ほくろと皮膚がん

ほくろ について

施設写真

<ほくろの写真例 これは良性です。悪性のがんとの区別が難しい例>

<基底細胞癌 ホクロとそっくりです。>


ホクロは「母斑」と呼ばれています。ほとんどが良性です。
しかし、悪性のがんが隠れていることがあります。  
メラノーマ 基底細胞癌 日光角化症 などの悪性腫瘍です。

■治療について 
 母斑はどうしてもメラノーマや基底細胞癌が除外できません。慎重に経過を診ます。
また普通の母斑でも悪性を疑うときは保険にて経過を慎重に診ています。
明らかな母斑(ミーシャ型母斑と言います)は保険では切除できません。 
 自費では 明らかな良性の母斑 を扱います。
① 丸いメスでくりぬく方法
② 炭酸ガスレーザーで蒸散する方法
があります。
① ②とも注射の麻酔が必要です。

炭酸ガスレーザー施術の様子

 



ホクロ 炭酸ガスレーザー施術5日後

施術後のカサブタが目立つ症例です。実際は個人差が大きいため予想は困難です。


 大きいものは 形成外科での手術として他の施設に紹介します。
直径6mm以上の母斑に施術すると肥厚性瘢痕 萎縮性瘢痕 のリスクが高くなります。
パンチで繰り抜く場合 縫合するか否かが問題となります。縫合すると縫合痕が目立ってしまう例が多いのです。パンチで繰り抜いた直後はかなり目立ちます。しかしその後創面が収縮して縮小化することが多いのです。肥厚性瘢痕となり、盛り上がる例もあります。

①パンチで繰り抜いても「肥厚性瘢痕」「ケロイド」のリスクはあります。 皮膚に障害を加えるので「ゼロ」にはなりません。キズアトは残ります。ただしホクロは今よりは良い状態になります。
②施術前は麻酔を塗布 エムラクリームというものを使用することがあります。
③E入りキシロカイン にて 局所麻酔を行います。
④パンチで繰り抜く。あるいは炭酸ガスレーザーで蒸散します。

⑤抗生剤軟膏(アクアチム軟膏など)を外用し、非固着性ドレッシングで保護します。ハイドロコロイドドレッシング(キズパワーパッド)で密閉する方法もあります。
⑥再診について。翌日から1週間後に診察しております。

■同意書の内容
①母斑は真皮の深い部位まで掘り下げる施術です。瘢痕は避けられません。
②キズアトの問題:肥厚性瘢痕。ケロイドまれな現象ですけれども生じた場合にはそれは皮膚の「病気」なのです。
③「再発する」ことがあります。母斑は遺伝的な背景があるものです。どんなに取り切った、と判断しても どうしても一部に再発してきます。

■FAQ

Q:キズアトは残りますか?
A:残ります。しかしホクロは今よりは目立たなくなります。

Q:お化粧はいつからできますか?
A:1~2週間でできるようになります。ほくろの大きさによります。絆創膏の期間はお化粧はできません。

Q:傷はお風呂で濡らしても大丈夫ですか?
A:大丈夫です。お風呂からあがるとき シャワー あるいはきれいなお湯でしっかり洗ってください。その後抗生物質軟膏を綿棒でつけてガーゼ付き絆創膏で覆ってください。洗った直後に清拭して「キズパワーパッド」を直接貼り付けてもかまいません。

Q:再発したらどうしたら良いですか?
A:ホクロは遺伝的要素がありどうしても再発することがあります。また、まれに悪性疾患が隠れている場合も再発します。慎重に経過を診させていただき、悪性でない場合は再度の施術をおこなうこともできます。



まとめ・・・
明らかなホクロは自費にて切除となります。
★切除には 
①丸いメス(パンチ・・と言います)で繰りぬく方法
②炭酸ガスレーザーという機械で蒸散させる方法
があります。
★再発が少ないのは①のパンチで繰り抜く方法です。
★出血が少なく術後が楽なのは②の炭酸ガスレーザーです。
★ご希望によりいずれの方法も可能です。価格は①が2~3割ほど高くなります。
★施術後 肌の性質により、まれながら「肥厚性瘢痕」「ケロイド」という病気が発生することがあります。施術のミスではなく遺伝的な性質によります。従いましてその様な病気が発生した場合は保険による治療となります。あらかじめご了承ください。
★施術には局所麻酔を使用します。麻酔のアレルギーを生じる場合がありますのでご理解ください。
★施術後は病変部をシャワーで洗っても大丈夫です。その後清潔なガーゼで拭き、抗生物質の軟膏を毎日外用し、絆創膏で覆ってください。乾燥させない様に注意してください。
★消毒薬は使用しないでください。
★ホクロの大きさにより 5日から3週間程度で施術部位は乾き、終了となります。