チャーノフの顔グラフ1 |
作成日:2001-06-02 最終更新日: |
私は製図が苦手である。しかし、技術者のはしくれたる者、 最低限の図は描かないといけない。 字が下手な人にはワープロがある。では、図が下手な人には何があるのか、考えてみた。 10年ほど前には、PostScript という一種の図形描画言語を調べてみようとしたが、 挫折した。 そして今は、WebやXMLを利用した、図を書きやすい環境が出てきている。 それが SVG (Scaled Vector Graphics)である。
SVG を利用してかねてから実現してみたい、と思ったことがある。それは、 顔を書くことである。ただ顔を書くだけでは能がないから、 統計の表現技術として有名な、チャーノフの顔グラフ(顔型グラフ)を書くことにした。 必要最小限の技術を覚えて、見よう見まねで書いてみることにした。
チャーノフの顔グラフとは、複数の変数を同時に表し、比較する方法である。 変数の量の表示に顔の特徴を用いるので顔グラフと呼ばれる。 顔グラフでは、計18種類まで変数が表示できる。 変数は、最小値と最大値をそれぞれ0と1になるよう、線形変換で規格化しておく。 規格化した変数と顔の特徴関係は以下の通りである。
番号 | 特徴 |
---|---|
1 | 顔の太さ(中心からほお骨までの距離) |
2 | ほお骨の上下位置 |
3 | 顔の長さ(中心から頭頂までの距離) |
4 | 額(顔の上半分)のふくらみ |
5 | 顎(顔の下半分)のふくらみ |
6 | 鼻の長さと顔の長さの比 |
7 | 口の上下位置 |
8 | 口の笑い具合(口を描く円弧の半径) |
9 | 口の大きさ(口の幅) |
10 | 目の縦方向の位置 |
11 | 目の横方向の位置 |
12 | 目の傾き |
13 | 目のふくらみ(形) |
14 | 目の幅 |
15 | 瞳の横方向の位置 |
16 | 眉の位置 |
17 | 眉の傾き |
18 | 眉の長さ |
その後の例では、鼻に幅を持たせたり、耳をつけたりして、 変数の特徴がより明確になる工夫をしているところもある。
さて、顔グラフを SVG で描く時に問題がある。 もとの顔グラフでは、頭や顎の輪郭、口の形などに楕円の弧を用いる。 しかし、手元の資料では、SVGに楕円の弧を表現する手段は載っていなかった。 そこで、楕円の弧の代わりに、ベジエ曲線を使ってみた。いかがだろうか。
チャーノフの顔グラフです。その後の調べで、SVGに楕円の弧を表現する手段があることがわかった。 次項で報告する。
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