副題は「数学のクラシック鑑賞」。
次の問題が p.83 にある。1973 年度東京大学理科第1問である。
`S` を中心 `"O"`,半径 `a` の球面とし,`"N"` を `S` 上の 1 点とする.点 `"O"` において線分 `"ON"` と `pi/3` の角度で交わるひとつの平面の上で,点 `"P"` が点 `"O"` を中心とする等速円運動をしている. その角速度は毎秒 `pi/12` であり,また `bar("OP") = 4a` である.
点 `"N"` から点 `"P"` を観測するとき,`"P"` は見えはじめてから何秒間見えつづけるか.また `"P"` が見えはじめた時点から見えなくなる時点までの,`bar("NP")` の最大値および最小値を求めよ. ただし球面 `S` は不透明であるものとする.
本書 p.83 にある問題の解説では、`"O"` は球に見立てた「地球」の中心,球面 `S` は「地球表面」に相当すること,
`"N"` は「北極」(north pole),`"P"` は `"O"` を中心として地球半径の 4倍の半径を円軌道を回転する「人工衛星」を話題とした問題であることが
《見えて》くるはずである。
とある。一方、「東大のディープな数学」では同一問題に対して、
球面は地球、`"N"` は北極でなくて、Nippon、点 `"P"` は人工衛星ですね。
とある。
どちらが正しいかは定かではないが、どちらの解釈でも求める答は同じであるのが数学のいいところだ。
書名 | 東大の数学入試問題を楽しむ |
著者 | 長岡亮介 |
発行日 | 2013 年 2 月 10 日 第1刷発行 |
発行元 | 日本評論社 |
定価 | 2200 円(本体) |
サイズ | A5 判 |
ISBN | 978-4-535-78580-9 |
備考 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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