p.1 の「はじめに」から引用する:
“解析入門” の最後の分冊をなす本講では,Fourier 級数・変換,常微分方程式, 超関数(distribution) の初等的な解説を行なう.
本書は「岩波講座 基礎数学」全 24 巻( 79 分冊) のうちの第 24 回配本のうちの 1 冊である。
本冊の内容は、同じ「岩波講座 基礎数学」 の数理物理に現われる偏微分方程式Ⅰとも関係が深い。 実際、この偏微分方程式Ⅰにあった問題を解くのに、本書の pp.7-9 を使った。 この内容について、本書を見てほしい。
p.85 にはこんな記述がある。
おそらく読者は常微分方程式と初対面ではあるまい.高校の微積分のカリキュラムにも
`(dy)/(dx) = ky + l` (`k, l` 定数)程度の微分方程式が含まれているからである.
どうも、現在(2021 年現在)の高校数学のカリキュラムには、微分方程式そのものが含まれていない。 文部科学省が、2018 年 (平成 30 年)7 月発行した 「学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 数学編 理数編」によれば、 2022 年度から実施する指導要領では、理数科の理数数学Ⅱにのみ微分方程式ということばが現れる。
私が高校生だった頃はどうだったか。私は普通科だったが、高校3年で学ぶ数学には微分方程式があり、 `(dy)/(dx) = ky + l` より高い程度の微分方程式まで解く練習をした覚えがある。
一つは問題を解こう。p.133 の問題1である。
1 `y = ux` とおくことにより
`(dy)/(dx) = y/x + (y/x)^2`を解け.また一般にこの変換により`(dy)/(dx) = f(y/x)`の形の微分方程式は変数分離形に帰着されることを示せ.
`y = ux` の両辺を `x` で微分して、`(dy)/(dx) = x(du)/(dx) + u` 。これを微分方程式に代入すると、
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 解析入門Ⅴ |
著 者 | 藤田 宏 |
発行日 | 1979 年 9 月 25 日 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | |
サイズ | A5版 387 ページ から 482 ページ |
ISBN | |
その他 | 岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む |