アキカラマツ

アキカラマツは現代では雑草でしかないが、かっては高名な薬草であった。
隣県である長野県の著名な民間薬で、高遠(たかとう)の城下町では昔から高遠草(タカトウグサ)と呼んだ健胃薬である。 キンポウゲ科の花なので、アルカロイドを含み、ウシイヤグサ(牛嫌草)とも呼ばれるように牛も食べない毒草ではあるが、処理をすれば苦味健胃薬となり、太平洋戦争中は正式な胃腸薬の代用として用いられたと言われる。
7月頃から淡黄白色の花を開き始めるが、花弁を持たず、花弁の様に見えるのはガクである。 このガクも早く落ち、雄しべの葯だけが目立つようになる。

アキカラマツ

花序の形を唐松(からまつ)の葉に見立てたカラマツソウ(唐松草)に似て秋風が吹き始める頃から咲くのでアキカラマツ(秋唐松)の名があるが、実際にはまだ夏の暑い時期に目立つ。

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