鳥脇 純一郎:認識工学

作成日 : 2015-12-26
最終更新日 :

概要

本書ではパターン認識の基礎的な事柄を系統的に解説している。

感想

パターンの本質的な次元

p.102 では次のような例が述べられている。ある 2 次元パターン `bbx = (x_1, x_2)` が、次で表されているとする。
`x_1 = a_1 + r cos theta`
`x_2 = a_2 + r cos theta`
ここで、`a_1, a_2` は定数、`theta` は `[0, pi]` で一様分布をしていて、`r` は平均値が 1 で分散が非常に小さい正規分布に従って発生すると仮定する。
このとき、パターンは `theta` のみに着目した 1 次元パターンとみても差し支えないのに、`x_1-x_2` の空間で主成分分析を行ってもこの事実は見つけられない。 この例では、パターンの本質的な次元は 1 次元であるにもかかわらず、`x_1-x_2` 空間で主成分分析しても、1 次元であることはわからない。 この、本質的な次元 ( intrinsic dimensionality ) を知ることは困難かつ未解決問題とされている。

同書では[Fukunaga 91]を見よ、と書いてあるので、福永氏の本を見るとわかるのかもしれない。

書誌情報

書 名認識工学
著 者鳥脇 純一郎
発行日1993 年 3 月 15 日
発行元コロナ社
定 価 円(本体)
サイズA5 判 ページ
ISBN4-339-01059-6
NDC007

まりんきょ学問所コンピュータの部屋コンピュータの本画像処理・パターン認識 > 鳥脇 純一郎:認識工学


MARUYAMA Satosi