コース:
美濃戸口6:00〜10:34行者小屋11:10〜地蔵尾根〜12:40赤岳天望荘12:55〜13:40赤岳13:45〜14:30天望荘(泊)
天望荘6:05〜横岳〜8:00硫黄山荘10:05〜10:55夏沢峠11:45〜12:35根石岳〜13:05東天狗岳〜14:30黒百合ヒュッテ(泊)
黒百合ヒュッテ7:00〜9:20唐沢鉱泉
【1日目】 今年は半ば諦めていた「夏休み」を強引に捻出し、夜行2泊の八ヶ岳ミニ縦走に出発。 何故か縁がなかった、赤岳〜横岳。その核心部分を個人で縦走しようという山行の友はSさん。赤岳に登った経験のある彼女を頼りに、二人とも未踏の横岳を通過し、天狗までの縦走計画を立てた。
早朝の美濃戸口。脇を走りぬける車をよそに、早速撮影会。綺麗に咲いたエゾスズラン、清楚なヤマオダマキ、思いがけないイブキジャコウソウの群落。
(マウスを画像の上に置くと名前が現われます) ノンビリ行こう、と大撮影会を繰り広げながら歩いている内に美濃戸へ。さらに南沢を行者小屋へ向かう。 登山者で賑わう行者小屋で大休止、果物やらパンを出して、軽量化を図る。 ちょっと心配した地蔵尾根も、難所はしっかり整備され、体調も回復、コースタイムで天望荘到着。やれやれ。
サブザックに変えて、赤岳へ。ここも鎖が整備され、どんどん登る。ピークにタッチして、早くも下山。
泊まった天望荘は噂の通り、綺麗でサービスもよく、思いがけず大きな五右衛門風呂にも無料で入れ、宿泊者はお変わり自由のコーヒー(他にお茶も)や、おいしい夕食・朝食のバイキングに、大満足。
【2日目】 すぐに梯子や鎖場が出てくるが、難なく通過。人間など目に入らぬ様子でイワヒバリがすぐそばをチョコチョコ歩いている。
ここはガイドブックで読んだ、長いスラブの鎖場のはず・・・。
折から小雨模様になり、ガスも濃く、視界不良な上、さっきの先行者の後は誰も来ない。 いや、これは違う、と迷っていると、偵察に行ったSさんから「こっちで〜す。標識があります!」 (後でよくよく調べると、日ノ岳の岩峰を大きく回りこむ箇所で、迷い込んだ踏み跡は、進行方向とは90度ずれていた。しかし、このように視界が悪いと方向感覚も狂い、しっかりした踏み跡に誘われるので要注意。 こうして岩峰を鎖に導かれて大きく巻き、裏側をトラバース、さらに乗り越えて、また横岳を向いて歩き出す。 お花が一番楽しみなコースなのに、雨とガスで、花も展望も制限され、ちょっとがっかり。 前後に人もおらず、初めての『難所』を何とか二人で力を合わせ、越えて行く。実力が試されているなあ、とため息。 ただ、雨でやや滑ること以外は、難所と言っても案外楽勝で、程なく三叉峰、奥ノ院に至る。 硫黄岳山荘はまだ?もう見える?!と目を凝らしながら早足で進めば、ようやくガスの向こうにぬっと小屋が現われる。 「長野県に雷警報は出ていませんが」、とストーブを炊き、暖かいお茶を出してくれる小屋の優しいお兄ちゃん。 そこで、濡れた合羽を乾かしながら、暖かいストーブを囲み、しばし山談義。それも、2時間・・・。 雷雲の通過待ちは期待できないようだ。そこで小止みになった雨と、間隔の遠のいた雷鳴に、『もう遠雷だよね?』という希望的観測のもとに再出発。 平坦な「雷さん大歓迎」状態の山頂を駆け抜け、転がるように下っていると、ピカピカッ、ゴロゴロドド〜ン! その場にしゃがみ、体も硬直。 近くに落ちた訳でもなく、髪の毛も逆立たないが、恐ろしくてしばらく立ち上がれない。 一刻も早く樹林帯へ・・・。ようやく樹林帯へ。ほっとするとザックがズッシリ、喉もカラカラ。 遠慮がちに入ったのに、「暖かいストーブの方へどうぞ。」とコーヒーまで入れてくれる優しいスタッフに、またまた感激。 だんだん空も明るくなり、雨も止んだので、50分の雨宿りの後に根石岳、天狗岳をめざして人気のない樹林帯を歩く。
根石山荘前のコマクサ畑を一周してから根石岳に登る。もう雷の心配はなさそうだ。 東天狗から小屋までは私も一度歩いたコースゆえの安心感がある。ようやく本日のお宿、黒百合ヒュッテまで小一時間と思うとほっとする。 受付を済ませ、ストーブを囲んで荷物整理。布団を敷くまで1階にいてくれ、とのこと。疲れた表情の先客たちは、どうやらずっとここで待たされている様子。早く横になりたいだろうに・・・。 布団を敷いたのは4時近く、その後も布団の指定から食卓の席順まで、まるで先生が小学生に指示を出すよう。 嫌だったのは、スタッフが1つしかないストーブの前でタバコを吸うこと。濡れて疲れた登山者(お客)を「無視」し、休憩中だからと何時間も布団を敷いてくれない小屋でも、常連は見放さないのだろうか。 ついつい先ほどの硫黄岳山荘やヒュッテ夏沢の暖かい気配りと比べてしまう。
【3日目】 ようやくコイチヨウランの群落と、キソチドリ、何故か白いリンネソウに出会う。Sさんは始めてのコイチヨウランに大感激。こちらも嬉しくなる。
そろそろ鉱泉に出てもいい頃、やっと沢音が聞こえ始めると間もなく川を渡って、下界に到着。気のせいか、硫黄のようなニオイがする。 送迎客があるから、と宿のバスに乗せてもらって茅野駅へ。久々のスーパーあずさは、あっという間に新宿へ。
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