15 建て替えとリフォームどっちが得?
新築とは違うリフォームならではの手間
リフォームには建て替えには無い、リフォームならではの手間や工程があります。
取り合い部分の工事手間
リフォームは解体、補修しながら既存部分に合わせて新規部分を造作する工事が多く存在します。「既存と新規の取り合い部分」の工事と呼ばれるものです。
例えばリフォームで壁を補修する工事と言うのは、そこだけお豆腐を切るようにスパっと切って、また継ぎ足すというような工事ではありません。 少し大きめに壊し、新しい部分を作った後、既存部分にかかるように大きめに防水や塗装などの補修を行ないます。そうすることによって継ぎ目から水が漏ったり、割れてきたりしまうのを防いでるわけです。
建て替えの場合は古い家屋を機械などで一気に解体します。しかしリフォームでは、少しづつ丁寧に壊していく必要があるので、その分手間代が掛かるというわけです。
養生の手間と費用
既存の部分を工事中に傷つけないようシートや合板、布などで覆う作業を養生といいます。 新築時にも既に先に作った部分が傷つかないように養生を行いますが、リフォーム時のほうが既存部分との取り合い工事が多いため養生費が多くかかります。
また工事中は照明器具や設備機器など再利用するものが有れば、それらは廃棄物とは違い、再利用できるような取り外し方法が必要です。住みながらの工事の場合、現在使っている家具等の養生も必要になるので、その分費用が掛かります。
間取りの変更に伴う補強
リフォームの場合、壁を撤去したり、間取りを変えるためには既存の建物を構造的に補強する必要が有る場合があります。この場合はその補強費用が必要になります。
例えば壁を壊し大きなワンルームにする場合、柱と柱の間に梁を新たにかけて補強する必要が出てくる場合があります。 梁は大抵天井裏に有りますから、天井を一旦壊し、梁をかけてからまた天井を作るという費用が必要になるわけです。
下地の補修など
前にある物を撤去してから作り直すわけですから、その部分の下地処理や補修が必要になる場合があります。 新築の場合は新しい下地板にクロス張りを行ないます。勿論その場合でも下地を平滑にするための下地処理は必要です。
しかしリフォームの場合は古い壁紙をはがしてからの工事ですので、下地が凸凹になり易く下地の補修が必要になる場合があります。
それぞれの費用を出してから比較する
ライフスタイルの変化は流動的で簡単には決められないものですが、できれば少なくともこの先10年はどういう暮らし方をするのかを良く考え、それぞれのメリット・デメリットを各ご家庭の状況にあわせてじっくり検討されると良いでしょう。
築25年ほどで建て替えるというお話を聞くと、やはりもったいないと思います。逆にまだそれほど築年数が経っていなくても、既に建て替えたほうが良いと思われるほど傷んでいる家も有ります。
まずは今の家の状態を良く把握すること。そして、腐食など不具合があったら、直すのにいくら掛かるかなど、正確な費用を出してから比較してみて下さい。
こまめなメンテナンスと適時でのリフォームで、できるだけ家を長く大切にして頂けたらと願っています。