レコード漁り 　　　中村　誠治

　私の誕生祝いに、伯父が自分で組み合わせた電蓄を父にプレゼントしたらしいです。それも私の絶好の玩具となりました。その電蓄も太平洋戦争中に音楽好きの若者に懇願され、ラジオと交換致しました。レコードは手元に残したままで、戦後映画やラジオで西洋音楽に熱中しましたが、再生装置もなく、レコードまで手が届きませんでした。
　しばらくしてＬＰレコードが出現、子歳の性もあり、営々と再生装置のグレードアップとＬＰを集めました。ある機会に戦前のＳＰレコードの良さを知りのめり込みました。これは海外のオークションを通じたものに頼っております。
　フリーマーケットや寺社の境内での露天市で中古レコードが並ぶ昨今、若い時に買い忘れたものを格安で手に入れる時もあります。ウラニアのエロイカのその中に含まれます。大量に店頭に並んでいると元の持ち主の趣好が偲ばれます。ＣＤ中心の時代レコード店での購入もだんだん減って参りました。これより聴覚が衰えないうちに、ライブも含めて聴く時間を大切に致します。