カバー裏から引用する。
第Ⅱ巻では,マクスウェル方程式を基礎として,電磁波と物質中の電磁現象について学ぶとともに, 「相対性理論」「解析力学」「量子力学」を,それぞれをテーマとした教科書とは異なる,電磁気学の立場から解説する.
この本を読んでわかるところは皆無である。それでも、かじりつかなければならない。なお誘電率を本書では $ \epsilon $ と記しているが以下の引用では `epsilon` とする。
第 12 章 p.301 から引用する。
電磁場の基本方程式はファラデイの法則とアンペール - マクスウェルの法則
`nabla xx `$ \boldsymbol{E} + \dot{\boldsymbol{B}} $`= 0, nabla xx` $ \boldsymbol{B} $ `- ` $ \mu_{0} $`epsilon_0` $ \dot{\boldsymbol{E}} $ `= mu_0`$ \boldsymbol{J} $
である.これをマクスウェル方程式という.
あれあれ、後者のアンペール - マクスウェルの法則の $ \boldsymbol{D} $ や $ \boldsymbol{H} $ はどこにいったのだろうか。
第 12 章 p.303 から引用する。
ここで,ダランベール演算子(波動演算子ともいう)
`square^2 = mu_0epsilon_0(del^2)/(delt^2) - nabla^2 = 1/c^2 (del^2)/(delt^2) - nabla^2`
を定義した.コーシーに従って `square` と書くことも多い.また符号が逆の定義もある.
小出らの電磁気学演習では、ダランベール演算子は `square` である。
本書の p.606 ではこう書かれている。
拙著ではパーセル,ファインマンに与して,$ \boldsymbol{D} $,$ \boldsymbol{H} $ を電磁場と認めない立場を取ったが,
そういうことなのか。マックスウェル方程式では、 $ \boldsymbol{E} $,$ \boldsymbol{B} $ ばかりでなく、$ \boldsymbol{D} $,$ \boldsymbol{H} $ も基本量とするアプローチをとっている。
第 14 章 p.380 から引用する。ここで `g` はオームの法則 $ \boldsymbol{J} = g \boldsymbol{E} $ における比例係数である。
電磁場の満たす方程式(中略)はそれぞれ \[ \square^2 \boldsymbol{E} = -\mu_0 g \frac {\partial \boldsymbol{E}}{\partial t} , \square^2 \boldsymbol{B} = \mu_0g \nabla \times \boldsymbol{E} = -\mu_0 g \frac {\partial \boldsymbol{B}}{\partial t} \tag{14.19} \] になる.後者ではファラデイの法則を使った.こうして,電場と磁場は同じ形の微分方程式(電信方程式)を満たす.
同じく第 14 章 の pp.405-406 から引用する。ここで `C` は単位長さあたりの静電容量、`L` は単位長さあたりの誘導係数、`I` は電流、`V` は電位差、`R` は抵抗、`K` は漏電率を表す。
ヘヴィサイドはさらに抵抗と漏電率を加えた電信技手の方程式と呼ばれる一般的な方程式を 1881 年に導いた.(中略) ヘヴィサイドの電信技手の方程式
`LC(del^2V)/(delt^2) - (del^2V)/(delz^2) + (RC + KL) (delV)/(delt) + KRV = 0`である(後略).
電信方程式と電信技手の方程式は違うということがわかった。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 電磁気学Ⅱ |
著者 | 太田浩一 |
発行日 | 2000 年 10 月 20 日 |
発行元 | 丸善株式会社 |
定価 | 3200 円(本体) |
サイズ | A5版 |
ISBN | 4-621-04805-8 |
その他 | 草加市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 太田浩一:電磁気学Ⅱ