「鬼の面」

単行本 文庫 新装版


夕涼みの女
恋しいおすみに会いに行った伊之助は、夕涼みしているおすみと母親を見た。しかし母親のおくらはおすみは亡くなったと伊之助に告げた。
大川の河童
大川に河童が出て、蔵前の千石屋が乗っていた涼み舟がひっくり返った。次に河童が出たときは、医者の向井恒庵が溺れて死んだ。
麻布の秋
松浦方斉の碁仲間の麻布の名主嶋田伝蔵は若い男女を集めて麻を織る作業場を開いていた。ここで知り合って夫婦になるものも多いのだが、おすずはなかなか良縁に恵まれなかった。
忠三郎転生
江戸の町に病人のいる家ばかりを狙う盗賊が跳梁していた。例によって源三郎の手伝いをしていた東吾は、天野宗太郎に相談に行ってみた。以前登場した稀代の悪党江嶋屋の忠三郎がまたまた悪事を企んでいた。
雪の夜ばなし
雪の一日、天野宗太郎と麻生七重の祝言が行われた。その帰り東吾は身投げしようとしていた女を助けて家まで送り届けたのだが・・
鬼の面
立春早々日本橋の麻苧問屋信濃屋の主人吉三郎が殺された。下手人としてしょっぴかれたのは、かわせみに泊まっている和助だった。
春の寺
酒問屋吉井屋の息子長太郎が15年ぶりに家に戻って来た。しかし、店は既になくなっていた。長太郎は妾腹の子だが、自分を育ててくれた吉井屋の本妻を探していた。


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