「まえがき」から引用する。
さて,本書の基本的な姿勢は,タイトルの一部にもある「徹底入門」である.(後略)
第 1 部は《「微分のことは微分でせよ」とは 謎とその解明》と題されている。 著者は高木貞治が言ったとされるこのダジャレについて、原典を調べている。その謎が解明された結果、 高木本人は、「ビブンのことはビブンでせよ」には真っ向から反対だったということが明かされる。 これには驚いた。なお、第1部の末尾に附録があり、有限増分定理や項別微分の定理、 および項別微分の定理の精密化が述べられていて有用である。
第2部の第3章は「有界収束と積分」である。関数列の極限(本書では関数を「函数」と表記している) について、p.052 に図 1 として次の関数が示されている。
函数列は開区間 `(0, 1)` で広義一様に 0 に収束するが,積分値のほうは
`int_0^1 varphi_n(x)dx = 1`だから 0 には近づかない.(後略)
この図 1 を見て、似た図を思い出した。 同時期に読んでいた高橋陽一郎「微分と積分 2」の魔女の帽子とほとんど同じではないか。 いろいろな本を読んでみるものだ。
このページの数式は ASCIIMathML で記述している。
書名 | 徹底入門解析学 |
著者 | 梅田亨 |
発行日 | 2017 年 2 月 25 日 第1版第1刷発行 |
発行元 | 日本評論社 |
定価 | 3000 円(本体) |
サイズ | A5 版 267 ページ |
ISBN | 978-4-535-78798-8 |
NDC | 413 |
備考 | 川口市立図書館で借りて読む |
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