「はじめに」から引用する。
さあ,それでは,100 年前にタイムスリップし,当時の東大受験生になったつもりでチャレンジしてみましょう!
本書は「問題編」と「解答・解説編」に分けられている。解答・解説編は第1章から第5章まである。扱われている題材を解くには、大学2年生までの数学および物理が必要と思われる。 もっともそれでも、大変な問題もある。
pp.214-215 に問題 069 とその解答がある。
069 紙上に描かれた放物線がある。定規とコンパスを用いてその軸を求める方法を述べよ。
p.3 では、国会図書館で見つけた、現代の入試問題にない問題
という見出しで、昔の入試問題を著者が見たときの驚きが述べられている。
本書の収められた問題は確かに、現代の大学入試問題にはない問題が多いが、現代でも大学入試問題として通用する問題もある。たとえば、次の問題などはどうだろうか。
051 `int_0^oo abs(sinx)e^-xdx` を計算せよ。
本書の pp.170-171 にこの問題と解答が掲載されている。この解法を見る限りは、現代の高校数学でも十分理解できると思う。 ただ、実際の大学入試問題として広義積分は表向きには出せない。だから、佐久間一浩:特異点のこころえで紹介されているような体裁をとるのがいいと思う。
グラフは defghi1977 氏のSVGGraph.js(defghi1977.html.xdomain.jp) を用いている。
書名 | 100 年前の東大入試数学 |
著者 | 林俊介 |
発行日 | 2022 年 8 月 16 日(初版) |
発行元 | KADOKAWA |
定価 | 1400 円(本体) |
ISBN | 978-4-04-605616-0 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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