本書ではパターン認識の基礎的な事柄を系統的に解説している。
p.102 では次のような例が述べられている。ある 2 次元パターン `bbx = (x_1, x_2)` が、次で表されているとする。
`x_1 = a_1 + r cos theta`
`x_2 = a_2 + r cos theta`
ここで、`a_1, a_2` は定数、`theta` は `[0, pi]` で一様分布をしていて、`r` は平均値が 1 で分散が非常に小さい正規分布に従って発生すると仮定する。
このとき、パターンは `theta` のみに着目した 1 次元パターンとみても差し支えないのに、`x_1-x_2` の空間で主成分分析を行ってもこの事実は見つけられない。
この例では、パターンの本質的な次元は 1 次元であるにもかかわらず、`x_1-x_2` 空間で主成分分析しても、1 次元であることはわからない。
この、本質的な次元 ( intrinsic dimensionality ) を知ることは困難かつ未解決問題とされている。
同書では[Fukunaga 91]を見よ、と書いてあるので、福永氏の本を見るとわかるのかもしれない。
書 名 | 認識工学 |
著 者 | 鳥脇 純一郎 |
発行日 | 1993 年 3 月 15 日 |
発行元 | コロナ社 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | A5 判 ページ |
ISBN | 4-339-01059-6 |
NDC | 007 |
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