撮影地:スチュアートハイウエイ、クーバーピディ付近、獅子座流星雨

● 獅子座流星群(その1)

ウナダッタ・トラック600キロのダートを抜け、道が舗装路に変わるとアデレードはもう射程距離。アウトバックともこれでお別れと思った時点でワシの魂は燃え尽きた。「全てを見てやる」、「何も逃すまい」という、約40日間ずっと保ち続けた写真への緊張感は失われ、ワシはふぬけになった。魂も金もなく、アデレードでの予備日を漫然と過ごしていた。ある朝、新聞の大きな記事が目に入った。2ページを割いた紙面には流星群の接近が報じられていた。「一生涯のチャンス」、「次は30年後」、「オーストラリアは観測に絶好の位置」等々刺激的な言葉が並ぶ。はじめ"Leonids"という言葉の意味がわからず、獅子座流星群のことと理解するのに少々時間を要した。日本でも寒くなり始める頃にやってくるあの流星群だ。盛大な予報が報じられても、本当に大流星群が出現するのか保証はない。それでもワシの心は躍った。これまで何度も肩すかしを食らった流星群、「日本の仇をオーストラリアでとるか」、「仮に見られなくても、ここでぐうたらしているより遙かにましだ」。そうと決まれば早速準備、北へ行くほど条件はいいという。残り時間を考えれば、約1,000キロ先まで北上できる。しかも、砂漠地帯なら空気が澄んで晴天率も高い。かくして11/19未明、ワシはクーパー・ピディ近郊で壮大な天文ショーの始まりを迎えた。

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Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome PROVIA 400F (RHP III)
Time Moode (approx. 5 minutes) @ F2.8
Stuart Hwy., Coober Pedy, South Australia
November, 2001

2002.01.09 掲載
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