E・マオール:ピタゴラスの定理 |
作成日: 2010-01-31 最終更新日: |
副題は「4000 年の歴史」。
まずは、紀元前 1800 年、メソポタミア文明でピタゴラスの 3 数、すなわち直角三角形になる 3 辺の長さの組が知られていたことが語られる。 これは驚きである。
昔、私が読んだ本では、エジプト文明で直角を作るときに、和になった縄を 3:4:5 に分けて直角を作り、それをもとにピラミッドを作った、 ということが書いてあったような気がする。 ところが、同書によれば、エジプト文明の遺産で、ピタゴラスの定理を表すものは未だに見つかっていないという。 残念である。
p.55 に、図3.4 として「著者の高校の幾何の教科書の中にあるピタゴラスの定理」が掲載されている。
見ると、ヘブライ語のように見える。著者はユダヤ人なのだろうか。
末尾を見ると、イスラエルのテクニオンで博士号を取得
とあるから、ユダヤの人なのだろう。
ピタゴラスの定理の拡張として、2次元から3次元、さらには有限次元から無限次元に、 それも可算無限次元だけでなく非可算無限次元まで持っていくことができる。 そうしてできたのが関数空間であると思うと感無量である。
p.284 には、図16.1 としてモーツァルトのピアノ協奏曲 No.16 (K.451) の最初のページが掲載されている。 これには驚いた。リズムの動機としてわざわざ音符が書かれているのである。それも、付点音符がある、ということで。 ついでに、モーツァルトのピアノ協奏曲の冒頭が、いかに付点音符が多いか見てみよう。
書 名 | ピタゴラスの定理 |
著 者 | E・マオール |
発行日 | 2008年2月27日(第1版) |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 2800円(本体) |
サイズ | A5 |
ISBN | 978-4-00-005878-0 |
備 考 | 南越谷図書館で借りて読む |
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