フォーレ:チェロのための作品

作成日 : 1998-10-24
最終更新日 :

1. フォーレのチェロ曲

フォーレにはチェロのための曲が多くある。規模が大きなソナタが2曲と、 規模が小さい小品がいくつかある。これらは次の通りである。

このほかにも、2台のチェロのための作品や、チェロとオルガンのための作品もある。

以上はフォーレオリジナルのチェロのための作品だが、他者による編曲でも多い。 最も有名なのは、カザルスの編曲による「夢のあとに」であろう。 このページでは主に2曲のチェロソナタをまとめて紹介し、個別の曲はそれぞれのリンク先で述べる。

2. フォーレのチェロソナタ

フォーレには、チェロソナタが2曲ある。 第1番ニ短調( Op. 109 ) と、 第2番ト短調(Op.117)があるが、 どちらも人気は今一つである。 フォーレの中でも影が薄いのはどういうことだろう。曲が短くて、地味だからか。

ヴァイオリンソナタの第2番に次いで、また例に出して恐縮だが、 音楽評論家の渡辺和彦さんは次のように書いている。

フォーレの(中略)チェロ曲ではソナタ2曲よりも「エレジー」作品24と「シチリアーノ」作品78が、 編曲では「夢のあとに」作品7−1が人気で、後の3曲はチェリストの大切なレパートリーになっている。

実際リサイタルで演奏されたり、CDに録音されたりする数をみても、これにはその通り、といってうなずくしかない。 でも、それでいいのか?

私は下手の横好きでチェロをやっていることもあり、チェロの曲は多少ひいきしている。 しかし、こう言っては身も蓋もないのだが、 他の(大規模)室内楽に比べてフォーレのソナタを聞く時間はそう多くない。 やはり地味だと思うからである。それでも魅力的なのは確かで、少しよしなしごとを書き付けよう。

3. 今後の発展

エリザベス・カウリングの「チェロの本」には、 フォーレの二つのソナタは、もっと演奏され多くの人々に聞かれるべき作品である、 という記述がある。 チェロの作品としてもやはり他の作曲家に押されてしまう。 たとえば、なんといってもドビュッシーのは強力ですからね。

所持しているが聴いていない音源

今はありません

未所持で聞いていない音源

その他、聞いていない音源には次のものがある。特記なきものは第1番と第2番の双方が入っている。

5. よしなしごと

学生のころ、たまたま東京都文京区の区立図書館をよく利用していた。 その中の小石川図書館は、 なんとフォーレのチェロソナタの楽譜が1番、2番とも図書として備えてあった。 早速借り出した。

6. 新たな発見

チェロソナタ第1番は、出だしがDとA、つまり主音と属音しかない。 これは 五重奏曲第2番の冒頭と同じである。 また、舟歌第11番も、冒頭が主音と属音だけである。 この3曲に共通するのは、フォーレが全力を出している、ということだ。 ストロング・スタイルということばがふさわしい。(1999 10/25)

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MARUYAMA Satosi