いしつつ展望を楽しみ、小屋へ向かう。高度を下げてきたので樹林帯に入り、どんどん下ると黄色いお花畑が。何とマルバダケブキが絨毯のようにどこまでもどこまでも広がっている。
そんな中、下から声も聞こえてきて、小屋到着![13:40]。お疲れ様でした!!

明るい雰囲気の小屋で、受付を済ませると、インスタントの飲み物がいろいろ200円。久しぶりのコーヒーとKさんのビールで乾杯!
小屋の外ながら軒下に洗面所もあり、3階で着替えてほっとする。ああ、歩ききったなあ。

夕食はハンバーグ、スープ、オレンジなどでとてもおいしい。ご飯軽めなのが私には有り難い。という訳で皆さん2,3杯は食べている様子。ツアー客もいるようで、もうだれもマスクをしていないし、しゃべり放題。ま、仕方ないか。

寝床は梯子を上って2階の隅っこ。電波も通じず。垂直の梯子の上り下りは短いものの気を遣う。
早めに準備をして、またお弁当を受け取って、明日の早い出発に備える。

小屋番さんが「熊の目撃情報がある」というので、例の2人組と一緒に下山しようかと言う話になる。4:30待ち合わせ、来なかったら先に行くということで。
連日8時消灯、11時頃一回目ざめて後は寝返りをうつばかり。反対側の2階の老夫婦が凄い咳をしている。何だか嫌な予感。マスクをして寝ようかとも思ったが、流石にここまでは・・と思う。そういえば、このコース上には夏山診療所がない。
その意味でも北より厳しい、いや、北は恵まれているなと思う。

DAYD:

4時起床。ロッジ発の連絡バスの時間が決まっている(13:00)ため、兎に角途中で何があるか分からないし、余裕が欲しい(シャワータイムもある)ので、すぐに小屋の外に出る。まだ少し暗いが富士山が浮かんでいる。
時間もあるし、何も食べないと歩けないので、朝食用の弁当を開けると小さなおにぎりが3個。これは有難い。1つ食べて水を飲み、連れを待つ。

だんだん明るくなり、ヘッデンも要らないかなという感じ。
4:40まで待って見切り発車。彼女たちは早いので途中で追いつくだろう。まだほの暗いし、熊も怖いので鈴をリンリン煩く鳴らしながら歩き出す。

駒鳥池5:10,見晴らし台に上がってみると絶景かな。朝食Part2とする。[6:05~15]
赤石も荒川も、荒川小屋も見える。ありがとう山々!と感謝しつつルートに戻ろうとすると聞きなれた声が。彼女たちが追い付いてきた。
絶景とベンチを教え、入れ替わりに先に行く。
清水平[6:50~15]ここのベンチが傾いていて、シーソー状態なのには笑った。ここでもまた彼女たちと合流。また入れ違いに場所を明け渡す。楽しいシークエンス。

小石下あたりはオオイワカガミの大群落が続く。と言っても今は葉ばかり。咲いたら見事だろう(が時期的に雪があって無理だろうけれど)
きょうはもう一切撮影会無し。兎に角早く降り切りたい。頑張ってどんどん下るが比較的歩きやすい。が、長い。

大分降りたかなという所で岩峰出現。今更登りはキツイねえ!とぼやきながら「岩頭見晴」に登って岩場を下りる。鉄塔の下をくぐって(真横も含めると都合3か所あり)
まだまだ下って、やっと沢音が聞こえだしたかなと思うころ、眼下に立派なつり橋が見えてくる。最後も足場が悪く慎重に橋までおり、揺れを楽しみながら渡り切って下山完了![10:05]
後は車道をヒイコラ歩きながら25分程でロッジ着。[10:30]漸く降り切った。

受付をして帰りのバスの予約確認(番号札ゲット)後、ロッカーを開けて清算(4日で1200円)し、シャワー券(500円)を持ってお風呂場に。お湯を抜いているだけで場所は同じ。ここで4日間の汗を流して頭からつま先までスッキリ!。

受付棟に戻ってソフトクリームを食べ、カップヌードルお湯付き500円を楽しみ、バスの発車を待つ。風が気持ちよい。

13時発の連絡バスでダムに向かい、14:15発の静鉄バスで静岡駅へ。
順調に進み(どこまでも葵区ながら)「市内は渋滞しないの?」のKさんに、「渋滞なんてありません!(キッパリ)」
静岡ってそういう所です(笑)。20分ほど早くついて、駅ビルでお土産などゲットし、列車に乗り込んだ。


★計画と予約事情★
今年の計画を立てる際に、もう体力気力的に最後と思い、この山を選択。ルートは登りがきつくても、「危険個所が全て登りになる、赤石岳から時計回り」を選択。 また、昨年のような夜行は厳し過ぎると考え、椹島前泊、小屋も赤石小屋、荒川小屋、千枚小屋の3泊を選択。天気さえよければ、早出すれば多少の余裕もあるだろうと判断。結果的に大正解だった。

このルート、東京から夜行2泊の猛者も多く、また逆回りが多いようだが、そうるすると、最後の赤石岳から小屋までの北沢源頭部で滑落などの事故が多発していると聞く。
また実際に歩いてみて、ロープや鎖が欲しいと思うような難所が多く、それが下りだったらとても降りられる気がしなかった。(私は特に得意ではないものの、岩場は嫌いではない方。それでも。)

コロナ禍もあって、最近はどこも予約制。1泊2食で13000円はなかなかの値段だが、混雑も避けられ、他の選択肢はなかった。展望と花を楽しめれば、という思いだけ。
予約は東海フォレストのHPから。実際は毎日旅行が事務手続きを引き受けている。予約は6月1日10時から一斉に行う。ここに問題があった。

まず、アクセス殺到で開かないのは織り込み済み(30分程度繋がらなかった)だが、小屋も送迎バスも1つ1つ氏名から何から書き込んでしかも決済はクレジット。1件毎にそれなりの時間がかかる。
平日を選んだので大丈夫だろうとは思ったが、最後の小屋は「残り数件」と表示され冷や汗をかいた。

最初に一覧表を作って順次予約していったのだが、バスの予約がネックだった。まだ位置関係を把握できていないため、静鉄ジャストラインとの乗り継ぎ時間を間違え、何度か取り直し。
(結果的にできたと思った予約が取り消しになっていて、それも直前になって親切にも東海フォレストの予約担当の方が予約をまとめていた際にそれに気づいてメールをくれた。)

問題は、そのメールにもあったように、「朝食は6時から、朝をお弁当にする方と、昼の弁当は事前申し込み制で、当日には対応不可」と言う内容だった。慌てて手続きし、別途昼弁当分を振り込んで、ようやく一息ついた。

これは、殺到する予約時に、HPに(印刷すると数枚分の分量)これらの注意事項が延々と書いてあるのだが、実際には予約優先で読む暇が無いこと。
また実際に、私がアクセスしたときにはアイコンが綺麗に表示されず、予約の確認方法も面倒で、だからこそ後でフォレストの担当者の仕事量が増えているのだと感じる。予約開始前のページにしっかり表示してあれば、お互いに不幸なことはおこらないと思うのだが。


因みに、いろいろな人のネット上の記録や以前の記事等の内容が錯綜しているが、今年は連絡バスは片道100円で小屋と一緒に事前予約が必要だが、それは小屋の予約時に100円引きの値段で予約となるので、当日は予約メール画面か印刷物の提示でそのまま乗れる。
直前に東京で山手線が長時間止まる事故もあり、また静岡駅に朝10時というのも厳しいと思ったので、更に静岡で安いホテルでの前々泊を選び、その代わり交通費を浮かせるために青春18きっぷを利用した。


★経費等★
椹島ロッジ(2人で個室を選択)1泊2食 13000円
赤石小屋、荒川小屋、千枚小屋も同じく1泊2食で各 13000円  (連絡バス片道100円を含む)
静岡駅から畑薙ダムまで 静鉄ジャストライン 片道3500円
あとは、昼の弁当は1食 1000円。

なお、各小屋にはカップ麺等、お菓子類の他、ペットボトルの飲み物は大体1本600円。小屋によってはその他の飲み物もあり。

Tシャツや手ぬぐい、バッジ類は小屋の方が充実しているので現地購入をお勧めする。(ロッジには余り欲しいと思うようなお土産がなかった。)

なお、ロッジにはロッカー(小300円大?もあり。)があるし、13時までならシャワーのみ500円。(湯船の湯を抜いてあるが風呂場を使用、ドライヤーは無いがシャンプー類はある)


★余談★

亜高山帯で大撮影会開催中(笑)、しっとりとした苔の森のプリンセスを接写中、手元の葉が少し動いた?トカゲでも??と思いつつ思い切り腕を伸ばしてしゃがみ込んでシャッターを切ったその時、
葉の重なりの間から音もなくす〜っと・・・マムシが森の中に消えていった。(>_<)
お花摘みの際などにもくれぐれも御用心を!

動物としては他に、雷鳥の親子を二組、イワヒバリ、ホシガラスなど目撃。オコジョに会ったという人もいたが。

各小屋の雰囲気はそれぞれ異なる。一番厳しい感じがしたのは赤石小屋。マスクもしっかり。でももちろん居心地がよく、感じが良かった。8時にしっかり消灯する割に朝は掲示と異なりなかなか点灯してくれなくてちょっと困った。
荒川小屋は料理がおいしく、おもてなしの心意気を強く感じた。お弁当を朝食堂で食べさせてくれたし、部屋も女性のみ半分独立した部屋にたった4人だったので楽だった。
千枚小屋は雰囲気が明るく、解放的。曜日の関係もあるかもしれないが満員に近い感じで、朝もゴソゴソ、まあ耳栓で我慢しよう。

どの小屋も基本的に、封筒型の寝袋+毛布1〜2枚。事前にシュラフカバーかインナーシーツを持参のこと、とあったが、どうも殆ど誰も実行していなかった。(これも多分、例のHPの長い注意事項を誰も読んでいないからだろう。)

私は軽量化のため、ウルトラライトのツエルトを持参、初日はまじめに巻いて寝たが、その後は使わなかった。
南アルプスのこの山域には山岳診療所もなく、3000mの稜線歩きは厳しいと思ったので、いずれにせよツエルトをと思っていたので全く気にならなかったが。

JRについては、割引率の良いジパングを利用するつもりだったが、東京〜静岡間は往復なら対応できるが、往復割引の有効期間が4日しかなく、今回は利用できないと知って大慌て。
結局、18きっぷを使うことにした。前々泊のホテルはツインで8000円程度で綺麗だったので良し。

さて、帰宅当日。5日ぶりに締め切った家に帰り、あちこち窓を開けて換気するも、熱気が籠っている。JRの途中駅からちょうど帰宅する妹に拾ってもらって車で帰ってきたのだが、あまりの暑さになかなかエアコンも効かない。
不用心なのでとにかく一旦は窓を閉めてクーラー。

翌朝起きると口の中がカラカラで、喉の違和感。その後生姜湯などを飲んで声が出るようにはなったが、軽い咳が出る。
妹と一緒にお墓参りもしてから翌日念のため受診すると、何と!「うっすら陽性が出ました」・・・コロナ貰ってきたようだ(>_<)

翌日から咳が酷く苦しい。熱は余り出ず、高くて8度2分まで。解熱剤を飲んだのも2回で済み、何とか回復した(と思いたい。)
やはり、物凄い咳をしていたあの夫婦が怪しいと思う・・・。無事下山できたのだろうか、あの人たち・・・。

下山帰宅後だったのは本当に不幸中の幸いだったが、Kさんにも迷惑を掛けてしまった。ごめんなさい。m(_ _)m
ただ、あれだけ濃厚接触だったのに、妹にもKさんにも幸いうつらなっかったものの。数日間気が気ではなかった。(^-^;


★見た花の名前等★

・亜高山帯
 シャクジョウソウ、コフタバラン、カニコウモリ、コイチヨウラン、ハナチダケサシ、ヒメミヤマウズラ、ミヤマタニタデ、イチヤクウソウ、ダイモンジソウ、クロクモソウ、など。

・高山帯
 セリバシオガマ、エゾシオガマ、ハクサンフウロ、イワベンケイ、ウサギギク、タカネグンナイフウロ、タカネコウリンカ、ウメバチソウ、タカネマツムシソウ、ヤマハハコ、 ミソガワソウ、トリカブト、コゴメグサ、シナノキンバイ、イワギキョウ、ミヤマシャジン、イブキジャコウソウ、シコタンソウ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、タカネナデシコ、イブキトラノオ、 タイツリオオギ、タカネビランジ、ミヤマアケボノソウ、ミヤマコウゾウリナ、コイワカガミ、タカネヨモギ、ミヤマオトコヨモギ、タカネヒゴタイ、タカネツメクサ、ゴゼンタチバナ、チングルマ、タカネヤハズハハコ、 トウヤクリンドウ、オヤマリンドウ、ホザキイチヨウラン、オトギリソウ、イワインチン、バイケイソウ、テガタチドリ、シコタンハコベ、イワオオギ、タイツリオオギ、アカバナ、マルバダケブキ、など。

・下界(標高1000m付近)
イワタバコ、フシグロセンノウ、カワラナデシコ、フジアザミ、など。

☆咲き終わっていたものの、高山帯にはチョウノスケソウの葉やイワウメの葉が見られた。時期が違えばまた違う花園が楽しめるだろう。



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