15 建て替えとリフォームどっちが得?
Q:今一戸建てに住んでいますが、建て替えにするかリフォームにするか悩んでいます。どっちが得でしょうか?
コスト面・プランでの比較のためにも、現状調査がまず必要
今お住まいになっている建物の状況、これからの生活設計、敷地の状況などによって、建て替えが良いかリフォームが良いかは違ってきます。 木造住宅の場合、最低50年はもつとも言われています。しかしこれも定期的にきちんとメンテナンスを行い、建物として良好な状態を保った場合の話です。
コスト面・プランでの比較のためにも、現状調査が必須となりますが、ここでは色々な項目に分けて、リフォームと建て替えのそれぞれの特徴についていくつか挙げていきます。
コスト面での比較
建て替えの場合、まだ十分に使える部分が有っても全解体するわけですから、リフォームに比べ廃棄物が多くその分コストもかかります。また建て替えの場合、仮住まいの準備や費用、引越し費用、登記の費用などの出費が加算されます。
リフォームの場合は、使える部分をそのまま利用するので、廃棄物が少なくて済み、その分のコストを削減できます。リフォームのメリットは、建て替えに比べ総工事額が少なく済むところにあります。
しかしリフォームには建て替え工事にはかからない手間がかかるため、工事単価は割高になります。
コスト面での比較をする場合には、工事費用だけでなく総額がいくらになるのかを良く考え、建て替えに必要な費用の7割以上かかってしまうようなリフォームになるのであれば、建て替えを選択されたほうが良いでしょう。
構造体に大きく手を入れる場合
シロアリの被害や腐食が酷く、土台や柱等の構造部分に大掛かりな工事が必要な場合や、ライフスタイルの変化により間取りの大きな変更が必要となり構造的に今と全く違った形状になる場合は、リフォームより建て替えを選択したほうが良いケースがあります。
例えば子供が巣立ち子供部屋が不要になった、二世帯で住む等のライフスタイルの大きな変化があると、住むのに快適な間取りも大きく変わってきます。 勿論リフォームでも大きな間取りの変更は可能です。その場合は構造的に問題が無いかどうかを確認し、補強工事と並行して工事を行なうことになります。
補強工事は内部にある構造体に手を加えるわけですから、周りの壁や天井などを壊しての工事になる場合が多く、当然その分の費用も発生します。
プランによる比較
建て替えのメリットは何と言ってもプランの自由度にあるでしょう。リフォームの場合は、既存の構造によってプランの制限がでてきます。 また階段の移動、廊下の巾を広げる等という工事は構造部分が大きく絡んだ工事になるので、当然工事費も多くかかります
。
構造によりリフォームが制限される場合
構造部分に手を入れるような大掛かりな増改築の場合は、その家を建てた構造と同じ構造で増改築するのが原則です。
勿論他の構造で行うこともできますが、プランと構造計算が複雑になりますので、それらををきちんと行なってもらえるのかを確認しておきましょう。
法律により建て替えが制限される場合
条令や建築基準法の改正により土地に様々な制限がかかり、建て替えると今の家よりも小さな家しか建てられないという場合が有ります。
またリフォームでも構造部分を大きく変えるような大掛かりなリフォームや、大掛かりな増築であれば確認申請が必要です。地域によっては小さな増築でも確認申請が必要な場合があります。
こだわりの部分
リフォームでキッチン工事に何百万円も掛かったなどという話が有りますが、それは工事費が割高だからそうなったという事ばかりが原因ではありません。 新築なら例えば総工事額3000万円の中でのやりくりとなり、キッチン工事はたくさん有る工事の中の一部という扱いですが、キッチンだけのリフォームという話になると、そこに集中し、ついこだわりたくなるのが人情です。
新築と部位別にリフォームする場合とを比べると、リフォームのほうがその部分へかける金額が高くなる傾向にあるようです。 使える部分はそのまま残し、こだわりの部分にお金をかけるというのもリフォームのメリットの1つでしょう。
All Aboutのリフォームコラムで、建て替えかリフォームで迷ったら、どちらを選べばよいか具体的に判断する方法をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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