小鳥に あとがきより
こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
『小鳥に』をお届けします。
唐突で恐縮ですが、昨年六月に長年一緒に暮らしてきたオカメインコが永眠しました。
思えば出会いは高校生の頃でした。
その日帰宅すると既に庭先までうたうようにきれいな鳥の声がきこえてきていて、
その陽気さに引き寄せられるように自室に行くと、ぱっと翼を広げて楽しそうに私を迎えてくれたのを、
今でもはっきりと覚えています。
話を聞くと従兄弟の家の庭に迷い込んできていたところを捕まえたようだったのですが、
その家には猫がいるので、結局鳥好きの私がいる我が家にやってきたということでした。
あれから二十三年(才)。
ただ既に成鳥だったのでおそらくは二十五年(才)。本当によく長生きしてくれました。やさしい子でした。
そんな事もあり、今回のタイトルは『小鳥に』とさせていただきました。
さて、その他の出来事といえば、カフェ・カレドニアでのセッションデビュー。
おかげさまで曲のレパートリーや練習の幅もぐんと広がりました。
そして久し振りに山にハイキングに行きました。登山初級レベルに三回行ったのですが、
体力的には丁度良く、とても気持ちがよかったです。
またキエリ舎さんの陶器との出会いや、食べ物ではインドりんごのやさしくてどこか懐かしいような
おいしさにも驚き、あと、ホオジロカンムリツルの地元駅への飛来、宇宙からの
「はやぶさ」の帰還にもとても感動しました。
ただ残念だったのは九月で立原道造記念館が休館となってしまったこと。
会は継続されるようですが、やはり寂しくなってしまいました。
それからもう一つ、昨年暮れの大きな発見として山之口貘、萩原朔太郎の詩集がすんなりと読めたこと。
というのも以前の私はどちらの詩集を開いてもその詩に入り込むことができなかったのですが、
それが何故か読めるようになっていたという事実。何年かぶりに手にとってみて、のことだったので、
それがいつの頃とは断定はできませんが、つまりは私の側に何らかの変化があったのでしょう。
今は二人の詩集を味わいつつ、自身の変化にも驚きつつ…。
今回の詩集は、ほぼ日付順に並んでいます。この中に収めた詩の「小鳥に」を堺に失ったもの、
それでも変わらないものの両方を、これからも自分なりに受けとめていけたらと思います。
<2011.02.15 vol.125>