「はじめに」から引用する。
この本を手に取られた皆さん、私と一緒に、ゆっくりと、数学の世界を楽しんでください。
次の問題が p.173 にある。1973 年度東京大学理科第1問である。
`S` を中心 `"O"`,半径 `a` の球面とし,`"N"` を `S` 上の 1 点とする.点 `"O"` において線分 `"ON"` と `pi/3` の角度で交わるひとつの平面の上で,点 `"P"` が点 `"O"` を中心とする等速円運動をしている. その角速度は毎秒 `pi/12` であり,また `bar("OP") = 4a` である.
点 `"N"` から点 `"P"` を観測するとき,`"P"` は見えはじめてから何秒間見えつづけるか.また `"P"` が見えはじめた時点から見えなくなる時点までの,`bar("NP")` の最大値および最小値を求めよ. ただし球面 `S` は不透明であるものとする.
本書 p.173 にある問題の解説では、球面は地球、`"N"` は北極でなくて、Nippon、点 `"P"` は人工衛星ですね。
とある。一方、「東大の数学入試問題を楽しむ」では、同一問題に対して、
`"O"` は球に見立てた「地球」の中心,球面 `S` は「地球表面」に相当すること,`"N"` は「北極」(north pole),`"P"` は `"O"` を中心として地球半径の 4 倍の半径を円軌道を回転する「人工衛星」を話題とした問題であることが
《見えて》くるはずである。
とある。どちらが正しいかは定かではないが、どちらの解釈でも求める答は同じであるのが数学のいいところだ。
書名 | 数学が面白くなる 東大のディープな数学 |
著者 | 大竹真一 |
発行日 | 2016 年 8 月 16 日(初版) |
発行元 | KADOKAWA |
定価 | 1000 円(本体) |
ISBN | 978-4-04-600204-4 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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