藤田宏, 池部晃生, 犬井鉄郎, 高見穎郎:数理物理に現われる偏微分方程式Ⅱ

作成日:2021-10-12
最終更新日:

概要

本分冊では、数理物理に現われる偏微分方程式Ⅰの続きとして、 波動方程式、連続体力学における偏微分方程式、マックスウェル方程式、シュレディンガー方程式について述べる。

本書は「岩波講座 基礎数学」全 24 巻( 79 分冊) のうちの第 22 回配本のうちの 1 冊である。

感想

あとがきには、いろいろ本書を補うことが書かれている。p.338 から引用する:

第7章から第10章は,具体的な物理現象に, より密着した方程式の列伝的紹介であるが, 第6章までが予想以上の紙数を費したために圧迫を受け, 準備したいくつかの内容を割愛せざるを得なくなった.たとえば, 数学的にも現在興味が深まっている Korteweg-de Vries(KdV) 方程式や Boltzmann 方程式の紹介が落ちてしまった.

落ちてしまった理由は致し方ないが、落ちてしまった方程式の記述を見てみたかった。ちなみに、 KdV 方程式は空間定数 `x` と時間定数と `t` 、そして実数のパラメータ `alpha` と `beta` にたいして、 次の通り表わされる:

`(delu)/(delt) + alpha u (delu)/(delx) + beta (del^3u)/(delx^3) = 0`
ボルツマン方程式は難しいので省略する。

p.263 からはマクスウェル方程式についての解説である。 マクスウェル方程式は CGS のガウス単位系で書かれている。まあ、私には MKSA で書かれていてもわからない。 でも、こんなことばがかっこいい(p.266)

はじめに直感があった(Faraday).これから数感が生じた(Maxwell). そして数感は最終的に基本方程式に定式化されてあます所がない(P. Hertz).

この P. Hertz とは誰のことかはわからない。なお、Maxwell が導出した多くの式を現在の式にまとめたのは、 ハインリヒ・ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz)である。

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書 名数理物理に現われる偏微分方程式Ⅱ
著 者藤田宏, 池部晃生, 犬井鉄郎, 高見穎郎
発行日1979 年 2 月 23 日(第1刷)
発行元岩波書店
定 価
サイズA5版 161 ページ から 341 ページ
ISBN
その他岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む

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MARUYAMA Satosi