セント・パトリックス・ディ

先月。名古屋は大須で、アイルランドのお祭りである、セント・パトリックス・ディの パレードが行なわれました。 今年は始まる直前まで雨だったせいか、いつもあるブラスバンド演奏がなく、 全体的に小規模なものになってしまいましたが、フィドルやギター等の音楽隊と 私が所属するティン・ホイッスル隊は例年通り参加することができました。 私個人的にはパレードの後、大須観音の広場で音楽隊の人たちと少しだけですが セッションさせてもらえたことが新鮮でよかったです。

そして今年は夕方から大須演芸場に場所を移して舞台が設けられ、 関西からケルトの笛演奏家のhataoさんが来られて、前年同様またまた素晴らしい演奏を披露して下さいました。

さて、その勢いに乗せられて、私は翌週、東京で行なわれたパレードの様子を見に行ってきました。 場所は表参道。さすがにその規模の大きさに驚きました。 大須は商店街のアーケード内をパレードするのみなのですが、 東京はといえば名古屋でいう徳川の大名行列並みかと思うくらい。 もちろん車両通行止めです。例えば、バグパイプの人数は五十人ほど、 アイリッシュセッター(茶色の大型犬)も三十匹ほど。 ブラスバンドも五十人クラスが三部隊ほど、あと華やかなバトンやギネスビールの着ぐるみ、 フィドルやティン・ホイッスルの音楽隊はもちろん、U2のファンクラブらしき人たちも大音量の音楽を 流しながらパレードしていました。

その後、パレードが終わると私は表参道ヒルズへ移動を開始。 というのもアイリッシュ・ダンス「トリニティ」のダンサーとイリアン・パイプの演奏が 予定されていたため。まっすぐその特設舞台にたどりつくと運良く、その舞台のほとんど 真横の位置を確保することができました。 それも間もなく始まると、ダンサーの兄弟二人が素晴らしい足技とタップを見せてくれました。 目の前で、しかも久しぶりに見たのですが、あのダンスの掛け合いの見事さは何度見てもたまりません。 そして途中。パイプの人がティン・ホイッスルに楽器を持ちかえてソロで演奏した曲が ちょうどまさに私が練習していた「Dusty Windowsills」だったので(というのも、装飾音がたくさん入っていて 最初はその曲とはわからなかったのですが)偶然にも、きくことができて とても勉強になりました。たった一本の笛なのに、人が変わると曲も自在に変化する…。 まるで魔法のようでした。

そんな具合でおかげさまで、すっかりお祭り気分を堪能した一日となりました。
<2010.04.15 vol.117>

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