調整
主な調整箇所は次の3点です。
1.直結されているカソードフォロア段から出力管のバイアス調整
2.出力管のハムバランス
3.NFBによるダンピングファクターの調整
調整の前にNFB用のフィードバック抵抗をはずして起きます。(120Ω)
まずカソードフォロア段からの、出力管のバイアス調整ですがPT15を抜いておき6AQ5に所定の電圧が出ているか確かめます。PT15は▲22Vから▲16V位のバイアス値で使いますので6AQ5のカソード電圧がグリッド側のバイアス調整VRで上記範囲内で可変できるか、チェックしておきます。
電源を切った後PT15をさしてPT15のカソード側4.7Ωとグランド側へテスターをつなぎ電流モニターとします。電源をいれ落ち着いたところでPT15の電流を調整します。プレートに350Vかかっていますと、≒85mA(4.7Ω両端で約0.4V)で最大定格(30W)となりますので80mA前後になるように先ほどの6AQ5バイアス用VRで設定します。
次にハムバランスですが出力トランスの8Ωへダミー抵抗をつなぎACレンジにしたテスターかオシロスコープをつなぎ、PT15のカソードハムバランス抵抗(50Ω)を調整します。私の場合ボリュムは使わずどちらか一方の50Ωに並列に数KΩ〜数百Ωの抵抗を下がる方向で並列につないでいき調整しています。なれない方は各々カソードに入っている50Ωを100Ωの巻き線型大型のVR(ハムバランサー)に換え、調整してください。VRには2〜3Wの容量が必要です。それでも25mV程度100Hzのハムが残りました。
ここまできたら入力に1KHz程度の正弦波を加えて最大出力の確認を行います。ダミー抵抗の両端にオシロをつなぎ最大出力時に上下波高のどちらが先にクリップするかチェックします。同時にクリップするように先ほどのPT15バイアス値を若干変えてみます。この際、最大定格を超えないようにPT15の電流値を観察しながら行います。またこの場合の入力値もチェックします。
この調整が終わった後でNFB用抵抗(120Ω)をつなぎ最大出力時の入力の値を、NFBをかけない時の値を比較しNFB量を推測します。(簡易的ですが)
同時に無信号時の出力の残留ノイズを測定しますとNFB量に応じて下がっていることを確めます。先ほどのハムバランスですがNFBをかけないと25mV程度100Hzのハムが残っていましたが、おおよそ1/3以下になっていました。今回はPT15のヒーターを交流点火にして見ましたが、何とか使えるレベルでしょう。静かな部屋で93dBのスピーカに耳を近づけると確認できる程度です。これ以下にするには直流点火にしないといけません。ですが交流点火にしたほうがフィラメントに均一に負荷がかかりますのでフィラメントに無理がかかりません。直流点火にすると0−6.3Vの差があり、両端でのバイアス値が異なり、流れている電流値が平均化されないわけです。
ですからオーディオ用の2A3が2.5Vなのは意味があるわけです。300Bは劇場用拡声器向けの球ですので扱いやすいように5Vなのです。当時の100dBをこえるような高感度なスピーカでも2A3なら交流点火+ハムバランサーで十分だったわけです。
以上でおおまかな調整が出来ました。
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