「お吉の茶碗」

単行本 文庫


花嫁の仇討
この頃の江戸では仲人医者というのが流行っていた。医者が縁談の取り持ちをするのである。かわせみに滞在している母娘がこの仲人医者の紹介で縁談が決まったのだが・・。
お吉の茶碗
お吉は骨董屋の売り出しで、大きなつづら一箱を1両で買ってきた。中にはいろいろな皿、小鉢が雑多に入っていた。その中の一つを自分の飯茶碗にした。
池の端七軒町
池の端七軒町のお源婆さんは以前は日本橋の老舗煎餅屋のお内儀だった。倅が相場に失敗し、小さな煎餅屋をやりながら孫娘のおひさと2人暮らし。
汐浜の殺人
行徳の多田屋総右衛門の内儀おつぎはかわせみに滞在して、誰かを待っていた。ある日主人の総右衛門がおつぎと待ち合わせをしていたとやってきた。
春桃院門前
麻布の料理屋涵月亭の娘お順は、腹違いの妹で春桃院門前の花屋の娘おえいに会いにやって来た。お順はおえいを引き取り、涵月亭は美人姉妹と大評判になり繁盛していた。しかし、おえいが板前の喜三郎と心中した。
さかい屋万助の犬
御用商人のさかい屋は六万坪に豪勢な別宅を建て江戸っ子の土肝を抜いた。深川の大工孫八の娘おようがその別宅に手伝いに行ったきり帰ってこない。
怪盗みずたがらし
江戸に「怪盗みずたがらし」と呼ばれる盗賊が跳梁していた。東吾はこのところ、軍艦朝陽丸の練習航海にかり出され留守がちにしていた。るいが東吾の留守に捕り物の勘を働かせ、一件落着。
夢殺人
神田の三春屋の姉娘お銀は毎晩人を殺す恐ろしい夢を見てうなされていた。そして、なんとお銀の腹違いの妹おふじが殺された。



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