本分冊では、数理物理に現われる偏微分方程式Ⅰの続きとして、 波動方程式、連続体力学における偏微分方程式、マックスウェル方程式、シュレディンガー方程式について述べる。
本書は「岩波講座 基礎数学」全 24 巻( 79 分冊) のうちの第 22 回配本のうちの 1 冊である。
あとがきには、いろいろ本書を補うことが書かれている。p.338 から引用する:
第7章から第10章は,具体的な物理現象に, より密着した方程式の列伝的紹介であるが, 第6章までが予想以上の紙数を費したために圧迫を受け, 準備したいくつかの内容を割愛せざるを得なくなった.たとえば, 数学的にも現在興味が深まっている Korteweg-de Vries(KdV) 方程式や Boltzmann 方程式の紹介が落ちてしまった.
落ちてしまった理由は致し方ないが、落ちてしまった方程式の記述を見てみたかった。ちなみに、 KdV 方程式は空間定数 `x` と時間定数と `t` 、そして実数のパラメータ `alpha` と `beta` にたいして、 次の通り表わされる:
p.263 からはマクスウェル方程式についての解説である。 マクスウェル方程式は CGS のガウス単位系で書かれている。まあ、私には MKSA で書かれていてもわからない。 でも、こんなことばがかっこいい(p.266)
はじめに直感があった(Faraday).これから数感が生じた(Maxwell). そして数感は最終的に基本方程式に定式化されてあます所がない(P. Hertz).
この P. Hertz とは誰のことかはわからない。なお、Maxwell が導出した多くの式を現在の式にまとめたのは、 ハインリヒ・ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz)である。
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 数理物理に現われる偏微分方程式Ⅱ |
著 者 | 藤田宏, 池部晃生, 犬井鉄郎, 高見穎郎 |
発行日 | 1979 年 2 月 23 日(第1刷) |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | |
サイズ | A5版 161 ページ から 341 ページ |
ISBN | |
その他 | 岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む |
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