1999年立山黒部アルペンルート旅行記・3日目

10月2日


室堂山より見た槍ヶ岳と笠ヶ岳
▲室堂山より見た槍ヶ岳と笠ヶ岳
 朝起きると,...快晴!山の稜線がきれいに見える.これで室堂で1泊したかいがあった.朝食はバイキングで山小屋にしては豪華だった.素早く済ませ,6時半頃宿を出る.太陽がまだ立山連峰の向こう側で顔を出していないが,雲がほとんどない昨日からは考えられないような天気である.ただ逆光で写真を撮るには都合が悪い.みくりが池周辺を散策し,1周する.途中,血の池やみどりが池があった.立山室堂山荘前から室堂山へ登山する.道は良く整備されており迷う心配はない.しかしちょっとのぼり始めるともうばて始めた.ということでかなりゆっくり登ることにした.登り始めて1時間くらいで室堂山の頂上に立った.そこにはすばらしいパノラマが広がっている.あの槍ヶ岳がはっきり見える.さらに笠ヶ岳,そして遠くは白山連峰まで見える.しんどい目して登ったかいがあった.しかし寒い.相当寒い.防寒対策は充分しているつもりだが寒い.気温は9℃くらいだったが,風が強いので相当寒く感じる.
 頂上では30分くらいいただろうか.充分そのパノラマを楽しんでまた室堂ターミナルへ戻ることにする.帰る頃には槍ヶ岳の頂上付近に雲がかかってきた.帰り道,正面には剱岳の勇姿が見えた.下りは登りに比べてかなり楽だ.バスの時間まで室堂近辺で写真を撮ることにする.室堂近辺の紅葉はちょうど良い具合になっており見事だ.かなり本格的なカメラを構えたカメラマンがそこら中にいる.カメラマンが多数いるところはなるほど良いアングルだった.私も一眼レフとデジカメ双方でかなりの枚数の写真を撮った.
みくりが池と立山連峰
▲みくりが池と立山連峰
紅葉の美しい室堂平と立山連峰および剱岳
▲紅葉の美しい室堂平と立山連峰および剱岳

秋の弥陀ヶ原高原
▲秋の弥陀ヶ原高原
 バスの時間が近づいてきたのでバスターミナルへ向かう.このころから体調の異変が起きていた.どうやら山頂の寒さからか風邪を引いてしまったみたいで,熱っぽく体がぼ〜っとしている.とりあえず美女平行きのバスに乗る.天狗平付近では剱岳が正面から見ることができた.弥陀ヶ原で降りたが,体調のことを考えるとそのまま美女平まで行けば良かったと後悔した.弥陀ヶ原付近は高原となっているが,紅葉が美しい.しかし体調はますます最悪になってきたのであまりうろうろせず次のバスで下る.体調が悪いのであまりバスの車窓も楽しめず,早く着いてくれと祈るだけだった.途中,滝見台ではバスの徐行サービスがあり,日本一の落差(350m)の滝である称名滝を見ることができた.美女平へ到着,ここでは何も見ず,すぐケーブルで降りることにする.臨時便が出ていたので予定していたものより早く乗ることができた.ケーブルは7分間の乗車だったがケーブルにしてはかなり長く感じた.立山駅に到着,ようやく下界に降りてきた感じだ.
日本一の落差の滝・称名滝
▲日本一の落差の滝・称名滝
 駅前の食堂でカレーライスを食べ,称名滝行きのバスに乗る.しんどいのでやめようかと思ったがやはりこの滝だけは近くから見ておきたい.バスは15分で滝のバス停に着いたが,バス停から滝までは徒歩30分との掲示がある.まずここで富山の友人宅へ電話を入れる.というのは今日はこの友人宅に泊めてもらうことにしていたのだが,あまりにもしんどいので断って今日帰ることにしたためである.せっかく会えるのを楽しみにしていたのだが,月曜日からの仕事に支障を出したくなかったし,風邪を友人に移したくもなかったからである.友人には準備してもらって悪いと思いながらも,近年これほどしんどくなったことはなかって,これはやばいと思って断りを入れた.それからもっていた荷物をコインロッカーへ預けた.体調最悪なので少しでも楽していかないと大変なことになる.かなりゆっくり歩いたが30分弱で滝の下まで到着した.滝は見事である.落差350mということで,那智の滝や華厳の滝の3倍はあるという.落差33mの箕面の滝なんか比べものにならない.またすぐ横には雪解けの頃のみ水が流れるというハンノキ滝という滝がある.こちらは落差が500mもあり,非公認の日本一の滝である.もちろん今日は水は流れていなかった.滝を十分満喫した後,また来た道を戻る.舗装されたかんかん照りの道でだるい.バス停まで戻ってきたときはもう体調は最悪,早く寮で布団に入りたい〜.バスを待っている時間が辛い.40分くらい待っただろうか,ようやくバスが来て乗り込む.
立山駅に停車中の元京阪特急の富山地鉄10030形
▲立山駅に停車中の元京阪特急の富山地鉄10030形
 立山駅の近くで富山地鉄の踏切を渡ったとき,留置線にはサンダーバードが,そして駅ホームにはなんと元京阪3000系のオリジナル色の特急と元西武特急レッドアロー号が停まっているではないか,私は思わず感動してしまった.はやる気持ちを抑えて,私は土産を素早く買い済ませ,富山地鉄乗り場へと行く.私はもともと宇奈月温泉行きのアルペン特急3号に乗る予定だったので時間は比較的余裕があったが,すぐ出発の富山行きの列車があり,それが例の京阪特急であったためあわてて乗車することにした.なぜこの列車の存在を知らなかったかというとバスの到着時刻よりも前に出発することになっていたので,考えもしなかったためである.バスがかなり早着したため乗ることが可能となったようだ.元京阪特急こと富山地鉄10030形は,内装,外観とも小さい頃お世話になった京阪3000系そのものだったので,うれしくなった.同じ元京阪特急でも富山地鉄色に塗り替えられたものが多い中,今日乗るのは数少ない京阪特急時代のままの塗装である.富山地鉄,これがまたえらいゆっくりと走る.京阪特急とはえらい違いである.しかもワンマン運転である.終点富山が近づいてくるとスピードを出すようになってきたが,終点の電鉄富山まで1時間も要した.
 すぐにJR富山駅へ移動し,次の雷鳥号に乗ろうとするがちょうど出たとこのようで出発までかなり時間がある.みどりの窓口で指定席券を予約する.問題なく座席が確保できた.私が乗るのはスーパー雷鳥38号で,車両は古い485系を使用しているが,塗装や内装を変えてリフレッシュされている.駅でます寿司だけ購入し,車内へ入る.車内はガラガラで出発,金沢を過ぎてもそれほどは混んでこない.体調最悪なので安静にしているだけで何もする気が起こらない.ます寿司を食べた後はする事は何もない.福井になるとかなり混んできて私の隣にも乗客が乗ってきた.定刻に大阪駅に到着,すぐ快速に乗り換え須磨へ,そして普通電車と山陽電車に乗り換え9時頃寮に到着.すぐ布団に入ったことは言うまでもない.(完)

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