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「お気に入り名場面」募集中です。あなたのお気に入りのシーンをぜひ までお知らせ下さい。

 「嫁入り舟」(長助の女房) by 桔梗さん
 「もはや、申し上げる言葉もございません。東吾は果報者でございます。
 身に過ぎた兄上、義姉上のお情を頂いて、ただ、もう・・・・・」
 懐紙を出して顔に当て、東吾は子供のように泣いた。
麻太郎、東吾を愛おしむ通之進夫婦の姿に、いつも感動させられます。
麻太郎が通之進様のかくし子ではとの噂に、東吾さんが、この際はっきり話しをしておこうとする場面での、香苗さんの対応に男泣きする場面は、胸が熱くなります。
「招き猫」(小判商人) by なおこさん
長助が「こう申しちゃあなんですが、源太郎坊ちゃんにしろ麻太郎様にしろ、賢い上に勇気がおあんなさる、、、全くもって大人にも及ばぬ智恵でござんす」、、、 仙五郎にしろ長助にしろここの岡引たちは、源太郎や麻太郎を孫のように暖かく見守っていて、お手柄だと「さすが若様!」と泣きながらほめちぎり、なにか危ない事をしでかすと、その親たちから、盾となり必死にかばい立てをするところが、ほのぼのとしていて、私の好きな場面です。
「手妻師千糸大夫」(小判商人) by なおこさん
今にも泣き出しそうな目で香苗をみつめた。
「母上、どうかお許しを、、、」
声がかすれ、そのまま、両手を突いた麻太郎に、香苗はにじり寄ってその手を取り上げた。
「御無事で、、、よう御無事で、、、母はそれだけで、、、」 
香苗が自分の両手を麻太郎の手に重ね合わせて合掌するのを見て、麻太郎の目から一筋、こらえ切れなくなった涙が糸をひいた。
香苗の麻太郎に対する溢れんばかりの愛情を感じ、何度読み返しても胸が熱くなります。
「池の端七軒町」(お吉の茶碗) by うるしさん
口悪く祖母を罵っていたおひさが、家が火事ときいて狂ったように、燃えさかる家に飛び込み、二人ともに抱き合って亡くなったことを東悟さんたちが聞くシーン 明るくまっすぐなかわせみの面々が大好きで読み続けているのですが、時々、心が傷む作品があります。中でもこれほど泣いた作品はなかったので。

孫娘のために嫁入り支度をせっせとこしらえ、その邪魔になるまいとして、自殺しかけたり、別の親戚の所へ行こうとしたりとする祖母。そんな祖母を勝手だと口悪く責め立て、さらに泣かせる気の強い孫娘。彼女の口の悪さも、年寄りを一人抱えて生きていく女性の厳しさからきているのだろうが、なんだかんだいって祖母が大好きなのだろうと見抜く東吾さんだが、そんな彼女の真情が悲劇のラストで明らかになる。

世知辛い世の中で不器用にお互いを思い合う、祖母と孫娘に何度読んでも泣かされます。
「岸和田の姫」(夜鴉おきん) by 孝子さん
私の何よりのお気に入りの名場面は、何方かも書いておられた「岸和田の姫」です。
橋の上で立ち尽くす少女を拾った東吾さんの対応から、花姫の、可愛らしくも健気な様子。
江戸の名残のお花見には涙が零れて止まりません。止まりませんでした、では無くて、今も、読み返すたびに蘇る想いに胸が詰まるのです。
「鴉を飼う女」(御宿かわせみ・下) by 矢水さん
『山茶花は見た』から・・・・鵜を飼う女
東吾さんが、兵庫屋の染蝶と語るところ。
東吾さんが、るいさん以外の女性と関係するシーンなので、心境は微妙ですが。
「色恋じゃねえんだ、俺には恋女房がいるんでね」
「そのようなお方がありんすに、わちきのようなものと・・・」
誠実に語る東吾さんに、心魅かれます。
この後、染蝶が殺されてしまうので、余計・・なのかもしれません。
「雪女郎」(恋文心中) by すずらんさん
「雪女郎」のなかの面白い場面です。

やめて下さい、と、七重が遮った。
「赤ちゃんの前で、なんてお話をなさいますの。女の子は小さい時から美しいものを見せ、美しい話をきかせて育てなければ、心の美しい子に育たないとおっしゃったくせに、お女郎だの、人殺しだの」
宗太郎が慌てて立ち上がった。
「東吾さん、ここはいけません、表へ出ましょう」
男二人が居間を逃げ出して玄関へ出る。
七重さんと花世ちゃんの前での二人の会話に七重さんが怒ったところですね。七重母上はこんなに気をつけたのに、花世ちゃんは、ちょっとお転婆?に育っていくのも面白いですね。
名場面というより、ユーモアのある好きな場面です。
「十三歳の仲人」(十三歳の仲人) by Cheeseさん
私は「十三歳の仲人」で麻太郎が小源を叱咤激励する場面です。 本人は恋の取り持ちとかいう邪心?は一切なく純粋に小源のことを考えての少年らしいまっすぐな気持ちがいいなぁと。
その後プロポーズ?に立ち会うために東吾さんと同道する様子もりりしく、「少年とはかくあらまほし。」と思わせるような理想の息子像に近いと思います。
「湯の宿」(水郷から来た女) by 八重桜さん
治助を諦めて、.るいへ向かった男にお吉が横から体当たりする,その暇に東吾はやっと男の前へ駆け上がった.抜く手もみせず,濡れ雑巾を叩き伏せるような音がして、『るい、みるな,眼をつぶっていろ』今日の東吾は容赦がなかった。
こんな切羽つまった瞬間でもるいさんのことを第1に想っている東吾さん,るいさんはほんと幸せですね、そして書かれてはないけど,東吾さんがそっと肩を抱いてくれるまで眼をつぶっていたのでしょうね。
「千手観音の謎」(長助の女房) by 蕭風庵さん
千手観音の謎です。よく晴れた空に、東吾は指で兄の秘密と書いてみたいと思いながら、兄嫁を乗せた駕籠の後ろを大股に歩いて行ったというところです。 昨日と今日でかわせみを読み返しました。そしてこれは送るべし!と思うものがあったもので、お送り致しました。

勤勉な通之進さまが、千手観音を壊すようなことをしたというのも微笑ましいですが、東吾さまがそれを青空に書いてみたいと思ったのは、もっと微笑ましいです。話の発端自体が可愛らしい感じの話ではありますが、なんだか心が温まりますね。
「紅葉散る」(春の高瀬舟) by 橘さん
「紅葉散る」で香苗さんが自分の駕籠の中にいた麻太郎君を追手から匿った場面です。 宗太郎さんの言うとおり、まさに「縁の糸」が結びつけた偶然ですね。
東吾さんの隣にいた仁村大助が追手と気付いた香苗さんがとっさにきかせた機転。怯えながら駕籠の中にいた麻太郎君に言った優しく、心強い言葉。聡明で、優しくて、凛とした香苗さんの魅力に溢れた場面が大好きです。
麻太郎君が香苗さんの声を「母上の声に聞こえた」と言った場面。
琴江さんと麻太郎君の永遠の別れの場面、読んでいて涙が止まりませんでした。
「菜の花月夜」(秘曲) by 安寿さん
私のお気に入り場面は、「菜の花月夜」(「秘曲」に収録)のラスト、東吾さんがおるいさんを連れて荒川の河川敷を染める菜の花を見せるシーン。 二人が結ばれて幸せになるかと思いきや、隠し子の存在を知りおるいさんに秘密を作ってしまった東吾さんと、子ができないことで悩むおるいさん。二人の心がすれ違ってしまいそうになった時に、もう一度二人がお互いを確かめたような場面で。大好きです。宇江佐真理さんの「髪結い伊佐次」シリーズで、やはり一度別れた伊佐次さんとお文がもう一度よりを戻すシーンで出てくる菜の花畑もここじゃなかろうかと私は密かにおもっているのです。
「夏の夜ばなし」(御宿かわせみ・下) by 蕭風庵さん
私はかわせみの「夏の夜ばなし」が気に入っています。 東吾さまが庭から声をかけるところが面白いですね。
この話はなんだか山本周五郎の話に似ているところがあってすごく好きです。
弱い者をいじめる者を、力の強いものが面白半分で懲らしめる・・・。ちょっと美談ですよね。
「花世の冒険」(かくれんぼ) by KANAKOさん
『花世の冒険』の「るい、俺は心配だよ。花坊の奴、どう考えても、本所深川の女親分みてえじゃないか」〜「とうたま、花世がまいりまちた」颯爽と、小さな女親分が子分を従えて「かわせみ」の暖簾をくぐって入って来た。胸を反らせて得意げに歩いている、そんなシーンが目に見えるようで一人でニタニタしてしまいます。 『岸和田の姫』も『白萩屋敷の月』も大好きだけど、私は花世ちゃんの大ファンです。るいさんが『ばばたま』でちょっとかわいそうですけど・・・早く千春が花世を上回るキャラクターになることを心待ちにしています。
「白萩屋敷の月」(白萩屋敷の月) by 和季さん
私のお気に入りは9巻の「白萩屋敷の月」です。 特に白萩の得も言われぬ美しさが印象的ですが、愛しの通さんの秘めた恋・・・(爆)そして白萩の映える夜の東吾と後家さんとの一夜の場面、最後の通さんの告白・・・この作品はとても完成度が高いと思います。それぞれのシーンの描写が心に深い余韻を残します。庭に白萩植えたいなぁ。
「祝言」(恋文心中) by ひぐらしさん
どのお話も捨てがたいのですが一番をつけるなら「祝言」です。 今まで忍ぶ仲だった2人が全ての人に祝福される場面に胸が熱くなりました。「美人だってことは子供の時から承知していたが・・・」という東吾の科白がすごくツボです。女なら一度は言われてみたい!と思いました。
「岸和田の姫」(夜鴉おきん) by nakaZさん
様々な花姫様の描写が好きです。
東吾さんの前で「これで町方の娘に見えますか」とか,(私の頭の中では,袖をつかんでくるっと回ってます(笑))角乗りの芸を見て「頬を赤くして手を叩いた」とか鳩笛を手にとって「唇をあてて上手に吹く」などです。
嬉しそうな無邪気な子供らしさが出ていて,最後に泣きながら東吾さんと別れるシーンとも相まって,花姫様が一層可愛らしく思えます。その花姫様を支える岡部家の方々やかわせみのみなさんの優しさがうかがわれて,好きな話です。
「宵節句」(御宿かわせみ・上) by スカーレットさん
「宵節句」の兵馬が子供達へ刃を向けている中で、るいが自分の命を省みずに小太刀を中断につけて間に割って入るシーンです 皆さんも投稿しているように本当に良いシーンばかりなのですが、私の中では、切羽詰った中での感動シーンがあります。そうできる事ではありません。涙が出ました。るいさんという人は、ただの優しいとかの言葉だけでは足りない、愛情溢れた方だと思います。
東吾の方も、駆けつけた時に自分の大事な人に刃が向けられ、どんなに凍りつく思いだった事か・・・(るいに怪我もなく本当に良かった)
「幽霊殺し」(幽霊殺し) by kazumiさん
「幽霊殺し」(同)で、源さんが鯖にあたって 寝込んだ間、東吾さんがまめまめしく看病したのを長助がしみじみと語り、黙って聞いていた源さんが涙ぐむ・・・というところです。 おるいさんとの関係も素敵ですが、東吾さんと源さんの親友という間柄も 「かわせみ」の中できらりと光ってます。また周囲の人たちも本当に あったかい!こんな時代に生まれたかったと思う私です。
「持参嫁」(白萩屋敷の月) by 夏海さん
るいさんが商家の女房風に眉を落とし、お歯黒を染め、地味に装った姿を見て東吾さんがその美しさにあっけにとられるシーン。 るいさんにはもっともっと東吾様に焼きもちをやかせて欲しいので。
「虫の音」(二十六夜待の殺人) by MAYさん
私の好きな場面は全編です。
が、強いて言えば『二十六夜待の殺人』の[虫の音]のラストシーンがいいですね。
かわせみでは何年も飼い続けている鈴虫を、東吾さんが得意げに持って来た為におるいさんの焼きもちを誘ってしまう場面です。特に、鳴き出した鈴虫に救われた気になった東吾さんに「いいえ、あれは、こおろぎでございます」とぴしゃりとい言ったところは、何度読んでも微笑ましくて大好きです。
「一両二分の女」(一両二分の女) by Kazumiさん
「一両二分の女」(同)での冒頭のシーン。東吾さんが山百合の香りで目がさめて、おるいさんが髪を洗ってもどってきて・・・そのあとラブラブになっちゃうという場面が好きです。(きゃーエッチ) いまはお二人は夫婦になって落ち着いちゃいましたが、忍ぶ仲の時のお二人のやりとりには、いつもドキドキしてました。かわせみの中では、結構ハゲシイ描写だとは思いますが、下品な感じが全然しなくてむしろ綺麗で、当時青春真っ只中の私は憧れたものです。もちろん理想の男性は東吾さん。東吾さんにはずいぶん悩まされたものです。
「源三郎祝言」(閻魔まいり) by ねねさん
真面目で寡黙な源三郎が、千絵への想いを胸に秘め別の女性と祝言を挙げることを決意するが、通之進の機転で無事千絵と夫婦になった後、「じつは花嫁が来る前に千絵を連れ駆け落ちしようと思っていた」と打ち明けた場面 胸が熱くなりました。それに千絵のいじらしさもとても好感がもてて、お似合いの二人だと思います。
全編 by あけみさん
「若鶏の七味焼き」「豆腐の田楽」「筍の木の芽合え」「よく冷えたまくわうり」なんか、サイコーですね!!
「お吉が鍋いっぱいのはまぐりや、鯛がはいったのを・・・」なんていうのもよだれ物です。
なんと言っても私が好きなのはおいしそーなお料理が出てくるシーン。そしてそれをおいしそーに食べる描写もいいですよね。 何度も読み返してしまいます!!
「源太郎の初恋」(源太郎の初恋) by なっちゃん
畝様の若様が放火の下手人を捕らえたとか……の連絡を受け、東吾さんが番屋へ駆け込んで来て、二人の子供を抱きかかえる。「大手柄でござんす。源太郎坊ちゃんが放火の現場に来合わせて、手向かって来た下手人をお斬りなさった……」仙五郎親分が涙声でいい、東吾さんが「なんだと……」と声を上げるシーン まさに泣き笑いのシーンですね。何度読み返してみても目頭が熱くなります。ほっとしたと同時に、お手柄の話を聞いて、東吾さんがどんなに嬉しかったことか。少しでき過ぎの感じもありますが、東吾さんが教えた通りに剣を構えた源太郎ちゃんの健気な姿が思い浮かんで来て、なんとも可愛らしいかぎりです。
全編 by 花世さん
ひとつひとつの劇的な名場面もよいのですが、くりかえし出てくる生活の一部分化しているシーンが気になります。たとえば、突然たずねてきた源さんに、るいがこころづくしの手料理を用意するところや、狸穴から東吾が帰宅するとサッと、足をすすぐ水がでてきたりとか・・・ かわせみを読んだあとはいつもるいさんのような良妻賢母になろうと決心するんだけど、長続きしません。あ〜こんなすてきな女性になりたい。
「源太郎誕生」(夜鴉おきん) by いちごさん
「その東吾の手を握りしめて、源三郎がぽろっと涙をこぼした。・・・男達は、なんとなく源三郎を囲むようにして、しんとしている。」と言う下り 男同士の何となく気を使っているようで、実は何をしていいのか分からない様子がでていて、ほほえましく感じます。
「花冷え」(御宿かわせみ・上)
るいが東吾と出かけた先が水天宮。思わず東吾がるいに「出来たのか」と尋ねるシーン 子供好きのるいと東吾。欲しい欲しいと思いながらなかなか出来ない。そんなときだけに東吾のうれしさが出ていたような一言。
「幼なじみ」(御宿かわせみ・上)
清太郎の幼なじみのおていを見に井筒屋に行ったとき、るいは思わず東吾のことを「うちの人」と呼んで真っ赤になってしまうシーン 夫婦のような暮らしをしていてもそこは晴れて夫婦になった訳ではないので、「うちの人」と言ってしまってから、思わず恥じらってしまうるいが可愛くてけなげ。
「江戸の子守歌」(御宿かわせみ・上) by Yumikoさん
東吾と七重が決定的な話し合いをしている後ろで、茫然と立ちすくむるい。七重が東吾を思い切って、るいの脇をすりぬけ立ち去り、その後東吾に倒れかかるるい。東吾はるいを背負って、かわせみへ。あとはもう!涙なしには読めません。 この出来事によって東吾とるいの関係がゆるぎないものになったと思うからです。TVでもこの場面は、印象的でした。
全編 by Yumikoさん
特に狸穴などに行っていて、何日かぶりで東吾がかわせみを訪れると、るいばかりかお吉までもが喜んで、なんだかんだ言いつつも、邪魔しないようにこっそり廊下を戻っていくところなど。 祝言を挙げる前は結構LOVE・LOVEな場面が多くて、それも良かったです。
全編 by たまこさん
私は、ドラマティックな、またはロマンティックな、いわゆる名場面よりも、事件が全部解決してしまったあとの、さりげないシーンが大好きです。たとえば
「宵節句」の最後、源さんが見ているのも気がつかないで、かわせみへの道を「切れた凧のようにとんで行く」場面。
「美男の医者」の最後、寒井千種の正体を知らせてやろうと、夜更けに屋敷を抜け出し、朧月の下を「すたこらと歩いて行く」場面。
「夜鴉おきん」
の最後、おきんの清元「保名」に心を残しながら、供をしている兄に呼ばれて走って行く場面。「煙草屋小町」の最後、かわせみでおるいさんやお吉が角をはやしているとも知らないで、煙草の包みを袂に入れたまま、「いそいそと大川端へ帰って行く」場面。
物語の中では常にさっそうとした二枚目で剣の達人の東吾さんが、ラストシーンで、愛敬のある次男坊に戻る所。
「風鈴が切れた」(水郷から来た女) by Naokoさん
お吉が東吾が風鈴を買っていたことをるいに告げ、きっとるいに買ったものだろうと人を喜ばせるようなことを言う。るいのほうも「お屋敷にお持ちになるものかもしれないの に…。」とぬか喜びはせぬようにと思ってはいるが、もし、東吾がその風鈴持ってきてくれたらどこに飾ろうかと 密かに心待ちにしている。ところが、当の本人がなかなかやって来ない。漸く姿を見せた東吾につい話の流れから「風鈴をお買いになったそうですね。」ときりだすと…………。 この後の二人のやりとりが何とも……いいですねぇ。ふふふ。るいの心の動きやしぐさが、特に「いやです。」なんてすねちゃうところがかわいいっ!「風鈴ぐらいで焼くなよ。」と東吾がるいの頬をつつく…なぁ〜んて、読んでる方があてられちゃって、『もぉ〜、すきにしてっ!』って感じでしたよね。
「秋色佃島」(幽霊殺し) by Naokoさん
伊之助の逆恨みからるいが死を覚悟するような危険な事件に巻き込まれるが 相手の病による突然の死によって九死に一生を得た。しかし、るいは心傷つき深く落ち込んでしまう。そんな彼女を東吾は本心からの彼女への思いを告げ優しく抱擁すす。……はぁ〜、言われてみたい「俺は、どんなことがあっても、るいに死なれてたまるものかと思ったんだ。るいが死んだら、俺はどうなる……」なんて……これまたラブラブなシーンでしたね。るいが伊之助に首を絞められ絶望した時に、東吾の笑顔が瞼に浮かび涙を流すところは読んでるほうも涙涙でした。 どうして気に入っているかというと、単純に言うと、女性としての憧れですね。こんな風に好きな男の人に言われてみたい、優しくされてみたい、愛されたいといった思い。それと、二人の純粋さにこれまた憧れを抱くからだと思います。
「岸和田の姫」(夜鴉おきん) by Seikoさん
やっぱり「岸和田の姫」ですね。なんていうか、読むたびに泣けてしまいます。 花姫の気持ちを思う家臣の舟木又兵衛や、かわせみの仲間たちのやさしさ、そして花姫のかわいらしさに胸をうたれます。
「狐の嫁入り」(狐の嫁入り) by Seikoさん
「狐の嫁入り」     人々のやさしさが出ていて、それでいてちょっとすーっとむねのすくような話でこれもまた好きな作品です。    
「矢大臣殺し」(雨月) by ゆづさん
最後に、東吾さんが「俺はこうして笑っているが腹の中じゃ涙がこぼれそうなんだ」と言うその言葉に、私はいつも本当に涙がこぼれます。 東吾さんの優しさ、情の深さ、強さがありありと見える名場面だと思います。
「持参嫁」(白萩屋敷の月) by Miekoさん
おるいさんが花嫁候補を引き立てるために、地味に装っているのにも関わらず返って、艶やかで人目を引いてしまう。お見合い相手のお医者さん達もおるいさんの艶やかさに目を奪われている様子。そんな光景を東吾さんは、呆然としながらも、少し怒った様子を見せます。自分で計画を立て、おるいさんを巻き込んだ張本人のクセに、焼もちを嫉くんですよね。いつも焼もちを嫉くのがおるいさんというパターンの中で、東吾さんが焼もちを嫉くシーンなので、印象に強く残りました。 この時の東吾さんの気持ちをおるいさんが、覗く事が出来たら、おるいさんは東吾さんに何て言うのか、とても興味があります。おるいさんの事だから、何も言わずに微笑して東吾さんに寄り添うのかな?そんな気が私はします。
「雨月」(雨月) by Yokoiさん
茶の行商をしている伊之助が兄の吉太郎と火事の中を逃げた時の思い出話。そしてラスト近く実は盗賊だった伊之助が出家していた吉太郎と再会して兄の手で出家するくだり。 東吾の「地獄の入り口からひきもどしてもらえるかもしれない」という言葉。本当に哀しい運命での優しさは、こたえきれませんね。今の世の中なにが起こるかわからないけれど、優しさって思いがけなく嬉しい時ってあるなあって感じました。兄弟の想いに胸うたれる一品です。

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