最判昭和50年5月27日(集民115号1頁(昭和50年(オ)第54号))

(原審:東京高判昭和49年9月18日(昭和48年(ネ)第1730号))

<判決>
 上告棄却。
「上告代理人新長巖の上告理由について。
 実用新案法26条は特許法70条を準用しているから,実用新案の技術的範囲は,登録請求の願書添付の明細書にある登録請求の範囲の記載に基づいて定められなければならないのであるが,右範囲の記載の意味内容をより具体的に正確に判断する資料として右明細書の他の部分にされている考案の構造及び作用効果を考慮することは,なんら差し支えないものといわなければならない。そして,本件登録実用新案の構造及び作用効果に関する原審の認定判断は,原判決(その引用する第一審判決を含む。)挙示の証拠及びその説示に照らし,首肯することができ,これによれば,本件登録実用新案の所論技術的範囲に関する原審の判断は,正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく,論旨は採用することができない。
 よつて,民訴法401条95条89条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。」